見出し画像

【ワークショップレポ】R60-SETAGAYA-で何を実現したい?~業界を超えて、アイデアを共有!


現在、世田谷区で実施中!「シニアの働く」と「地域の事業者」をつなぐ情報プラットホームを作るモデル事業「R60-SETAGAYA-」。
先日行われた利用者と事業者が「R60-SETAGAYA」について率直に語り合うワークショップに続き、この度は事業者同士のオンライン交流会を開催しました。

参加してくださったのは、世田谷区に拠点を持ち、R60-SETAGAYA-を通して、積極的にシニア世代を採用しようという4業者。R60-SETAGAYA-で実際にシニアを募集してみた感想や、今後の展望などについて話し合いました。

参加事業者紹介

・株式会社more(渡辺さん)
世田谷区内(瀬田・用賀・千歳船橋・成城)で在宅介護サービスを展開。

【将来的に目指したいこと】
介護保険外ビジネスモデルの構築

・社会福祉法人 大三島育徳会(佐藤さん)
世田谷区鎌田・玉川・用賀地域に9拠点15事業所を展開、高齢者介護事業と障害者支援事業の両方を運営。

【将来的に目指したいこと】
地域の方が多く就職してもらい、地域と一緒に働ける事業所

・IID 世田谷ものづくり学校(石塚さん)
廃校になった旧池尻中学校舎をリノベーションし、シェアオフィス・レンタルスペースとして運営。

【将来的に目指したいこと】
地域の方の個性を考慮したマッチング

・社会福祉法人 杉の子保育会(星野さん)
世田谷区内で11の保育園を運営。

【将来的に目指したいこと】
地域の多様な人材と創るみんなの保育園


それぞれの現状について

―― R60-SETAGAYA-にご登録いただいてから、いかがですか?

渡辺さん:デイサービスでレクリエーションを行っていただける方を募集したところ、2名の方から応募がありました。実際にお越しいただくのはコロナ収束後になりますが、「やりたいことが実現できそう」という言葉をいただいています。

佐藤さん:まだマッチングは実現していませんが、自分自身、生まれも育ちも世田谷区なので、この取り組みを通して世田谷区を活性化させていけたらと思っています。ただ、今はコロナの影響で、組織全体が外から人を受け入れることに対して慎重になっている時期。コロナが落ち着けば、お願いできる仕事はたくさんあると思っています。

石塚さん:R60-SETAGAYA-での募集はまだ行っていませんが、ものづくり学校でシニアにご活躍いただいた例として、大手電機メーカーを引退した方に、保証期限が切れた家電の修理などを行うときのアドバイザーとして活動してもらう、ということがありました。世田谷区にはさまざまなバックグラウンドを持つ方がたくさんいらっしゃるので、近隣の方の個性や属性などを聞いた上で、これから一緒に仕事を作り出していきたいです。

星野さん:杉の子保育会では、R60-SETAGAYA-が「地域のシニアにお願いしたい仕事は何か」を考えるきっかけになりました。今ある仕事から募集を行うのではなく、新たな仕事を考え、作るというのは、今回が初めての試みでした。

新たな仕事づくりに向けたアイデア交換

――今後、新たな仕事をつくっていくためのアイデアがあれば教えてください。

渡辺さん:訪問介護の際、たとえば「エアコンを掃除してほしい」というお願いがあっても、介護保険の適用外となるため、行うことができません。将来的にはR60-SETAGAYA-を通して、介護士ではできない、介護保険を超えた仕事をお願いできたらいいですね。

石塚さん:採用する側からのニーズを提示するだけだと、シニアの個性が見えませんが、ヒアリングを行い、スキルがあることを見いだせた経験があります。それをアナログではなく、R60-SETAGAYA-のなかでシステム化することで、利用者のスキルや個性を知ることができると、新たな仕事につながりそうです。

星野さん:私たちは、単発で日程の融通がきく仕事であれば、シニアの方に参加していただきやすいと考えて、仕事を切り出しました。

佐藤さん:長期間の仕事だけでなく、スポットで小さな仕事があって、それに少しずつ入ってもらえたら、よりシニアに出会える機会が増えそうですね。

R60-SETAGAYA-の将来像を考える

―R60-SETAGAYA-の目指す将来像について、自由な発想でご意見をお聞かせください!

石塚さん:世田谷区在住者が世田谷区で仕事をする、つまり地域に紐付いているのがR60-SETAGAYA-のポイントだと思います。世田谷という地域性を考えると、仕事をする理由として、お金だけが目的ではない部分があるのではと。また、キャリアとしては大手企業に勤めていた人ばかりでなく、個人でビジネスをやってきたような人も多いです。そのように地域の関係性が見え、それを活かせるシステムができればいいですね。

佐藤さん:送迎のドライバーのように、急に空きが出て、そこに入ってほしいという仕事が発生することがあります。「この事業所専門のドライバー」ではなく、「この地域にある事業所を担ってくれるドライバー」というように、同じカテゴリーのなかで、欲しい人材のスポットが重なれば、それが仕事につながっていくのではと感じました。

渡辺さん:介護の会社であっても、介護の仕事だけではない仕事の切り出し方があると思いました。例えば、職員に代わって電話対応をしてもらえたら、職員はその間、利用者から目を離さずに対応が続けられます。
事務の共通のバックオフィスがあるといいかもしれません。書類をまとめてもらったり、分析をしたりする仕事は、体力とは関係なく行ってもらえる作業だと思います。次の出店先の不動産物件を探す作業など、その地域に住んでいて、地域のことをよく知っているからこその利点もあるのではないか、と。

星野さん:私は利用者と語り合うワークショップにも参加したのですが、利用者の方から「私たちに期待することは何か?」という問いかけがありました。シニアに期待することを、企業が明確にすること。そして、私たちは子どもに関わる仕事なので、「その仕事が子どもたちの未来にどうつながるのか」という話も。そういった、仕事の意義について発信していくことも大切ですね。

対話を通して、新しい芽が育つ

画像1

今回初めて行った、登録事業者同士の交流ワークショップ。
参加者のみなさんからは、「短期目線での現実的な落とし所と、長期目線での将来への課題抽出を並行してすすめる必要に気づいた」「事業内容は異なっていても、スキルを持つシニアの方々への期待を持って求人していることがわかった」などのご感想をいただきました。

働くをRe:DESIGNすることを目指す「R60-SETAGAYA-」。今回のワークショップは、それぞれに持ち寄ったアイデアの種が、異なる立場や目線を持つ方々との対話によって、「新たな働き方の一例」として芽吹く予感を感じさせてくれました。

今後もR60-SETAGAYA-の積極的な活用について、考えを深めてもらえるような機会を適宜設けていきます。みなさんにもぜひ、「地域における多様な働き方って、なんだろう? どんな未来が来たらいいだろう?」と思いを馳せていただければ嬉しいです。

---------------------------------------------------------------

Facebook、Twitterからも情報を発信しています!
【Facebook】https://www.facebook.com/GberSetagaya
【Twitter】https://twitter.com/GberSetagaya

---------------------------------------------------------------

お問い合わせは以下へご連絡ください。

(世田谷区事業者の方)

(世田谷区民の方)

働くをRe:DESIGNする
R60-SETAGAYA-
世田谷版GBER運営オフィス(運営:非営利型株式会社Polaris)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?