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なぜ高齢者は賃貸住宅を借りにくいの?

65歳を超えると賃貸住宅が借りにくくなると一般的には言われています。

実は私自身、前職の不動産会社で働いていたときに、80代の女性のお部屋探しを手伝ったことがきっかけでこの問題を知りました。

では、なぜ、高齢者になると、賃貸住宅を借りにくくなるのでしょうか。
(普段、弊社では65歳以上の方と呼んでおりますが、この記事では便宜上、高齢者と表記しております。)

今回は、「65歳を超えても入居可能な不動産サイト」を運営するR65不動産の山本が、高齢者が賃貸住宅を借りにくい5つの理由について詳しくお話したいと思います。

1.今までに貸したことがないから

「高齢者に賃貸住宅を貸したくない」という大家さんは実に7割。
一方で、実際に高齢者に賃貸住宅を貸した経験のある大家さんは、非常に少ないのです。

これは、大家さんや物件を管理する不動産会社さんの漠然とした不安からくるものです。

ですが現在、65歳以上で賃貸住宅を借りている方は、400万世帯いらっしゃる、と言われています。とても多いですよね。
そのほとんどが、若い頃から賃貸住宅に住み、更新し続けた結果、気がついたら65歳を超えていた方ばかりです。

つまり、65歳を超えてから入居者を受け入れたことがない大家さんが大多数。その為、いざ高齢者を受け入れるとなると「何が起こるか分からない」と貸し渋る。

では、実際にどんなことが起こりうるのか、イメージと実態、具体例を踏まえて説明していきます。

2.事故物件になるのを防ぎたいから

高齢者の入居は孤独死の可能性が高く、事故物件になるのではないか」と心配し、高齢者を断る大家さんは多いと思います。

事故物件になってしまうと、通常の清掃では汚れやにおいが落ちず、数十万円、場合によっては百万円ほど原状回復費用がかかってしまいます。

家賃の数年分もかかるなら孤独死は避けたい、というのが大家さんの本音なのです。

3.滞納しそうだから

家賃の支払いが滞るのは、不安ですよね。
大家さんや不動産会社さんの中には「高齢者=滞納」のイメージを持つ人も多いようです。

ですが、実際の滞納率について尋ねると「若い人に比べて、高齢者は滞納しない」と答える弊社パートナー不動産会社は少なくありません。

確かに、高齢者になると経済条件が変わることは稀でしょう。
転職などで収入が変わることもなければ、結婚や出産などで大きなお金が必要になることも少ないです。

強いて言えば、入院などで大きなお金が必要になることはありますが、大体の場合、健康保険で対応するため実費負担は少ないですし、多くの人が預貯金がある為、家賃を滞納するケースは非常に少ないです。
また、「この物件を追い出されたら次に行くところがない」という気持ちから滞納しない、という話も聞きます。

では、なぜ「高齢者=滞納」のイメージがある大家さんや不動産会社さんがいるのか。

それは、おそらく入居前の審査をほとんどしないまま契約しているから、ではないでしょうか。

収入や貯蓄に見合う家賃であるか、滞納した際に払ってくれる保証人がいるか、いない場合は保証会社などの準備があるか。

この辺りの審査をきちんと入れていれば、おそらく滞納もなかったでしょう。

4.残された荷物の処分が大変だから

入居者が亡くなった後、部屋に残った荷物は、基本的にご家族が処分します。どんな荷物であろうと、相続される為です。

大変なのは、受け取ってくれる家族がいない場合です。
大家さんは勝手に荷物を処分することができず、その期間、新規の募集もできません。

実際問題、かなり調整が必要な作業にはなりますが、弊社ではこの問題に対応できるよう動き始めているところです。今後の動きに、乞うご期待!

5.認知症になって他の入居者を困らせてしまうから

高齢の入居者さんが認知症になるケース、これは大変です。
入居前には問題なくとも、入居して数年経ち、認知症を発症することもあります。

初期の症状は軽微なものでも、段々と中度、重度と進行していきます。

たとえば、
家賃を払っていないのに「家賃を払った」と言い張る、
うまく捨てることができずゴミ屋敷になってしまう、
夜と昼の時間の区別ができず、迷惑な時間に友人や大家を訪問してしまう
などが例に挙げられます。

実際に私が対応したケースだと、
「ホースが外れたまま、洗濯機を回し、階下に漏水をしてしまう」
入居者さんがいました。

階下には若い入居者さんが住んでいましたが、もちろん階下の入居者さんの脱衣所は漏水で大変なことになりました。
また、一度で終わらず、同じ月に3回発生しまして、ついに階下の入居者さんは退去しました。

最初は、うっかりやってしまったのか、と思ったのですが、よくよく話をしていると同じ話を何度もしていたり、認知症の症状を見受けられました。

結果、地域包括支援センターに相談し、入居者さんはグループホームにお引越ししてもらうこととなりました。

弊社としてもこの難しい部分もどうにかカバーができないかと、知恵を絞っているところです。

高齢者に賃貸住宅を貸すノウハウ、やっと完成

いかがでしたでしょうか。
高齢者に賃貸住宅を貸す場合と、若い人に貸す場合とでは全く違うことが起こります。

正直、高齢者に貸すノウハウは、今までどこにもありませんでした。

色々な不動産会社さんや業界団体の方から勉強させてもらい、弊社もやっと高齢者に賃貸住宅を貸し出す上での課題を洗い出すことができました。

先ほどお話した孤独死についても、「R65あんしん見守りパック」という弊社独自の電力による見守り+保険も拡充しております。
こちらは別の記事にしておりますので、宜しければ、そちらもご確認ください。
https://r65.sunnyday.jp

R65不動産は、大家さん・不動産会社さんと一緒に「年齢で断らない」不動産サイトを目指し、日々営業しております。

弊社に興味を持っていただいた不動産会社さんや大家さんも、お気軽にお問い合わせください。

私たちと一緒に「いくつになっても、豊かな暮らし」ができる社会にしていきませんか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

山本

R65不動産(https://r65.info/)
月~金 10:00~18:00 (祝日を除く)
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050-3702-2103


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