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今週読んだ海外記事と雑感(2019.11.9)

今週もNewsPicksでピックしたニュースとコメントを転記してまとめておきます。

有料部分では、その週に読んだ記事を総合して考えたことや個人的な雑感などを書いていきます。

▼私のNewsPicksアカウント

WhatsAppが「カタログ機能」をローンチ

Facebookの子会社・WhatsAppがスモールビジネスオーナー向けにチャットツール内で表示できる「カタログ機能」をローンチ。LINE@のようにチャット上のボタンから商品リストを選ぶと商品の写真や概要、値段などが表示される機能です。
記事内の動画を見るとわかりやすいのですが、想定される使い方としては顧客がチャット内で商品カタログを閲覧するのはもちろん、顧客とのチャットの中で商品提案する際にも情報をスムーズに表示できるようになるもよう。
またこの機能を使うにはビジネスアカウントに変更する必要があり、WhatsAppもとうとうマネタイズに本腰をいれはじめてきたことを感じます。

いいね数の非表示がインフルエンサーエコノミーに与える影響とは?

日本でも段階的に実装された「いいね数の非表示」が全世界で実装され、その影響がいたるところで議論されています。一番大きな影響を受けるとされているのがインフルエンサー市場ですが、インフルエンサー本人も事務所も総じていいね数の非表示には好意的な様子。
外向きにいいね数が表示されなくなったことで代理店やメーカーから過度に数字を求められることが減り、より本質的な投稿の質について議論できるようになった点がその理由のようです。
とはいえ、お金が動く以上は定量的な数字や何かしらのKPIを求められるものではあるので、今後インフルエンサーマーケティングにおいて定量的な数字としてむしろ公に表示される「フォロワー数」が大きな意味を持つようになっていくのだろうか・・・と個人的には考えたりしています。

なぜSoulCycleがラグジュアリー旅行で使われるのか

「ラグジュアリートラベル」を提供するBlack TomatoのプランにSoulCycleのリトリートプログラムが追加に。旅行中のリフレッシュや朝の習慣としてSoulCycleを取り入れることで顧客体験を向上させることが狙いのもよう。
SoulCycleとしても、インターネットサビーな若者の間だけではなく年齢層高めの富裕層にアプローチするチャネルとして、その場で体験もしてもらえるBlack Tomatoのプランは効果が大きそう。
今後デジタルネイティブブランドが若者からジェネレーションX以上へとターゲットを広げていく中で、こうした協業はますます増えていきそうです。

『VSCO Girls』がコスメ業界を揺るがす

よりナチュラルでシンプルなライフスタイルを好む「VSCO girl」たちがコスメ業界に与える影響として、
①メイクアップよりもスキンケア商品を好む
②オーガニックな成分やエコなプロダクトを好む
③必要以上に購買せず、全体の売上を下降させている
といった特徴が挙げられています。
ミニマリストを含め「持たない暮らし」が憧れのライフスタイルのひとつとなりつつある今、ブランドも「作って売る」以外のアプローチが求められているような気がしてなりません。

Mizzen +Mainの新たな会員プログラム

会員プログラムを「顧客情報の取得」のために活用し、年間$2,500以上買い物をしている顧客にはパーソナルスタイリングサービスを提供するなど外商に近いサービスを展開するMizzen +Main。顧客は誕生日や体のサイズなどの基本情報、趣味や好みの色などの趣味嗜好についての質問を入力するとそのたびにポイントが付与され、その情報が商品開発やおすすめに活用されているのだそう。
「行動データだけを見ていてはいけない」という話も納得です。
この事例を見て思ったのですが、今後D2Cブランドの戦略のひとつとして「百貨店化」はありえる手なのかもしれません。ファンコミュニティに対して自社商品だけではなく世界観の近いブランドから商品をひっぱってきてパーソナルスタイリストをつける、というかたちの拡大は打ち手としてありそうだなと。
M.M.Laflurもそれに近いかたちを目指しているように思います。
そのベースとしての会員プログラムの試行錯誤は、今後も各社頭をひねっていくことになりそう。

