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今週読んだ海外記事と雑感(2020.1.18)

今週もNewsPicksでピックしたニュースとコメントを転記してまとめておきます。
文末の有料パートでは気になったトピックに関して深掘りした感想を書いています。

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TargetのPBが躍進する背景

TargetのPBが好調とのこと。1年で売上10億ドル突破という数字は、流行りのD2Cブランドよりも堅実な数字なのでは…!ちなみに2019年の第三四半期決算ではアパレル部門が前年同期比10%の成長だったとのことで、アパレル不況と言われる中でこの規模の木牛が二桁成長しているのは驚異的なことだと思います。
売り方をみているとインスタの使い方もうまいようで、新作がでるたびにストーリーズで詳細をアップし、オンラインに飛ばす仕組みはベーシックですが低価格帯の商品にはすぐに効く施策なのだろうなと思います。

NoredstromのCEOが語るお店の未来

中小型店を中心としたコミュニティ戦略を徹底しているNordstromのCEOインタビュー。個人的に一番印象的だったのは、店舗を出店するとその地域のオンライン売上が20〜25%上がることがわかった、という話。LAで得られたこのデータをもとに、今後NYを中心にまた中古型店舗を増やしていく予定とのこと。
実店舗をその店舗での売上だけではなくオンライン売上のアシストとして評価する考え方はとても参考になります。
あとはそれだけ店舗数が増え、商品の返品や交換がそれぞれの店舗で発生することをふまえて、在庫データの管理と流通の効率化が課題になってきそうだなと個人的には思っています。

ショッピングモール不況時代に成長を遂げるモールの裏側

アメリカで9番目に大きなショッピングモールであるAventura Mallが出店率100%を維持し、集客も好調である裏にはアナログなエンターテイメント性がある、という話は示唆に富んだ話。以前「小売再生」著者のダグ・スティーブンスも言っていましたが、顧客は最新のテクノロジーを体験するためにお店に行っているわけではなく「いい体験」をしに訪れているだけなので、テクノロジーにこだわるのは本末転倒だということが証明された事例だなと思います。
もちろん効率化のためにデジタルシフトするべきところは多々ありますが、それはあくまで裏側の話で、むしろ普段からデジタル機器ばかり触っている人たちをデジタルの世界から離すようなアミューズメント性が店舗に求められていくのだろうなと思います。

未来のジムのかたちはどうなる?

ウェルネスコミュニティの中心地としてのジムがこれから変化していく方向をジムのサードプレイス化やインストラクターのパフォーマー化などの観点からまとめられていますが、個人的にはここに「ブランド化」「セレクトショップ化」も入りそうだなと思っています。記事の最後に出てくる「seamless aproach」が近い気がしますが、日々顧客の健康状態をトラックし、次の提案をできるからこそ最適なアイテムを販売したり、そのデータをもとにオリジナルアイテムを開発する企業も増えるのかなと。人が集まり、過ごす場所ができれば、必然的にそこで商取引がはじまる、というのは古来から変わらない原理原則なので、今後はジムをはじめとする「能力を伸ばす場所」を中心に購買行動も展開されていくのではないかと思います。

『それは商品以上のもの、関係性をつくるための商品だ』シューズブランド・Rothyが作る世界観

商品を軸としたファンコミュニティ形成においてRothyの事例が面白いのが、すべてファンが勝手に作り上げたコミュニティでファン同士がつながったり、売買をしたりしていること。商品に関係のない日常投稿も推奨されており似た価値観やライフスタイルの人とつながる装置として靴という商品があるのだなと考えさせられます。
Rothyも最近はアンバサダープログラムをはじめるなどコミュニティに力をいれはじめていますが、こうしたファンが自発的に作るコミュニティによって成功しているのは、彼らがそうした非公式の集まりに横槍をいれず、そのままにしてきたことが大きいように思います。特に中古品の売買はセンシティブなブランドも多いと思いますが、あえてそれも容認してしまうことで結果的に新品の購入につながり、売上もアップしているという成功事例ですね。
ブランドの発信やコミュニティ育成がずっと話題になっていますが、顧客が自発的に応援したくなるモノを作り、ブランド側は顧客の動きを「邪魔しない」ことが重要なのだろうなと思います。

ASOSがARを活用したオンライン試着サービスを提供開始

ASOSがARを使ってオンライン試着を体験できる仕組みを開始。とはいえ、16パターンのモデルの着用イメージをチェックできるだけという感じでもあるので、究極的にはこうした技術は写真をアップするだけで自分の体型をAIが判断し、商品を着用した際のイメージを表示できるようになるところが一旦のゴールなのだろうなと思ったり。
昔、ZOZOスーツのサイジング問題について書いた時も同様のことを考えていました。
サイズというとSMLだったり9号、11号という考え方に凝り固まってしまいがちなのですが、本来は手足だけ長かったり、肩幅が広かったり、そうした体型ごとの違いによって似合うもの/似合わないものや着た感じの雰囲気がわかるようになることが重要なのだろうなと思います。

Rent the RunwayがNordstromと提携し、リセールサービスを展開開始

ファッションレンタルのRTRがNordstromと提携してリセールも展開開始。レンタル商品をそのまま中古品として買えるスペースをNordstrom内に作り、顧客はレンタルか中古品購入かを選べるというかたち。RTRとNordstromの契約条件が気になるところですが、毎月の出店契約にプラスして店舗で発生した中古品売上の何%かをNordstromがとるかたちなのだろうか。
他の百貨店も次々とリセールやレンタルに手を出しはじめていますが、「避けられないなら協業するしかない」と早い段階からRTRと組んできたNordstromの先見の明はさすがといったところ。すでに買収できるサイズではないので、今後一部の株を持ったりしつつ提携を強めていくかたちなのかなあと思います。

【おまけコラム】「モノを買う場所」の中心には何があるのか

今回ジムの未来についての記事を読んで思ったのは、こうした変化があらゆるサービス型の店舗(レストラン、美容室、スクールなど)に起きていくのだろうなということ。

そしてピックコメントにも書いた通り、

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