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今週読んだ海外記事と雑感(2019.11.9)

今週もNewsPicksでピックしたニュースとコメントを転記してまとめておきます。

有料部分では、その週に読んだ記事を総合して考えたことや個人的な雑感などを書いていきます。

▼私のNewsPicksアカウント

Complexはどのように独自の体験を作ってきたのか?

カルチャーメディア「Complex」が毎年開催するヒップホップとストリートファッションのイベント「ComplexCon」の盛り上がりをみていると、今後のメディアはいかにリアルな空間の編集力を上げ、熱狂をうみ、そこでも収益化できるかが鍵になっていくと改めて感じます。ComplexConの来場者は2016年の3万人から2018年には倍の6万人へと急増。今後開催地も増やしていく予定とのこと。
チケットは1DAYで$55と決して安くはない価格であり、メガブランドのスポンサードも多数とっているようなのでこの1回のイベントだけで10億円近いお金が動いているはずだと考えると、コストを差し引いても小規模なメディアであればこれだけで1年分の活動費が賄えそうな規模感。
モノクルも昔から店舗運営をしたりしていますが、「編集力」は活字だけではなくあらゆる分野に活用すべきものであると改めて感じた記事でした。

フェラーリがオリジナルアイテムでアルマーニと協業

フェラーリがアルマーニと提携し、車以外のブランドグッズ事業を強化へ。これまでライセンスによってアパレルや雑貨グッズを販売してきたフェラーリですが、ブランドイメージを保護しつつ収益を確保するために自分たちのコントロールを強化し、高価格帯の商品だけを扱う方針に変更するもよう。
最近ラグジュアリーブランドもこぞってコスメ事業をライセンスから自前主義に切り替え始めており、ブランドイメージを切り崩さず資産として増やし続ける取り組みがトレンドになりつつあることを感じます。

インフルエンサーになりたがるアメリカの若者たち

アメリカの 13歳から38歳のうち86%が自分のインフルーエンス力をもとうと試行錯誤しているという調査に驚き。日本でも子供の将来の夢第一位がYoutuberになったりとインフルエンサーがひとつの職業として認められはじめていますが、ひと昔前のアイドルですらここまでみんなが憧れた職業ではなかったのでは。「インフルエンサー」が単にモデルやファッショニスタだけではなくインテリアや食など見た目に関係ない分野も発展したことも一因としてありそうですが、何よりオーディションを受けるなど何かしらの権威に認められずとも、直接市場に接続してファンがつけばそのまま仕事になっていく手軽さがインフルエンサーを「手が届きそうなもの」に見せているのかもしれません。

SMSは次のメールになりえるか?

SMSがD2Cブランドを中心に新たなマーケティングチャネルになりつつあるという話。テキストコマースといえばDirty Lemonがいち早く着手してきましたが、同じようにSMSを通じて顧客とコミュニケーションをとり購入につなげるブランドで組織化しているというのは初めて知ったので驚き。
ちなみに日本だとLINE@でやっていることにかなり近い気がしており、相変わらずガラパゴスに進化してゆくジャパン…!という感じがいたします。

急成長スタートアップの秘密兵器・レトロロゴ

ここ数年でラグジュアリーブランドがこぞってロゴをリニューアルし、そのフォントが似通っていることが話題になりましたがD2Cブランドは逆に「レトロフォント」を採用しているところが多いという話は興味深い。言われてみればGoopやthreadsなども曲線多めで昔懐かしい雰囲気があります。もちろんEVERLANEやPOPSUGARのようなブロック体のロゴも多いのですが、レトロっぽいフォントのリバイバルは90's人気との関連もあるのだろうか…などきになるところです。

Pandraが体験に特化した店舗をオープン

Pandoraが体験型店舗への取り組みとして、ブランドアイコンでもあるチャームを自由にカスタムできる「Charm bar」にフォーカスした店舗を今日オープン。今後世界主要都市の店舗も同じコンセプトでリニューアルしていく予定とのこと。パーソナライズ全盛の時代だからこそ自由に組み合わせられるチャームは売上の大きな支えになってきたようで、それぞれのチャームの意味や由来を深くまなびつつ自由に選べる空間を作るのはブランド体験としてもっともフィットしたかたちなのではないかと思います。またPandoraのチャームはひとつ5000円以上とそこそこ値段がするものだからこそ、店員さんにいちいち接客されてプレッシャーを感じるよりも、自由に組み合わせてみて予算にあわせて入れ替えができる方が、結果的に売上増にもつながりそう。東京でも同様の店舗が早くできてほしいところです。

Pelotonの成功に必要な『会員収入増への舵取り』

物販とサブスクの合わせ技で人気を博しているPelotonですが、売上の7割はバイクや装備の売上ということに驚き。単価を考えると近年で急激にユーザーが増えたのでよく考えたら当然なのですが、1人何台も買うものではないのでどこかのタイミングでガクッと売上が下がるタイミングがあるはずで、上場してしまった以上いかにその下げ幅を小さくし、どう株主に説明するのかが経営手腕として問われることになりそう。
ちなみに1年以上の継続者を94%にするという目標も掲げているようですが、現在の割合とフィットネス業界の平均値も知りたいところではあります。
彼らは厳密にはD2Cとは異なるビジネスではありますが、デジタルネイティブブランドとして初のIPOを達成した企業でもあるので、これから数字面が透明化されていくのも楽しみ。

The Real Realを脅かすブランド偽造品たち

The Real Real上で買った商品が偽造品だったという事例の報道が増え、CEO直々に取り組みに関する説明のメールを送る自体に。ブランド品と偽造品は昔からいたちごっこの関係性とはいえ、リセールサービスにとってブランドイメージの核となる問題でもあるため、株価の面からも信用回復が目下の課題になりそう。とはいえ、いまだ赤字が続くThe Real Realに、偽物発見のためのテクノロジーに投資するほどの体力があるのか…?
リセール市場が大きくなり、盛り上がれば盛り上がるほど、この問題がついてまわってくるため、テクノロジーで偽造品を発見するテックカンパニーの台頭もありえそうだなと個人的には思っています。

***

今週ピックアップしたニュースの中で一番気になったのは、インフルエンサーを目指す若者の増加について解説した記事。
国を問わず『何者かになりたい』と努力する人が増えた現代ですが、そろそろ『承認欲求バブル』もはじけるんじゃないかな、と個人的には思っています。

というのも、私自身の経験からも思うのですが、

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