見出し画像

それでも、ファッションの楽しみを絶やさないために

昨日のnoteでファッション誌に求められる今後のコンテンツとして、おうち時間の楽しみ方がキーになるのではないか、という話を書いた。

3年以上前から書いている通り、私はファッションと外出には深い結びつきがあると考えている。
逆に言えば、出かけることが禁止されれば洋服が売れなくなるのは当然のこと。
すでに海外の小売系メディアはこうしたアパレル需要のダウントレンドにまつわる記事ばかりが並んでいるけれど、日本もしばらくは同じ傾向が続くはずだ。

洋服は決して無駄なものではない。
人に装う楽しみや元気を与え、ときに勇気を与えることもある。

これからしばらくは世界的に暗いニュースが増えるであろう状況だからこそ、ファッションの力も必要とされるのではないか、と思うのだ。

とはいえ、前述の通り人がでかけられない状況では、人は装うことへの興味を失ってしまいがちだ。

では、洋服を楽しんでもらうために今どんなことができるのか。

もし私がやるとしたら、おうちファッションショーを楽しむ企画を考えたい。

ファッション好きにとって、新しい服を着て自分に似合うかどうかをチェックし、どこに着て行こうかと考えるのは胸躍る時間だ。

だからこそ、家の中で写真が撮れる人にはぜひ写真を撮ってアップしてもらい、そのコーディネートを公式のInstagramで紹介したり、ゆくゆくは冊子としてリアルにプリントしたりしてみたい。

環境的に自撮りが難しくても、置き画で「自分ならこんな風に組み合わせる」という提案ならできる人も多いはずだ。

この時期ECで購入してくれた人には、置き画を撮るときに下に敷く用のオリジナルペーパーを作って同封するのもいいかもしれない。
光の入れ方や配置の仕方などの置き画を撮るコツや、自撮りする際のポージングアイデアについて書いたリーフレットを導入するのも面白いと思う。

自宅にいるとついつい雑な格好で過ごしてしまうからこそ、「人に見られる」機会を作ることで少しだけ顧客の心の温度を上げる。

洋服は食料品や衛生用品に比べたら緊急度は低いかもしれないけれど、人の心の健康を保つためにできることはたくさんあるはずだ。

また、時間を決めてインスタライブを使った「ファンお茶会」を開催するのもひとつのアイデアだ。

インスタライブは1人なら招待できるので、たとえばブランドのアイテムを1つ以上身につけて出演してくれる人を募り、当日その着こなしやこんな商品を作って欲しいというリクエストに応えるライブ配信ができたら、参加したいファンは一定数いるはずだ。

デザイナーや経営者、ブランドプロデューサーといった肩書きの人と直接話せる機会はそうそうないので、ファンにとっても特別な体験になるのではないかと思う。

他にも、TikTokで「一緒にやってみた」系の動画が定期的にバズっているように、Instagramでも「◯◯とリンクコーデ」をテーマにした素材を配布するのもよいかもしれない。

インフルエンサーに依頼してブランドのアイテムを身につけてもらい、右側に空白をあけて写真を撮ってもらう。
それを素材として配布し、「◯◯ちゃんとリンクコーデに使っていいよ」のハッシュタグで活用を促したら、自撮りして写真を組み合わせ、リンクコーデを楽しむ人も増えるかもしれない。

人がでかけられなくなった今、ファッション業界が大きな打撃を受けることは免れない。

しかし家の中でも装う楽しみを支援することを軸に考えれば、オンラインでもできることはまだまだあるはずだ。

そして今のところ、まだ日本の物流はいつも通りに動き続けていて、商品の供給が続く限りは家の中でファッションを楽しんでもらうことはできる。

ファッションは、季節を纏うアイテムでもあり、人に自信を授けるものでもある。

その力を絶やさないために、まずは「楽しむための場」を提供するところからはじめていきたい。

この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

サポートからコメントをいただくのがいちばんの励みです。いつもありがとうございます!