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【ワークショップレポ】利用者と事業者で一緒に考えるR60-SETAGAYA-の新しい働き方

現在、世田谷区で実施中!「シニアの働く」と「地域の事業者」をつなぐ情報プラットホームを作るモデル事業「R60-SETAGAYA-」。
やりたい仕事と、依頼したい仕事のマッチングを目指すこの事業では、シニアの利用者も、地域の事業者も、双方がどのような思いをもってこの事業に参加しているのか、を知ることがとても大切だと考えています。

システム上では語りつくせない思いを直接対話することで、このモデル事業の”実際の仕事”へのより深い理解につながるのでは! そこで今回、この事業に登録している利用者と事業者が一堂に会してざっくばらんに話し合う【利用者と事業者で一緒に考えよう! 〜具体的な仕事を知るワークショップ〜】をオンラインで開催しました。

参加してくれた事業者は3社。それぞれ、各会社の事業内容や、R60-SETAGAYA-で募集中もしくは募集予定の案件の紹介をしつつ、この事業に期待することなどを発表。シニア世代の参加者からも、会社の様子について聞いてみたいことや、どのような形で募集をすると、より興味がわくかなど、利用者ならではの視点で問題提起や意見交換を行いました。

セントケア東京 
―近い世代だからこそできることが社会貢献につながるー

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トータルな介護サービスを提供するセントケアグループのセントケア東京。東京都内に幅広く展開し、世⽥⾕区では⼆⼦⽟川、三軒茶屋、経堂、等々⼒で事業所を構え、デイサービスや訪問介護・⼊浴、福祉⽤品レンタルなど、介護に関する様々なサービスを提供しています。

「介護」という仕事を通して、その人だけでなく、家族や街をケアすることで街全体をケアしたいと考え、地域連携にも⼒を⼊れているとのこと。「R60-SETAGAYA-で、元気なシニアとお仕事をする仲間として出会えるならば素敵だと思いました」と担当の高際和子さん。

現在募集している案件
・「汚れてきたな、そろそろ出番だ。」仕事で社会貢献!地域介護を担う事業所で洗車スタッフ募集/単発OK!月1回~長期継続OK!
・地域介護を支える企業をバックアップ!~福祉用具洗浄のお仕事~単発OK♪週1回~継続OK
・本当はもっと手間をかけたい!お客様がより過ごしやすい環境を整え、活き活きと暮らしていけるように、あなたの力を貸してください。~デイサービスセンターの施設管理サポートスタッフ~
・施設のお客様が楽しみにしていることに関わる! 入居している高齢者のお客様が毎日一番楽しみにしている「食事」を提供するお仕事を一緒にしませんか?有料老人ホームのキッチン補助スタッフ募集!

これからも新たに他の仕事も広げられると良いと思っている、とのこと。

【利用者からの意見】
・R60-SETAGAYA-に登録する人たちに、どのようなことを期待しているのか知りたい
・シニア世代は、報酬よりも仕事の達成感や充実感を求めて働く人が多いと思う
・「高齢者施設で働く」だけでなく、「それが社会貢献につながる」ということをアピールするとよいのでは
・業務内容について、気軽に質問を受け付けてくれると助かる
・待遇や短期長期、継続なのか単発なのかがわかるといい

利用者視点からの意見に、高際さんからは
「介護職は資格がないとできないと思われていますが、仕事内容を棲み分けるとそうでもないのです。コロナで増えた仕事、例えば今は訪問入浴のスタッフが、車内の消毒も実施することで残業になってしまいます。その部分を専門職でない方に関わってもらうことで、専門職の仕事が効率化できると思っています。また、シニアに向けて期待することは、お客様に年齢が近い、ということ。20代が考えることと、60代の気づきや考えは異なると思うので、世代間で様々な意見が出ることは貴重な機会だと思っています。そのような可能性を感じられて良かったです」
とのコメントがありました。


小熊建設 ―新しい学びで社会の安心にー

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地元で50年以上の仕事をしている小熊建設からは、小熊大作さんが参加してくださいました。個⼈宅のリフォームやバリアフリー化はもちろん、⾼齢者福祉施設、⼩学校や、児童館の改修・耐震⼯事など、地域経済が活性化するように地元に根ざした仕事を大切にしてきた小熊建設。

高齢の職人が増えたり、2次産業から3次産業に近い形になる中、建設業もSDGsや新たなステージに引き上げたいと考えているとのこと。平常時だけでなく災害時にもお客さまから必要とされる建設会社を⽬指し、地域に開かれた運営を⼼がけています。

これから募集を予定している案件
・【建築現場から生中継】 現場を巡回し、オンラインで会社に状況を報告してくださるレポーターを募集します!
・【夜間の電話見守り隊募集!】 昼間建築現場で安全に作業ができるよう、夜間の電話一次対応をお任せしたい。そんな職人さんの願いから現場をバックアップしてくださる仲間を募集します。
その他にも、ドローンを使った屋根の空撮などを検討しています。

「ちょっと変わった建設会社、ちょっと変わった業界にしたい」という小熊さん。訪問による悪質業者との差別化を図るため、ドローンを使った屋根の診断サービスを行っています。

