第一回 ディカプリオ版『華麗なるギャツビー』
「ギャッビーが、図らずも手にしたもの」
不定期でお送りする「この映画、まずここ見て」(こちらのpageは本来創作絵本pageです。念のため)。第一回は、2013年公開、映画『華麗なるギャッビー』です。
それは上映開始48分後、に訪れます。
夜帰宅する、本編の語り部でもある若きお登り証券マン、ニック。そこへ現れるニックん家のお隣さん、謎の大富豪ジェイ・ギャツビー。彼は偶然を装いながらも、どうやらニックのご帰宅を待っていたみたいです。
それはニックの返答がYESかNOか? …早く知りたいから。
どういうことというと、その直前彼らの共通の知人を返しての、ギャツビーからニックへの懇願に対してでした。
ギャツビーは、ニックの従兄弟デイジーにただならぬ思いを抱いてる。ついてはニックに間に入ってもらい、ギャツビーとデイジーの出会いの場をセッテイングしてもらえないかと…。その返答を聞きたくて、ギャツビーはソワソワドキドキ、ニックのご帰宅を待っていたわけです。
そしてその答えは⁉︎
「いいっすよ」
あっさりYESのニック!
ギャツビーは胸の高鳴りを必死で抑え、あくまで冷静を装いながら「そ、そう…ありがとう」。
その後ギャツビーは、彼の商談相手との、いつものやり取り通り…
「ところでさあ、ちょっと君に良い話があるんだけど…」
ギャツビーはニックに、株の儲け話を振ってみるんです。お礼です。
するとニックは丁重にそれを断り、代わりにこう言うんです。
「ギャツビーさん水臭いなあ、“just a favor” これは好意ですよ」
「????? こ、好意?」
その予想もしなかった一言に、ギャツビーは一瞬面食らいます。
どう言うことか?
そうギャツビーは好意というもの知らずに生きてきた。彼は今までの人生、“自らの成り上がりのため”だけをひたすら歩んできました。どん底からスタートし、そこから高みを目指し努力するだけ。そのため、自分に都合の良さそうな人物にしか近付かず、利用価値のない者には目もくれませんでした。彼は目標に向かって必死だったのです。だから他人とのつながりには、ギブ・アンド・テイク(相互利益)、何か必ず代償を伴うことだったのです。
ところがニックという男は、好意とか言って見返りを要求しないという。
????
ギャツビーは生まれて初めて、人の真心に出会ったのです。
追伸:このシーンは1974年版『華麗なるギャツビー』にも、F・S・フィッツジェラルドの原作小説にもありません。この映画だけのオリジナルです。
↓良いことあるかも↓
よろしければ、サポートお願いします。励みになります。