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#読書感想文
涙の数だけ、幸せな記憶は蘇って
久しぶりに、小説を読んで泣いた。そういえば、前回泣いたのも同じ書き手の物語だった。
凪良ゆうさんの作品は、なぜかいつも私の心の一番柔らかい部分に届く。
「わたしの美しい庭」は、そのあらすじから穏やかな読みやすい話だろうと想像して手に取った。実際に、途中まではほのぼのとした物語が続いていった。血は繋がっていなくても、家族のように毎朝一緒にごはんを食べる三人の日常。その背景にあるそれぞれの事情が暗
応援は、「ヒーローであること」を背負わせることでもあって。
子供の頃、誰の心の中にも「無敵のヒーロー」がいたはずだ。
アニメの主人公はもちろん、両親や兄弟、友人が無敵に見えていた時期もあるだろう。
自分に何かあったとしても必ず守ってくれて、絶対に負けない最強の存在。
そんな特別なヒーローに守られている自分もまた、特別なのだと信じて。
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しかしやがて、その全能感とも呼ぶべき憧れには限界があることに気づく。
アニメはあくまでフィクションだし、生
それは、ファンタジーなのかもしれないけれど。
花より男子、ミントな僕ら、グッドモーニングコール、イタズラなKiss。
中高生の頃、友達と貸し借りしあったり、少ないお小遣いをやりくりしながらたくさんの少女漫画を読んできた。
そして読みながら『自分にもいつかこんな物語が訪れるだろうか』と胸躍らせる光景はきっと、菅原孝標女が源氏物語を愛読していた時代からなんら変わっていないのだろうと思う。
きっと未来には素敵なことが起こるはず。少女漫画はいつ