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ロバート・チャルディーニ著|影響力の武器

どうも、読書家のヒデです。
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今回は誠信書房(せいしんしょぼう)さんから2014年7月10日に出版された、ロバート・チャルディーニさんの『影響力の武器 なぜ人は動かされるのか』をご紹介したいと思います。

本題に入る前に少しお知らせをさせてください。

毎週金曜日、夜の10時から、おとんさんと言う読書家の方と、Twitterにて「読書会スペース」を開催しております。本の紹介や読書術、読書についての質問、ご相談にお答えするスペースです。興味のある方は、ぜひ遊びに来てください。質問、ご相談はTwitterのDMにて受け付けてます。

それでは本題です。

みなさんこんな経験はありませんか。

話の上手いお店の店員さんやセールスマン、はたまた会社の上司と話したときに、たいして欲しいと思ってもいなかったのに購入してしまったり、行きたくもない飲み会に行くことになってしまっていたり…

1度や2度は経験があるんじゃないでしょうか

これらは、そのほとんどの場合が、本書で紹介されている6つの心理トリガーが引き金になって、行動を起こしてしまってるんです。

本書の著者であるロバート・チャルディーニさんは、社会心理学者として「人に対する影響力」や「人を操る危険な心理効果」の研究と実験を繰り返し、さらには、自分自身がセールスマンや募金活動員、広告マンなどの業界に入り込み、そこの働き手の一員として、彼らが相手からどのようにイエスを引き出しているのか、彼らのテクニックを徹底的に調べたんです。

そしてたどり着いたのが、先ほどもお話しした「6つの心理トリガー」なんです。

この6つの心理トリガーの本質を理解するだけで、セールストークや詐欺にかなり騙されにくくなります。

裏を返せば悪質な情報商材屋やセールスマン、詐欺師はこの心理トリガーを使い倒していると言うことです。

要するに、この6つの心理トリガーを理解すれば、そういった人たちに騙されなくなるだけではなく、ご自身や自社の商品やサービスを、より多くの人に届けられる可能性があるんです。

そんな本書から、これは大きな効果が期待できそうなものを、3つご紹介したいと思います。

返報性

返報性と言うのは、字面からも何となく想像できるかもしれませんが、簡単に言うと「何かしてもらったら、お返しとして何かしてあげたくなっちゃう」と言う心理効果です。

例えば、誕生日プレゼントをもらったら、相手の誕生日にはお返しをしようと思うし、旅行のお土産をもらったら、自分が旅行に行った時は相手にお土産を買って行こうと思うじゃないですか。

人は親切にされたり、贈り物をもらったりすると、その相手に対して、お返しを"せずにはいられない"気持ちになってしまうんです。

この返報性という心理効果は、多くのビジネスで使われているんです。

例えば、スーパーの試食も返報性の心理効果を使っていて、最初に少し無料で提供することによって、「食べたのに紙皿だけ返して、買わずにその場を立ち去るのは申し訳ない」と感じさせて、購買行動につなげているんです。

この返報性の危険なところは、嫌いな人からもらった場合でもその効果は働いてしまうし、欲しくないものをもらった時にも働いてしまうんです。

さらに、もらったものよりも多く返さなきゃ、と思ってしまったり、相手が譲歩したら、こちらも譲歩しなきゃと思ってしまうんです。

例えば、語弊を恐れずに言うと、全く好きでもない女性から、欲しくもないバレンタインの義理チョコをもらったら、ホワイトデーに何かお返ししなきゃと思ってしまったり、お客さんに値引き交渉をされて10万円の商品を「5万円にしてほしい」と言われて、最初は「それはできない」と断っていても、お客さんが「じゃぁ8万円で」と譲歩したら、こちらも譲歩しなきゃと思ってしまうんです。

この返報性という心理トリガーは、いたるところで使われているので、特に無料のものにはその背景に何があるのかを考えると、安易に手を出さなくて済むかもしれません。

コミットメントと一貫性

これは簡単に言うと、人はいちど宣言してしまったものは、なかなか撤回することができないという心理効果です。

私たち人間は、自分の決断や行動が正しいと思い込んで、それと一貫した考え方を持ち続けたいと思ってしまうんです。

そのために、それを裏付けるものばかりを探してしまうんです。

「認知的不協和」とも言いますが、一貫した考えを持ち続けたいというあまり、事実の方の解釈を変えてしまうことがあるんです。

要するに誰もが「自分は合理的な人間である」と、思いたいんです。

ですが、私たち人間というのは感情の生き物なので、自分では合理的に行動していると思っていても、実はそうじゃなかったりするんです。

これは行動経済学でも証明されていますが、人は不合理な行動をしてしまう生き物なんです。

例えば、「世間で話題になっているから絶対にいい商品だ」と思い込んで、高価な買い物をしたとします。

その後に、「思っていたのと少し違うな」と思ったとしても、確証バイアスといって、自分にとって都合の良い情報だけを集めて、やっぱり素晴らしい商品だと思い込もうとしてしまうんです。

人は一貫性のある人間だと自分でも思い込みたいし、他人にもそう見られたいんです。

特に高価な商品を買うときは、冷静になって、「自分自身が一貫性を保とうとしているのではないか」という、自分自身を俯瞰して、見てみるのも良いのではないでしょうか。

社会的証明

私たち人間は、他の人たちが何を正しいと考えているかを基準にして、物事を判断してしまうというものです。

要するに、「みんながしている行動は正しい」と思ってしまうんです。

人は不確かな状況を目の前にしたとき、大多数の意見に従う方が、正しいと思い込んでしまうんです。

例えば、外食をするときに、食べログの評価を見てお店を決めたり、行列ができているお店を見て、このお店の料理はおいしいんだと思い込んでしまうことは、誰にでもあると思います。

ですが、この社会的証明が恐ろしいのは、いくらでも演出することができてしまうんです。

例えば、募金箱を透明にして、前もってそこにお金を入れておけば「みんな募金してるなら、私も少し募金しよう」という人が増えたり、実演販売でサクラを用意して、その商品にみんなが賛同して、良い商品だと言っていたら、自分もその雰囲気にのまれて、これは良い商品だと思い込んでしまうんです。

特に日本は、学校でも企業でも「みんな一緒」というのが大好きじゃないですか。

そこから外れようもんなら、容赦なくその人のことを攻撃しますよね。

こうした外的要因もあって、社会的証明というのは、人に大きな影響を与えてしまうんです。

自分が行動する際は、他人の行動だけを基準にするのではなくて、それはあくまで参考程度に留めて、「自分がどう思うのか」を基準に、自分の行動を決定することが大事なんではないでしょうか。

本書は他にも「好意」「権威」「希少性」の3つが紹介されていて、簡単に説明すると、「好意」というのは、好きな人が言っている事は正しいと思ってしまう。「権威」というのは、すごい肩書や、インフルエンサーの言ってる事は正しいと思ってしまう。そして「希少性」というのは、「残りわずかですよ」と言われると、なぜか欲しくなってしまう。

本書は、字も小さいうえに、500ページぐらいあるので、読書に慣れていない方には、すごく読みにくいかもしれないんですが、めちゃくちゃ面白い本なので、気になる方はぜひ手に取ってみてください。

今回は以上です

最後まで読んでいただき、ありがとうございます

それでは素敵な1日を

読書家のヒデでした


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