『おまえの罪を自白しろ』(真保裕一)読書感想文#8
まず、タイトルからして目を引き、思わずドキッとしてしまいます。
罪なんてないよ!(焦)
と弁解したくなるタイトルです。
本作は、「とある疑惑」の渦中にある政治家の幼い孫娘が突如として何者かに誘拐されることから物語が始まります。
以下、内容です。
内容紹介(Amazonより)
総理がらみの疑惑の渦中にある代議士の孫が誘拐された!
犯人の要求は前代未聞――「罪の自白」。
政界に激震が広がる中、代議士と家族の戦いが始まる!
「総理の友人に便宜を払うため、国交省や県に圧力をかけたのではないか」
衆議院議員の宇田清治郎は、こんな疑惑を糾弾され、連日、メディアに追われていた。その最中、三歳になる孫娘が誘拐された。
「記者会見を開いて、おまえの罪を自白しろ。今まで政治家として犯してきたすべての罪を、だ」
犯人が提示したタイムリミットは翌日の午後五時。
動機は宇田清治郎への怨恨か。それとも、総理の罪を暴くことにあるのか。
警察は、思い当たる過去の罪を事前に打ち明けてくれ、と宇田を説得する。
保身のための駆け引きに長けた「官邸サイド」と対峙するのは、宇田家・次男の晄司。
宇田一族、総理官邸、警察組織――。
三者の思惑が入り乱れる中、刻々とタイムリミットが迫る。
晄司たち家族の戦いが始まる!
政治家一族の身内が誘拐されるという、現実的に起こりうる危機を、圧倒的な迫力で描き出すサスペンス大作!
私は大して政治に詳しくないため、あれこれ書いてある政治的な部分の細かいことまでは理解することが難しかったです。
でも、細かい内容が分からなくても、ストーリーは追っていけるので大丈夫でした。
そもそも、「代議士」って言葉がよく出てくるんですけど、衆議院議員のことを指すのですね。
「そこからかよ」というツッコミが聞こえてきますが、興味がまるきり無かったことを調べようと思った点で、自分を褒めたいです(笑)
ストーリーについては、あらすじ以上には語りません。後半からのスピード感のある政治の駆け引きに魅了されていました。
ひとつ思ったのは、結末(犯人)があまりに呆気なかったこと。
わたしは、最近読んでいるミステリー作品に感化されて、「登場人物の誰が犯人だろうか」などと推理しながら読んでいたんです。
そして、犯人がどういう人間なのか分かったとき、本当に拍子抜けしました。
それまでに伏線がなかったため、突然、別の小説が始まったかと思ったほどです。
よくよく考えると、これはサスペンスであって、ミステリーじゃないので、「謎解き」に期待した私の読み方が悪かったと思います。
終わり方は、綺麗にまとめたなという印象です。
政治的な駆け引きとかが好きな方にはおすすめです。
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