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助成金コンサルティング会社のスタートアップのコンサルティングをした話。行政書士即独4ヶ月にて肌で感じた「ビジネスの在り方」。


こんにちは。白百合行政書士事務所 りこ です。

今回のタイトルはなんだか横文字が多いうえに何が何だかわからない感じになっていますが、まあそんな感じです。

具体的には、新型コロナウイルスの影響により増加した助成金申請の需要やコンサルティングの必要性を鑑み、助成金申請の熟練者や社労士資格保有者が集まりコンサルティング会社を設立できないか、という相談でした。

そこから、わたしが感じたことや考えた「事業を立ち上げる」「それをビジネスとして成り立たせる」ことから「ビジネスの在り方」についての考察やコンサルティングの内容をまとめてみました。


増える助成金申請の需要。


助成金コンサルティング事業って立ち上げたいんだけど。」


「何ですか、それ?」


「今、どこの事業者さんも手元資金苦しいから助成金ほしいやんか。でもこの書類見て。」


「何これ、複雑すぎますね…これはコンサルなしではなかなか書けない書類ですね」

「でしょ。これで困ってる事業者さんからよく相談来るんだけど、これ会社立ち上げた方が早いかなって」


助成金、補助金、給付金…

連日取り沙汰される話題であり、とくに中小企業などでは融資が通るか、支給されるか、それがいつになるのかは死活問題となります。

わたしの元にもそういったご相談が入ってくるので、ちょうど何かできないかと考えているところでした。

※厚労省が提供する助成金の申請書の作成や行政機関への提出などの業務は社労士の独占業務となります。

今回は、まず

「融資や助成金、色々あるがどれを申請できるのか、したらいいのかわからない人たちの力になりたい。」

そして、

「主に助成金についての仕事をやってきたので、その方面だったら力になれる。」

なので、

「助成金特化型のコンサルティング会社を立ち上げ、どのような助成金が受給できるのかをコンサルし、提携社労士と共に困っている中小経営者の力になりたい」

ということでした。

需要、ターゲティング、明確なメリットがありまた経験の多さからシミュレーションイメージや強みの打ち出しも容易と思われました。


「何がしたいか」ではなく「何ができるか」。


まず、事業を立ち上げるということは

「こういったことがやりたい」「これを売りたい」

そういった動機から始まることが多いと思われます。

もちろんそれは立派な動機です。そしてそういった展望や夢を持つことはとても素晴らしいことだと思います。

そうして、それを貫徹し大成した経営者の方も世の中にはたくさんいらっしゃいます。


ただ、それに関して「確実に収益の上がるスキーム」を作るにはどうしたらいいか。

これはお仕事で会社設立の案件もあるためよくスタートアップの方とお話させていただく機会があるという個人的な経験や考察からですが…

「これがやりたい!」「楽しそうだからやってみたい!」といった理由のみで会社を設立される方からは、わたしはその場ではお受けしません。

もちろん設立でないとわたしのお仕事にはなりませんが、まず個人事業主としてスタートすることをご提案したりじっくりと他の選択肢がないかの検討をします。


一部を除き、事業は自己満足ではありません。

自分がやりたいことを実現するため、それも大きな夢の一つですがそれはあくまで趣味の範疇だと思っています。

ビジネスは、「価値」つまりその対価である「金銭」を生み出して初めて成り立つものです。

そのためには必ず「顧客」が必要です。

その夢の向こうに、誰かの価値になるものがあるか?

自分の「これがやりたい」が、はたして世の中の質を上げるものなのか?

「便利」「悩みの解消」「不便の解決」「新たな価値」…

それをすることでこういった明確なメリットを打ち出し、それを明確な相手に価値として提供することができるか?

こういう人いると思うんだよね、そういった人の力になりたい。それではまだただの思い込みの範囲を超えません。希望的観測です。


「趣味」と「ビジネス」の違いは「自分のため」か「明確な誰かのため」か、その視点です。

その違いがあいまいだと、思わぬところで躓いたり周りが見えなくなってしまう場合があります。

会社は作るのは簡単です。

しかし、潰すのは悲壮な覚悟と多大な労力がかかります。

なので、まずはその視点をクリアにすることが大事だと思います。


「できること」が「どういったことなのか」。


さらに、そこをもう一歩掘り下げてみます。

はっきりとした「モノ」を売るのなら、メリットやターゲットの洗い出しは比較的容易だと思います。

「誰」「どのような場合」「どうやって」それを消費し「その結果、こういったメリットを感じた」といったストーリーを構築すれば、自ずとそのモノのデザインやプロモーション経路、価格帯、購買層は明確となります。

