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心のふるさとを持とう。新サービス「ふるさとオーナー」とは?【メンバー対談 / 中川×佐藤】

quod Journal

quod(クオド)では今、地方の暮らしをシェアする新たなサービス「ふるさとオーナー」のローンチに向けて準備を進めています。メインメンバーは、quod代表・中川と、食と暮らしにまつわるプロジェクト担当・佐藤の二人。サービスの概要から現状の課題、描く未来像まで、それぞれの視点で「ふるさとオーナー」の魅力を語ってもらいました。
 
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地方の“モノ”ではなく“暮らし”をシェアしたい
人とつながることで地域がより好きになる
関係性をシェアするための課題
価値観を認め合える家族のような存在
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地方の“モノ”ではなく“暮らし”をシェアしたい


 
-まず「ふるさとオーナー」とはどんなサービスですか?
 
中川:ざっくり言うと、自分の第二、第三の“ふるさと”を持つためのサービスです。内容は今詰めているところなんですけど、ベースになるものを二つ考えていて、一つは地域の生産者たちが毎月旬の食材をお裾分けしてくれるというもの。もう一つは“オーナーガチャ”です(笑)。例えば1本のみかんの木や、蜂蜜の養蜂箱、ある日の漁で獲れる魚の権利など、地域にいくつかのオーナー権を持って、収穫物が分配されるというものです。その年の出来によって美味しいものが多く届くかもしれないし、一つも食べられないかもしれない。ある種賭けみたいなものですよね。そんな風に、毎月届く安定的なものと賭け的なものを組み合わせつつ、会員限定のイベントなども開催して、体験価値を高めようとしています。
 
佐藤:オーナー権を持つと、自分事として地方にコミットできる土台ができますよね。自分の所有感があることで生産者を応援する気持ちになるし、その地域をより身近に感じることもできるんじゃないかなと思います。
 
中川:生産者から直接食材が届いたり、オーナー権を持つようなサービスは他にもあるけど、僕たちがイメージしているのは“地方の暮らしをシェアする共同体”。これまでquodとして色んな地域に関わってきて、美味しいものを食べさせてもらったり、素敵なものづくりを見せてもらったり、すごく贅沢な体験をさせてもらったんですよ。そういう地方の暮らしであったり、関係性みたいなものをシェアできるようなサービスにしたいんですよね。
 

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糸島の新鮮な魚を味わう中川

佐藤:そうですね。だからモノの価値だけを目的としたサービスではなくて、地方に関係し続ける仕組みを作るというところが一番大事だと思っていて、その手段として最適なものを今考えているところです。ある人にとってはさっきお話ししたような毎月お裾分けが届くことなのかもしれないし、ある人にとっては権利を持つことかもしれない。もしかしたらもっといい方法があるかもしれません。“地方の暮らしをシェアする共同体”というコンセプトは変わりませんが、サービスの内容はこれからよりよいものに変わっていく可能性はあると思います。
 

人とつながることで地域がより好きになる


-この構想が生まれるまでにはどんな経緯があったんですか?
 
佐藤:私の中では「やますえ」代表の馬場さんに出会ったことが大きかったです。糸島の食バイヤーとして「ITO-Eat」や今回のサービスでも色々とお世話になっている方なんですけど、人とのつながりができることでこんなにもその地域を好きになれるんだってことに、馬場さんが気づかせてくれたんですよね。

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「やますえ」代表の馬場さん


私は埼玉出身で、大学進学で東京に出てきてそのまま就職したので、埼玉と東京以外住んだことがないんです。地方移住も特に考えていないんですけど、そんな私でも糸島には何度も通いたいと思うし、家族も連れて行きたいし、スーパーで糸島の食材を見つけたらつい買ってしまうし、それってもう“ふるさと”なんですよね。必ずしも出身地である必要はなくて。これは結構、私の中ではセンセーショナルな経験でした。こういう関係性をもっと色んな人にシェアしていけたら、quodが目指す“地方と都市をつなぐ”ことがよりリアルに見えてくるんじゃないかなと思って、そこから「ふるさとオーナー」の構想がふくらんでいきました。だから私はどちらかというと、このサービスのユーザー側の視点を持っていると思います。

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体験型農園施設「白糸の森」の前田さんと佐藤

 
中川:僕はこのサービスがあることによって、quodがその地域にマーケットを作れるということが一つ大事なポイントだと思っています。僕は福岡の久留米出身で、“地方が遅れている”みたいな風潮がすごく嫌だったから、地方が勝つ社会を作るために、まずは自分がPRで日本一になって、その上で「地方の方が面白いぜ」って言ってやりたかったんです。一方、quodを立ち上げて、実際に地方に関わっていく中でわかったのは、東京の仕事とは単価も予算の重みも違うし、工数も時間もかかる。東京と同じ感覚でやろうとすると成功しないということ。地方で結果を出すためには、本当に親身になってその地域に関わり続けないといけない。でも投資したエネルギー分のお金が生まれるかというとそうとも限らなくて、ビジネスという観点で考えると成立させるのが難しいんですよ。東京よりも全然。でも、そのままだと結果的にサスティナブルじゃない。
 
