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元気に育ってくれるだけでいいって言ってよ

私のたった1人の従姉妹は、片耳がほぼ聞こえない。
最近、母とその従姉妹の話になった。

あれこれ話しているうちに、進路の話になり、
母は、
「叔父さん達は元気に育ってくれるだけでいいって考えているんじゃないかな」
と言った。

私は思わず言った。
「じゃあ、健康だったら、元気に育つだけじゃ足りないってこと?
と。

母は、「いや、そんなことないよ。でも、ほら、就職とか、普通に健康な人と同じにはいかないでしょう。」
と的外れなことを言った。

私には学歴、良い就職先、良い結婚相手を求めてくるくせに。
どこが「そんなことない」なのだろうか。

小学生の頃、90点台にいかなかったテストを勉強机の裏に葬っていたことがある。
別に、そのテストを見せたからといって大して怒られる訳ではなかったと思うけれど、何か恐怖心に駆られていた。

中学生になってから、定期テストでいきなり学年2位になった。
「学年の3分の1くらいにはいれたらいいね」というつもりだったから、親子でびっくりした。
しかし、一度良い順位を取ってしまうと、それが普通とみなされるようになった。
同級生からも、母からも。

気付いたら、私は心を狂わせて進学校に合格していた。
中学校最後の思い出で強く残っているのは、理科の資料集。
小中学校の同級生には嫌がらせとか無視とかされたけど、私の方こそ迷惑をかけたなと最近思う。
ああ、話が長くなりそうだから一旦やめておく。

まあ、とにかく私には「元気に育ってくれればいい」だなんて言われた記憶が無い。
私が産まれた瞬間くらいはそんな風に思っていただろうけど。
私は産まれたとき、へその緒が首に絡まっていて、窒息死していたかもしれないらしい。
それが16年半も経つとあらまあ…。

むしろ、母は出産後に発症した割と難病な炎症に関して被害者ヅラというか、「私は大病を乗り越えて悟りを開いた」ヅラをする。
「出産後」なので、この炎症によって私もおそらく乳児期にけっこう精神的にダメージを負った。この話はまた別で書くつもり。

世の中の毒親さんと比べたら大したことないと思うが、異常ではある気がする。
この程度で弱音を吐くのは贅沢者だろうか。

私だって、元気に育ってくれればいいって言って欲しい。

健康だからといって、何もかも背負うことができるほどタフなわけじゃない。


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