先回りした心配は優しさではない
ここ数年ずっと語られている『女性活躍』という言葉。
どうすれば女性がもっと働きやすく、仕事と家庭の二項対立にならず納得いくキャリアを形成していけるのかという問題は、当事者としても関心の強いテーマでもあります。
そんな中、今週からNewsPicksで『クリエイティブ・ウーマン』という新特集が始まりました。
中でも昨日公開されたユナイテッドアローズの執行役員である山崎さんの言葉には、まさに!と膝をうつ思いでした。
女性が管理職をやりたくないと思っているなんて、都市伝説です。
(中略)
「あなたは有能だからできます。だからやってください。何かあったら私が助けますから、よろしくお願いしますね」と言えば、必ずリーダー役を引き受けてくれます。
実は女性の昇進やキャリアアップを阻んでいるのは、働き方や個人の意思だけではなく『女性だから』と先回りして心配してあげてしまう優しさにあるのではないかというのが、ちょうど最近考えていたことだったからです。
というのも、6/6(水)に放送されたWEEKLY OCHIAIを現地で観覧していたら、急に箕輪さんから指名を受けて『女性がおじさん社会を生き抜くには?』という質問へのコメントを求められました。
▼40分くらいから突然指名を受けてあたふたする私がでてきます(ちなみに仕事終わりで眉毛がなくなっている)
あまりに突然すぎて何も考えていなかったのですが、このときパッと出てきたのが『自分の力ではなく環境のおかげだよな』ということ。
放送の中では、『佐々木さんのフラットさがいかにありがたいか』という話をしました。(決して上司を持ち上げているわけではありませんw)
女性というのは、ただでさえ自分の中で勝手にキャップをつくってしまう人が多いものです。
それは一歩下がる謙遜が女性らしいという日本的な教育もありますし、いつか結婚して子供を産むことを考えたら今のうちからある程度仕事をセーブしなきゃとか、完璧主義ゆえに自己評価が低くなりがちとか、いろんな要因が絡んでいます。
ただでさえ男性よりも『チャレンジしたい』と表明することにパワーが必要なのに、まわりから『女性だから無理しないで』『本当にできる?』と言われたら、出世することを望まれていないのだと思い込んでしまうし、たしかに今の環境でも十分だと自分を納得させてしまいます。
もちろん男性と女性では体の作りも体力も違いますし、例えば重いものを持つとか、夜道の危険性を考えたら夜遅くまでかかる仕事には極力アサインしない配慮は必要なときもあります。
でもそれは本人が判断すればいいことであって、はじめから『女性だから』という理由で先回りしてバリアを張ってあげる必要はありません。
よかれと思ってかけた優しさが、結果的に本人の成長を阻むのは子育てとまったく同じことだと思います。
私たちは子供ではないし、自分にとってどこが無理なラインで、何ならできるかは自分の頭で判断できます。
性別だけではなく、年齢や国籍を含め、勝手に忖度して配慮するのではなく、提案は平等に行われることが本当のダイバーシティだと思うのです。
そしてフラットに提案しあえる環境を作るためには、私たちひとりひとりが無理なことははっきり無理ということで『とりあえず提案してみればいい』という環境を作っていことも大切なこと。
言葉にせずとも伝わる気遣いは日本らしい美徳ではありますが、疲弊せず自分らしい働き方を実現するには、全員が勝手な忖度をせず言葉にして伝え合うことが第一歩なのではないでしょうか。
そしてこれは性別だけではなく、年齢でも同じこと。
前に「『かわいがる』よりも尊敬を。」という記事を書いた通り、年下だから、若者だからという理由で悪意なく相手の挑戦する心を挫いてしまわないようにすることは、私自身気をつけていることのひとつでもあります。
なぜなら、私もずっと『女の子だから』『まだ若いから』と優しいバリアをたくさん経験してきたから。
かわいがることで自分の下に従えるよりも、尊敬を込めた期待と応援によってたくさんの才能が花開いていく方を私は目指したいと思っています。
先回りした優しさで人の挑戦の芽を奪ってしまわないように、改めて自分も言動に気をつけなればと感じたクリエイティブ・ウーマン特集でした。
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