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北野唯我著|天才を殺す凡人

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今回は日経BPさんから2019年1月16日に出版された、北野唯我さんの『天才を殺す凡人』をご紹介したいと思います。

本題に入る前に少しお知らせをさせてください。

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それでは本題です。

本書は、いわゆるビジネス小説という形で、物語形式になっているので2〜3時間あればサクッと読めてしまうすごく読みやすい本なんですが、中身はものすごく濃い内容になっていて、会社で働くすべての人が、絶対に避けては通れない職場での人間関係や悩みを、解決してくれる1冊になってるんです。

会社で働いていると悔しい思いをしたり、誰かに嫉妬したりすることがあると思うんですよ。

著者はそういった感情は「自分の才能はなにか?」と言う問いに、自分自身が答えられない、理解できないことにあるんだと言ってるんです。

本書を読めば、「自分の才能とは何なのか」「その才能を仕事で活かすにはどうしたらいいのか」と言うヒントが見つかるかもしれません。

物語には、「天才」と「秀才」と「凡人」の3人のプレイヤーが登場しますが、本書の主張を一言で言えば「天才を生かすも殺すも凡人次第」と言うことです。

凡人が天才を殺すとはどういうことなのか?

一体どういう凡人が天才を殺してしまうのか?

逆に凡人が天才を生かすとはどういうことなのか?

そもそも天才と凡人の違いは何か?

本書では人の才能は3種類あると言っていて、それが先ほどもお話しした「天才」と「秀才」と「凡人」なんです。

「天才」と「秀才」と「凡人」

天才とは、独創的な考えや視点を持って、普通の人が思いつかないプロセスで物事を進められる人なんです。

秀才とは、論理的に物事を考えてシステムや数字にこだわって、秩序を大事にし、堅実に物事を進められる人です。

そして凡人は、人の感情やその場の空気を敏感に読み取って、相手の反応を予測しながら動ける人です。

一言でまとめると、天才は独創性が強い人、秀才は論理性が強い人、凡人は共感性の高い人といえます。

ポイントは誰でも「天才」「秀才」「凡人」どの性質も持ち合わせていると言うことです。

仮に天才だったとしても、独創性だけで100%成り立っているわけではなくて、「論理性」も「共感性」も少しは含まれてるんです。

それぞれの「独創性」「論理性」「共感性」のバランスによって、どのタイプに当てはまるかが決まるんです。

この「天才」と「秀才」と「凡人」と言うのは、そもそも会話をしたり評価したりするときの軸が違うんです。

例えば、天才と言うのは「誰も思いつかないようなアイディアで、創造的であるかどうか」で会話や評価をするんですが、凡人は「その人の考えに共感できるかどうか」で会話や評価をするんです。

だからこの2人が話していても永遠に話が噛み合わないんです。

会社などでも、どうにもこの人とは話が噛み合わないと言う人はいると思うんですけど、それはあなたと相手の軸が違うからなんです。

「そんなことない。話し合えばきっと分かり合える」と思っている人もいるかもしれませんが、なかなかそうはいかないんです。

話し合いで全て解決できるなら、この世から戦争はなくなはずだし、学校や職場からいじめと言うものはなくなるはずじゃないですか。

でも、なくならないのは話し合いで全てが解決できるというのは幻想だからなんです。

ですが、それぞれの軸にどれがいいとか悪いとか、優劣なんてものはないんですよ。

多数決というナイフ

問題は「人数の差」なんです。

世の中の8割〜9割は凡人なんです。

つまり世の中の大多数が凡人なんですよ。

その凡人は、その気になればいとも簡単に天才を殺すことができてしまうんです。

その天才を殺す武器が「多数決」というナイフなんです。

民主主義国家では、学校でも会社でも多数決が正義とされてますよね。

その多数決は圧倒的大多数による凡人によって、天才の独創的なアイディアを、いとも簡単に潰してしまう、殺してしまうことができてしまうんです。

天才は、他の人には見えていない未来が見えているんですが、それは共感される事は少ないし、利益につながるかどうかも不明確なので、秀才や凡人の多数決によって才能と言うものがどんどん死んでいってしまうんです。

これから凡人が天才を殺す仕組みなんです。

ですが、みなさんもお気づきかもしれませんが、凡人は天才を殺すだけではなくて、持ち上げたり、称賛したり、褒め讃えていることも多いですよね。

これは凡人はオセロだからなんです。

凡人はオセロ

凡人と言うのは、共感性が強い故に簡単に黒から白にひっくり返ってしまうんです。

成果を出す前の天才には、共感も理解もできなくて、恐ろしく冷たい態度をとってしまうんです。

ですが、天才が成果を出したり、言った通りの未来が来た途端に、いとも簡単に手のひらを返すんです。

そして、天才が失敗したり間違えたりすれば、さっきまで手放しで褒めていた凡人が、途端に意見や態度を変え、また冷酷になってしまうんです。

こうやって持ち上げたり、ちやほやしたり、冷酷になったりする凡人なんですが、天才が天才であるためには、凡人の相棒が必要不可欠なんです。

共感の神

天才と言うのは、未来が見えているんですが、共感性が低いため、凡人の人たちにそれを説明するのが苦手なんです。

だからこそ、天才の通訳になり、クッションになる、天才のサポーターになる凡人が必要なんです。

そして何より凡人の中には、ずば抜けて共感性が高くて誰が天才なのかを見極められる人がいるんです。

そういった人のことを本書では「共感の神」と呼んでいます。

この「共感の神」がそばにいることで、理解され、支えられて、天才と言うのは成功できるんです。

「共感の神」になるには、その人が天才かどうかを見極める力が必要になってきます。

その上で、根回しができる人です。

会社で大きな企画を通そうとしたり、プロジェクトを進めようとした時には、いろんな部署に根回しをしておくことも大事なんです。

ですが、天才は創造性はあるんですが、共感性が低いから、普通の人を説得できないんです。

そこで、天才がそれを実現するために必要になってくるのが、「裏側でサポートする共感の神」と呼ばれる人なんです。

そうやって天才と言うのは共感の神によって支えられて、創作活動に専念できるんです。

そしてもう一つ大事なのが、天才の素晴らしさをより多くの人に知ってもらうために、「自分の言葉で伝える」と言うことです。

具体的に言うと、多くの企業で会議やミーティングの時に飛び交っている「KPI」や「ガバナンス」、「マーケティング」や「イグジット」といった、他人の作った便利言葉を使うのではなく、たとえ上手くまとまっていなくても、幼稚な表現だと思われても、自分の言葉で伝えていくのが、大多数の凡人の共感を生むんです。

これが天才を信じ、サポートし、「天才を生かす共感の神」に必要な要素なんです。

本書を読んで、私はやはり凡人中の凡人だなと思いました。

その上で私は、天才を殺す凡人ではなく、天才を生かす凡人になっていきたいと思ってのと同時に、凡人にはまだまだ可能性があるんだと言うこともわかりました。

皆さんもぜひ本書を手に取って、自分がどのタイプなのかを知ってみるのも、面白いんじゃないでしょうか。

今回は以上です

最後まで聞いていただきありがとうございます

それでは素敵な1日を

読書家のヒデでした


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