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バナナの魅力を100文字で伝えてください

どうも、読書家のヒデです。

今回はかんき出版さんから2021年12月17日に出版された、柿内尚文かきうちたかふみさんの『バナナの魅力を100文字で伝えてください|誰でも身につく36の伝わる法則』をご紹介したいと思います。

本書は、ひと言で言うと「自分の伝えたいことが相手にちゃんと伝わる技術を教えてくれる」1冊です。

「自分の伝えたいことが相手にちゃんと伝わらない」と言う経験は、誰もが1度や2度はあるのではないでしょうか。

自分が思っていることをただ話すだけなら簡単ですが、それをちゃんと相手に伝わるように話すとなると、なかなか難しいと思います。

「でも、自分は教師やアナウンサーのように伝える仕事をしてるわけじゃないから必要ないよ」と思う方もいるかもしれませんが、〝伝わる技術〟と言うのは誰もが身に付けておいた方が良い技術なんです。

なぜなら、どんな人でも、誰とも一切関わらずに生きていくのは、不可能だと思うからです。

家族や友人、部下や同僚、上司や先輩、そして今では、オンラインで誰とでも繋がれる時代です。

誰とも関わらずに生きていくことができない以上、自分の思いや言いたいことが、「相手に〝伝わる技術〟」と言うのは、ないよりはあった方が良いのではないでしょうか。

著者の柿内さんは、これまで編集者として数多くの書籍や雑誌をベストセラーにしてきました。

本書は、長年「伝える」と言う仕事をしてきた著者が、〝伝わる〟とはどういうことかを、分かりやすく解説した1冊です。

そんな本書から、私がすぐにでも取り入れたいと思った〝伝わる技術〟を3つご紹介したいと思います。

比較の法則

突然ですがここでクイズです。

『ある人気の八百屋さんがあります。このお店では普通はあまり伝えない「あること」をお客さんに伝えているそうです。さて、そのあることとはいったい何でしょう?」

答えは、「今日お勧めしない野菜や果物を正直にお客さんに伝える」と言うことです。

これを聞いたほとんどの方は「そんなことしたら野菜や果物が売れ残ってしまうじゃないか」と思ったのではないでしょうか。

確かにそうなんですが、それでいいそうなんです。

その八百屋さんのお客さんはほとんどが常連さんで、毎日のようにそのお店を使ってくれる人たちです。

そういう人たちが「おいしくない野菜や果物」を買ってしまったら、お店の評判も落ちて、次からは近所のスーパーに行ってしまうかもしれない。

だからこそ、できるだけ正直に伝えているそうです。

こうやって聞くと、「おいしくない野菜や果物」を正直に伝えている理由も、納得できるのではないでしょうか。

この伝え方には、「伝わる技術」が凝縮されているんです。

それが「比較の法則」です。

比較の法則は、ダメな部分を正直に伝えることで、逆に良いものが引き立つという方法です。

そして、ダメなものを正直に伝えることで、信頼感も生まれやすくなります。

比較することによってその魅力を、人に伝えることができるんです。

例えば、焼肉のお肉には、カルビやロース、タンやハラミといった、いろんな種類がありますが、それらを食べ比べることによって、脂身のおいしさや肉の味、食感の違いなど、それぞれの部位のおいしさに気づくことができるんです。

単品ではわからない、それぞれの魅力が、食べ比べという「比較」をすることで、はっきり際立ってくるんです。

他にも、「見た目はいまいちだけど、味は抜群」と書かれている商品があると思います。

例えば、無印良品の「不揃いバウム」や、江崎グリコの「ジャイアントカプリコふぞろい品」といった商品が、発売されていたりします。

特に食品に関して言えば、最近はフードロスが社会問題化しているので、あえて見た目が悪いと言うことを伝えることで、食品を無駄にしていないと言うことが商品イメージに対して、プラスに働くんです。

さらに、この「比較」というのは、日常でも無意識のうちによく使われることがあります。

例えば、「以前よりも企画のクオリティー上がってるね」とか、「対前年比、売り上げ120%アップです」など、いろんな場面で「比較」と言うのは使われているんです。

この「比較の法則」は、普段から誰にでも簡単にできて、使いやすい法則なので、ぜひ活用してみて下さい。

フリオチの法則

フリオチというのは、お笑いでよく耳にすると思いますが、フリというのは、相手に「この先きっとこうなるんじゃないか」というイメージを持たせることです。

一方で、オチというのは、そのイメージを裏切るような意外性や驚きのある結末を用意することです。

この、フリとオチというのは、伝え方でも重要な技術なんです。

伝え方のフリとオチというのは「振り幅を大きくして、より価値を見える化する」ための方法です。

例えば、近所の方から「うちの子が東大に入ったの」と言う話を聞いたら、どんな印象を受けますか。

「すごく頭の良い子なんだな」
「すごく出来の良いお子さんなんだな」

そんなふうに思うのではないでしょうか。

ですが、「うちの子、高校2年までは本当に成績も悪くて、偏差値も35だったの。でも、そこから頑張って塾にも行かないで現役で東大に入ったの」と言われたらどうでしょうか。