ただ、目に見えない「サービス」の場合。

「これがやりたい」「これができる」その先に顧客がいるとしたら、次に問題になってくるのが「それを自分は明確な価値として提供できるのか?」

そこの洗い出しが必要となってきます。


巷によくある台詞であり、わたしも何もわからないまま勢いで独立しホームページを作ったときに載せていた文言なので恥ずかしいですが…

例えばこんな言葉。

・お客様に寄り添います。
・困っている方の力になります。
・懇親、丁寧にあなたの人生をサポートします。


よく、名刺やホームページのトップに見かける文言です。

でも、そんなものざっくりしすぎていて逆に誰にも響きません。

明確なベネフィットがない上に、ただの自己満足の押し付けにすぎません。

ちゃんと寄り添ってくれたか、悩みが解決したか、懇親丁寧だったかどうかはお客様が決めることです。

そしてこういった「誰にでも通用する言葉」は「誰にも響かない」んです。

もちろん、ホームページの最後などに付け加えるのは好印象でしょう。ただ、それはあくまで「プラスアルファ」です。

あくまで商品(サービス)は「あなたに対してできること」であり「寄り添うこと」がサービスのメインではありません。

「心に寄り添うこと」をメインの商品として価値とするのなら、ホステスやカウンセラーさんといった職業となるでしょう。


サービスのマネタイズは、形が見えないものなのでときに方向性やターゲティング、メリットの打ち出し方を見失う時があります。

なので、商品をサービスとする場合は

「自分はこれがやりたくて、こんなことができます」だけではなく

「これができるので、あなたにこういった価値を提供できます」

といったことをはっきりと明確化していかなければならないんです。


助成金コンサルティング会社を例としてみます。

「融資・助成金のプロが懇親丁寧にあなたに寄り添い、悩みの解決をサポートします。まずは一度ご相談ください。」
「コロナでお困りの経営者様や個人事業主様、まずは一度ご相談ください。融資・助成金のプロがあなたの資金繰りをサポートします。」

同じような文言ですが、後者は「誰」に「できること」を「提供できる」かがよりはっきりします。

これができて初めて「価値を提供」「金銭を対価として頂く」ことができるんです。


「そこに目的はあるか」。


さて、さきのコンサルティング会社。

「誰に」「何ができ」て「どのような価値」を「的確に提供できる」かについては先述の通り問題ありませんでした。

(社労士法に抵触しない範囲での業務内容とすることも確認済です)


ただ、そこで個人的にどうしても引っかかっていたものがありました。


「結局、目的は何?」


設立の話はいったん仕切り直しとなりました。


人間も、もちろん事業もそうですが、目的や理念を持って動かない時間は何も生み出しません。

ただ時間を消費するだけです。

人間一人なら好きに気を緩めたりお酒を飲んだり、ときに本当にこれ無駄すぎるけど何となくやってみよう…といった行動はおおいにありだと思います。

しかし、会社は常に目的や理念へと動いていなければなりません。


経済の巡りは血の巡りです。止まったら壊死してしまいます。

現在、コロナで経済が止まってしまっているのがまさにその状態です。

その経済の一端を担っている会社は、常に動き続けていなければなりません。

その動く原動力として「目的」「理念」が必要なんです。

あっちこっちコンセプトがフラフラしている会社のサービスを受けたいと思いますか。


結局、その助成金コンサルティング会社の方向性を突き詰めてみるとそこには「中小企業をサポートしたい」といった方向性はありましたが「他と違った大いなる目的、理念」あるいは「コンセプト」がありませんでした。

もちろん、スタートアップの時点ではそこまで具体的に決めていなくても良いと思います。

特にコンセプトは、会社を運営していく中でPDCAを繰り返し固まっていくものでもあります。

でも、この先の発展性を考えたらもう少し目的を明確化したいとのことで、次回へ持ち越しとなりました。


価値を生み出すこと。


新しい価値を生み出すことは、簡単なようでとても大変なことです。

今迄誰もやったことのないことだったらなおさらです。

今、わたしは自分で生み出していかなければならない立場になってその苦労がとてもよくわかるようになりました。

日々身の回りにあるモノから普段何気なく享受しているサービス。

それらは全て、苦労してひねり出し届けられている誰かの英知の賜物です。

それに価値があるからこそ、わたしたちは対価を払います。


ビジネスで入ってくるお金の多さは、誰かの価値となったことの大きさです。

「大きなお金を稼ぐ」というのは、どんな業種や事業、個人でも全ては明確な目的と地道な労力、正しい方向への努力があって初めて実現できるものだと思います。

このコンサルティングの件は、それを改めてわたしに気付かせてくれた貴重な経験でもありました。


これが、わたしが金なしコネなし経験なし行政書士即独約4ヶ月にて肌で感じた「経営者、事業、そしてビジネスの在り方」の素直な感想のまとめです


できることがまだまだ少ないわたしにはまだまだこういったことを語れるような器ではありませんが、これを自身のフィードバックとして、そして誰かの価値として共有できれば幸いです。


長々と語ってしまいましたが、読んで頂いてありがとうございました。

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