『キャッシュレスストア戦国時代』へ

中国企業の失速もあってやや下火になっていた無人店舗ですが、コアの考え方である「キャッシュレス」を中心においたはむしろ盛り上がりを見せておりAmazon Go以外にも次々とスタートアップが立ち上がり、Walmartも自前でテスト店舗を作るなどしています。
特にキャッシュレス店舗の核であるカメラ技術を持つAiFiはコンビニ型店舗に注力していくとのことで、日本のコンビニとも相性がよさそうな気が。
特に朝のラッシュやランチタイムは長蛇の列なので、レジを通さずに商品を持って帰れるようになったらかなりの混雑緩和になりそうです。
また小型店舗なら移動もしやすいので、フェスやカンファレンスにあわせて移動型店舗で試してもらうのもよいのでは、と思ったり。
品出しや細々した対応のためにまだまだ人が必要なので「無人店舗」は難しいとしても、キャッシュレスを通り越した「ウォークスルー店舗」は駅の構内や都心のコンビニあたりから増えそうだなと思ったりします。

スモールブランドがバーニーズの破産から学ぶべきこと

バーニーズの破産に際して「閉店セール」が行われているものの、ブランドにとってはその大半が他店でまだプロパーで販売しているものなので、ブランド毀損につながっているのでは?という話。LVMHのような巨大企業は早くから破産の相談を受けておりすでに在庫は引き上げ済みだったものの、スモールブランドは対応できず商品を投げ売りされている状態。特にアメリカの百貨店は日本と異なりほとんどが買取方式なので、一度卸した商品の価格についてブランドがとやかくいう権利がない、という点が根深い問題になっているように思います。
D2CブランドのSCや百貨店への出店攻勢が続いていますが、近いうちにバブル崩壊がくると言われている中でこうした破産によるアンコントローラブルな事象も増えることを考えると、契約方式や出店場所に対してブランドもよりナーバスになっていきそうだなという気がします。

Gucciが見据える「攻め」のブランド戦略

見出しの「Gucciがラグジュアリーなコールセンターを作る」に惹かれて読んだのですが、たった3年で売上を倍以上に伸ばした新CEOの戦略と哲学が余すことなく語られていてとても学びの多かった記事。
特に冒頭の「これまでラグジュアリーブランドは人々を笑顔にするものではなかった。だからこそGucciというブランドを通して幸福の瞬間を作りたい」(意訳)という話が、Gucciの積極的な体験への投資の根幹にあるのだろうなと思います。
また少し前にブラックフェイス騒動で大炎上したGucciですが、「新しいことをやるかぎり、ミスが起きることはある」ときっぱり。その過ちから何を学ぶかこそが重要である、という肚の座ったコメントはさすが天下のケリング様、といったところでしょうか。
実際、グローバルブランドであるかぎりある国でよしとされたものが別の文化圏にいくと侮辱的にとられてしまうといったことはどうしても発生してしまうもので、それを必要以上に怖がってしまうと平均的な面白みのないものになってしまうのも事実。
攻める姿勢と人を不快にさせないことのバランスについて考えさせられたインタビューでした。

ZARAとJo Maloneが新フレグランスラインで提携

ZARAとJo Maloneが提携して新たなフレグランスラインを販売開始。ただこちらはエスティーローダー所有のJo Maloneではなく、創設者が新たに立ち上げた「Jo Loves」というブランドのもよう。とはいえ香りを作っているのはJo Malone自身なので、そのブランド力とZARAの生産能力&流通力でお互いにWin-Winな取り組みになりそうです。
ユニクロとデザイナーブランドのコラボもしかりですが、今後小さなブランドはグローバルSPAをひとつのプラットフォームとして活用していく時代なのかもしれません。

縫い針からレーザーカッターまで。ファッションとテクノロジーの関係性とは?

早くから3Dプリンタやレーザーカッターなどの技術をデザインに取り入れてきたIris van Herpenの「手仕事がパワフルな手段であるように、テクノロジーも同じようにファッションにとってパワフルな手段である」というデザイン哲学が素敵。手仕事のよさを否定するのではなく、むしろ手仕事にしかできない部分は尊重しながら、同時にテクノロジーによってしか表現し得ないものも尊重し、そのふたつと高次元で融合させる、という考え方はファッションに限らずすべての産業で言えることなのではないかと思います。
また以前から未来予測としては言われていることですが、一家に一台3Dプリンタがある世の中になり、ブランドから設計図と素材を変えば自宅で洋服が出来上がる時代になればファッションの廃棄物も大幅に減らせるはず。
テクノロジー先行になりすぎず、さりとて過去の慣習に縛られすぎず、Irisのようなバランス感覚がこれからのものづくりに必要とされていくのだろうなと思います。

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この1年くらいずっと考えているのが『ブランド』の概念をアップデートする単語がそろそろ必要なんじゃないか、ということ。

例えば今週取り上げたニュースでいうと、

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