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現代版SATC”THE BOLD TYPE”の面白さ

Amazon Primeで一気見したドラマ”THE BOLD TYPE”(邦題:NYガールズダイアリー)について書こうと思います。

一言で現すとSATC(sex and the city)を今の時代にアップデートしたドラマ。設定はファッション雑誌の編集部なので見た目の派手さはプラダを着た悪魔に近いです。

見終わった後、雑誌コスモポリタン編集部の実話がベースになっていると知って、より親近感が湧きました。このドラマひとつひとつのエピソードの裏に同世代のひとたちのリアルな経験や感情があるのか、と考えると、おんなじ悩みや問題を抱えてる人はたくさんいるねと励まされます。

仕事と恋愛の壁にぶつかりにながらも乗り越えていくところに勇気をもらえるのですが個人的な感想をもとに見どころをいくつか挙げてみます。

①キャラクターの設定が新鮮
②編集長ジャクリーンの強さと弱さ
③ 現代の社会問題を織り込むところも特徴
④エンパワーメント感


▶︎①キャラクターの設定が新鮮
キャラクター設定がSATCと比べて革新的でした。メインキャラクターは雑誌編集部で働く3人。左の黒人キャッツ(正確には黒人と白人のハーフの設定)はリッチな家庭で育てられて自己肯定感が高い。ただキャッツ自身はハーフということもあってか、黒人という自覚はなく黒人初のディレクターという肩書きに違和感を感じるエピソードがありそれも秀逸でした。右の白人のサットンはアル中の片親の家庭で育って、今でも経済的に余裕はない。サットンは会社の役員と恋愛関係になるけれど、自分のキャリアのことを考えて、周りには内緒にしている。誰と付き合おうと自立したいという思いには心を打たれるし勇気をもらえる。真ん中のジェーンは田舎育ちで都会の仕事に憧れていた典型的な女の子。ライターとして自分に向き合いながら記事にしていくところはとても繊細で素敵でした。
ちなみにアメリカでは白人の貧困が問題になりつつあるみたいで割と現実的な設定なんだと思います。新鮮だと思ってしまう私こそがアメリカ人に対してステレオタイプな価値観を持っているんだなと気づかせてくれる訳です....


▶︎②編集長のジャクリーンの強さと弱さ
プラダきた悪魔でいうとミランダの立ち位置だけれども強さだけではなく弱さも見せてくれるのがこのドラマの良さ。特に考えさせられたのはジャクリーンの結婚生活危機のエピソードの回。キャリアを優先してきたこともあり夫に浮気をされてしまう。それでも夫婦関係をやり直そうとしていくところは泣けました。。。結婚生活が当たり前になっていて、気づいたら深い溝ができてしまうことって怖いなと結婚2年目の私は感じたし、夫婦はコミュニケーション!!だと強く私の脳に刻み込まれました。夫婦って他人だけど人生を共に歩むパートナー。
パートナーとどう歩んでいきたいかを考えるきっかけになる話でした。


▶︎③現代の社会問題を織り込むところも特徴
ただの恋愛ドラマに終わるのではなく現在の社会問題に対して爽やかに一石を投じるのもこのドラマにハマる理由だと思います。性差別、移民問題、乳がん検査、乳首解放運動、パワハラ、環境破壊などなど、社会問題に対して考えさせられます。またドラマの主人公たちも考え方や意識が変わっていくところが等身大なんですよね。
ちなみに個人的には乳首解放運動なんて言葉もこのドラマを通して知った訳なんですがアメリカでは本当に起きている問題のようでした。たとえ今の時代で解決されなくとも、次の世代にいけばいくほどその声は大きくなり、課題と認識されていくのだろうと想像してしまいます。
また、イラクからの移民の女性アディーナもシーズンのほとんどにわたって登場してきます。彼女がアメリカで普通に暮らすことがどんなに大変なのか、普段のニュースでは知ることのできないリアルな一面を垣間見ることができました。先日岸田総理が出した政策の影響で移民が増えていくことが予想される日本。移民というだけで差別的な扱いを受けるリスクもある。そのリスクを背負ってまで日本で頑張ろうと思ってやってくる移民の人達が安心して暮らせますように。日本人である私だからこそできるサポートがしたいなと思う今日この頃です。

話はそれましたが、このドラマに全体を通して訴えたいテーマがあるとすれば、women empormentだと思います。昔に比べればもちろん良くなっているけれどまだまだで、しかも一筋縄ではいかない問題だよね、と改めて感じる。なぜなら、女性への偏見は女性自身さえも気付かぬうちに持っていることがある。それは今までの環境から染み付いた価値観の影響であって、それに気づくことが大きな一歩になると信じてる。誰もがアンコンシャスバイアスを持っていることを自覚していくことが今の私たちには必要なんだろうなと思います。きっとそれが男性にとっても女性にとっても誰にとっても幸せへの一歩なんですよね。

▶︎④3人の言動から感じるエンパワーメント
とにかく3人の言動がかっこよくてこんな女性になりたい〜と思わせてくれる。

それは例えば「他の女性を助けない女性にはバチがあたるみたいよ」というセリフであったり、上司や給与に対する交渉の仕方であったり。例えば、サットンが上司に対して異動要望と給与交渉をするシーンが何度かあるんだけれども学びが深い。上司との交渉って多くの日本人が苦手意識をもっているところな気がするし、上司と交渉自体がだめなことって思ってた私なので、素直に勉強になった。上司に対して自分を蔑む必要はなくて対等に話せばいいのかと。異動したい時、給料あげてほしい時など、彼女たちの立ち回り方をみていると背中を押される気持ちになりました。

以上、長くなっちゃいましたが個人的感想をもとになんとか書いてみました。理不尽なこともあるし、泣きたくなるし、でもみんなで立ち向かって少しでもより良くしていこうと思わせてくれるドラマです⛄️


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