そんな話を聞いたら驚きませんか。

「いったいどんな勉強したんだろう」
「なんでそんなに短期間で成績を伸ばせたんだろう」

と、一気に興味が湧いてくるのではないでしょうか。

以前大ヒットした「ビリギャル」も、この「フリとオチ」をうまく活用しているんです。

学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて、慶応義塾大学に現役合格した話で、書籍はベストセラーになり、映画も大ヒットしました。

これも「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げた」というフリがあるからこそ、「慶應義塾大学に現役合格」というオチが生きてくるんです。

これがもし、「高校時代ずっと成績上位だった優等生が慶応大学に現役合格した話」だと、何の驚きもないのではないでしょうか。

こうやって、「フリ」と「オチ」の間に、意外性や驚き、憧れがあると、人の興味や関心が生まれるんです。

なかなか相手に話が伝わらない人は、相手に興味や関心を持ってもらえるように、会話の中に「フリ」と「オチ」を取り入れることを、意識してみてください。

ファクトとメンタルの法則

相手に伝えるときに、見落とされがちなのが「ファクト(事実)とメンタル(感情)の2つに分かれる」と言うことです。

相手に何かを伝えるときに、この2つがごちゃごちゃになっていると、ちゃんと相手に伝わらないんです。

例えば、奥さんや彼女が、旦那さんや彼氏に対して、「ねぇ、聞いてよ!今日会社でひどいことがあったの。私のやったことじゃないのに、ミスを私のせいにされたの。信じられない!」と愚痴をこぼしたとします。

それに対して旦那さんや彼氏は、「それはひどいね。そういうことが起きた原因は、お互いのコミニケーション不足にありそうだね。今後は、コミュニケーションを増やしたらいいんじゃないかな。」と答えました。

ですが、この旦那さんや彼氏の言葉は、奥さんや彼女には全く刺さらなかったんです。

これは、奥さんや彼女が伝えたかったのは「ひどいことがあったの」というメンタル(感情)の部分に対しての共感です。

それに対して旦那さんや彼氏は「ミスを私のせいにされた」というファクト(事実)に対して回答したから、話が噛み合わなかったんです。

これと似たようなことを、女性も男性も多くの人が、経験しているのではないでしょうか。

特に日本人はコミュニケーションを取るときに、話の内容と人格を一体化させやすい傾向にあると、よく言われています。

だからこそ、相手に何かを伝えるときは、伝えたいことが「感情」なのか「事実」なのかを分けて考えることを意識するだけで、「伝わる力」が上がるはずです。

一方で、ファクトとメンタルをかけあわせることで、伝わる力が上がる方法があります。

例えば、吉野家の有名なキャッチコピーで「うまい、やすい、はやい」と言うのは、ファクトとメンタルをうまくかけあわせているんです。

「うまい」というのがメンタルで、「やすい、はやい」というのがファクトです。

他にも、日清食品のチキンラーメンのキャッチコピー「すぐおいしい、すごくおいしい」

これも、「すぐおいしい」というファクトと、「すごくおいしい」というメンタルが、かけあわさっています。

こうしたファクトとメンタルのかけあわせは、日常生活の会話や文章でも使えるんです。

例えば、手料理を作ってくれたパートナーに、「味がよく染み込んでいて、とってもおいしいよ」と、ファクトとメンタルをかけあわせて伝えることができます。

相手の心にしっかりと伝えるためにも、ファクトとメンタルを分けて考えて、その上で、ファクトとメンタルをかけあわせることをぜひ、意識してみて下さい。

まとめ

と言うことで今回は、柿内尚文(かきうちたかふみ)さんの『バナナの魅力を100文字で伝えてください』を解説させていただきました。

まとめると今回は、あえてダメな部分を正直に伝えることで、逆に良い部分を際立たせるという「比較の法則」

話の振り幅を大きくして「フリ」と「オチ」の間に、意外性や驚き、憧れの感情を抱かせることで、人の興味や関心が生まれる「フリオチの法則」

伝えたいことが「ファクト(事実)」なのか「メンタル(感情)」なのかを分けて考えて、そのうえで2つをかけあわせる「ファクトとメンタルの法則」を解説しました。

本書には他にも、13個の伝わる技術や、伝わる人が実践している4つの行動、面倒な人への対応策など、誰にでも簡単にできる方法がまだまだ書かれているので、気になる方はぜひ手に取って、「伝わる技術」を身に付けてみてはどうでしょうか。

今回は以上です

最後まで読んでいただき、ありがとうございます

それでは素敵な1日を

読書家のヒデでした

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