軽量のドローンには免許がいらないため、このサービスのドローン撮影の委託を考えているとのこと。事前に訓練を行うため未経験でも可、ドローンを操作してみたい方や悪質業者の対策に関心があるという方は、ぜひ検討して欲しい、といいます。
そのほか、現場のスムーズな運営や、働き方改革の一環になるような案件を掲載しています。

【利用者からの意見】
・現場の巡回は「週に何回か、健康のために出かけましょう」と健康づくりを意識した声かけをしても良さそう
・「働きながらスマホの使い方も学べます」というように、新しい学びが得られる、と付加価値を付ける方法もある
・「できるかわからないけれどチャレンジしたい」人が、「自分には難しい」と思ったときに引き返せる仕組みにしてもらえると、応募しやすくなる
・これからは地域住民に、外国の方も増えていくと思う。語学に長けたメンバーを集めると、いろいろな場で活躍できそう

案件そのものとは別の角度からのアイデアを受け、小熊さんからは
「今までお客さんが外国語を話す例はありませんでしたが、外国人労働者が働かないと立ちゆかない現状も確かにあります。標識に、4カ国語の表記が必要になったことも。これまでは、実際にそのような場面に行き当たれば、都度考えれば良いと思っていましたが、今後間違いなく顕在化していく課題だと感じました。お客様とのコミュニケーションも大切ですが、労働者についても考えていきたい。その部分はみなさんのお知恵を拝借したいと思っています」
とのコメントがありました。

杉の子保育会 
―社会の中でともに子どもを育てる仲間としてー

園児

世⽥⾕区内で、11園を運営している社会福祉法⼈「杉の子保育会」。「共に育て共に育つ」を目標に、⼦ども達の<遊びの⾃⽴>を大切に考え、地域や家族とも⼦どもを真ん中にして⼦育てのパートナーとして繋がるように、互いに語り合い・育ち合い・成⻑していける関係づくりを大切にしています。

「これまでは、自分たちが知らないことをシニア世代に教えてもらう機会がありましたが、最近は減っています。園には子どもと若い職員ばかりなので、地域のシニアのみなさんに、ぜひそれぞれのペースで関わっていただきたいです」と話すのは、星野尚子さん。

これから募集を予定している案件
・ 園児がいつも来たくなるー季節ごとの花が咲き、笑顔の人形たちが毎朝子どもたちを出迎えるエントランス。2,3畳ほどのガーデニングスペースを楽しくコーディネートしてくださる方を募集!

その他にも、園庭にあるビオトープ池の管理や、多く木を植えて探検できるようにしている園庭の庭木の配置や管理、昔遊びの講師なども検討しています。

現在は感染症対策により、園に訪問しての指導が難しいため、昔遊びの講師については、まずはオンラインからはじめたい、とのこと。そのほか、外国籍の子どももいるので、外国語が話せる方への協力依頼も考えているそうです。

【利用者からの意見】
・歌遊びや子どもの合唱団を指導していた経験があるので、このような場で活かせたらいいなと思った。わらべうたも教育としてどうだろうか
・自分の行う仕事と子どもの将来とが、どうつながっているかを紹介すると、働く意欲が喚起されるのではないか
・子ども好きな人や、孫が遠くにいてなかなか会えない人もいる。子どもと接することをキャッチフレーズにすると人を集めやすいのでは
・単発や、短時間でかかわれる業務が多い印象を受けた。個々の都合に合わせやすくていいと思う
・専門技能は子どもたちの興味をひき、ヒーローになれる。募集の際に「人気者になれる」という言葉も使うのもいいかもしれない

星野さんからは、
「今は核家族化が進んでいて、子どもたちも親以外の人と接する機会が減っています。ワークショップの中で、ビオトープに世田谷の花『サギソウ』を加えてはどうか、というアドバイスをいただきましたが、そのような知識を豊富に持つシニアの方にぜひ関わっていただければ嬉しいです」
とのお話がありました。

利用者と事業者で育てていく「R60-SETAGAYA-」

仕事を考えるひとつのヒントに、と開催した今回のワークショップ。事業者の想いを直接聞くことで、「自分には縁のない仕事かなと思っていたけれど、やってみたいかも!」と、一歩踏み出すきっかけになった利用者もいたようです。
ワークショップ最後の感想では、「みなで知恵を出し合ういい時間が持てた」「お互いの想いを持ち寄れたことでいい刺激がもらえた」など、利用者、事業者ともに肯定的な意見が多く聞かれました。

「地域の事業者を支えることが地域を支えることにつながる」という視点から仕事ができる「R60-SETAGAYA-」。事業者が今ある仕事を提供するだけでなく、利用者とのコミュニケーションを通して新しい仕事を創り出していくことができる可能性も秘めているのかもしれません。
これからもこのような機会を設けながら、みなさんと一緒に「R60-SETAGAYA-」を育てていきたいと思います。

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R60-SETAGAYA-
世田谷版GBER運営オフィス(運営:非営利型株式会社Polaris)

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