そこで、「ふるさとオーナー」という地域と連携した事業を通じて、その地域に関わる外の人を広げていく。結果、quodにしかできないPRができるようになるし、別の仕事も増えたりして、複合的にビジネスを考えられるようになる。地域の中のシェアを取り合うのではなく、外に広げる機能を持つことがquodの役目で、そこだけはよそ者の僕たちが地方に喜んでもらえる部分なんじゃないかなと思っています。
 
佐藤:あと当たり前ですけど、こちらの熱量や本気度も見透かされていますよね。どれだけ寄り添ってくれるか、本当に信頼できるのかというところを地方の人は見ていると思うので、自分たちの行動で一つ一つ積み上げていかないといけないなと思います。
 
-地域の人と関係性を築くのもそう簡単にできることではないですよね。どんなことを心がけていますか?
 
中川:まず土地と人を自分から好きになることですね。好きになりに来ました!くらいの感じで。僕は大学時代に街づくりのNPOを立ち上げて、色んな地方を回ったんですけど、若い時はやる気があれば受け入れてもらえるけど、年齢を重ねていくと、スキルを持っていて、かつ価値を発揮しないと信用してもらえない。価値っていうのはお金じゃなくて、その地域のために何ができるか。頭と体を使って必死に行動することが大事なんですよね。地域の中で自分たちの役割を持つみたいなイメージかな。
 

関係性をシェアするための課題


-サービス実施に向けてこれからどう進めていくのでしょうか?

 
中川:現状のプランで一旦年内に検証をしてみて、具体的に詰めていきながら来年4月にはローンチしたいなと思っています。まずは福岡の糸島から始める予定で、地元の生産者にもアプローチを重ねているところです。僕たちの周りの人に声を掛けたらみんなこのサービスに興味を持ってくれて、この間10人くらいを糸島に連れて行ってトライアル的にツアーをやりました。
 
佐藤:みんなで生産者のお話を聞いて、美味しいものを食べて、さっきお話しした馬場さんにも会ってもらいました。参加者に糸島の魅力を知ってもらうことだけが目的ではなくて、何も関係性がない人を連れて行ったとして、地元の人とどんなつながりが生まれるのかを、まずは実証実験してみたかったというのもあります。

(糸島でのツアーの様子を収めたコンセプトムービー)

 
中川:みんなでバーベキューもしましたね。このツアーをきっかけに、これまで糸島に関わりがなかった人でも生産者と仲良くなれることがわかったし、生産者同士の新たなつながりもできました。何より、みんなが楽しんでくれてよかった。
 
佐藤:そうですね。すごく気づきをもらえるツアーでした。課題ももちろん見えてきて。
 
中川:家族構成によって求めることが違うとかね。子どものいる家庭は子どものためになる体験とか学びも欲しいだろうし、そこらへんも考えてサービス設計しなきゃいけないですね。

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佐藤:あとツアーをやってみて感じたのは、直接会って話すと、みんなお互いを好きになってくれるんですよね。私たちも実際に糸島に行って関係性を築いてきたんですけど、それをユーザー全員に遠隔でシェアするとなると、すごく難しいなって。だからこそ類似サービスがないんだとも思うし、quodを介することでどこまでの関係性を構築できるのかというところは、逆に私たちがこのサービスに取り組む意義でもあるのかなと思います。メタバースなど新しい技術は生まれてきていますが、関係性の作り方をうまく設計しないと、実際はなかなか難しいと個人的には思っていて、オンラインが中心の中で体験価値をいかに上げていくかは大きな課題の一つですね。

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糸島でのツアー風景

  
-そこはサービスを走らせながら模索していく感じですか? 
 
中川:そうですね。最初から100点は無理だと思っているので。ただ50点から始めることになったとしても、できるだけ早く実用化しないと次の60点に進むのもどんどん遅くなっていっちゃうので、まずは最低限のラインをいち早く作ることが大事かなと思っています。



-“ふるさと”となる地域は、ゆくゆくは全国に広げていくのでしょうか?
 
中川:それはないですね。僕たちがこれまで色んな地域に関わってきて思うのは、深くコミットしないと意味がないということ。なので、広げたとしても5、6地域かな。ただサービス会員はある程度確保していかないとその地域で本当の市場を作り出すことはできないのと、その場合にお裾分けの安定供給ができるのかなども、これから検証していく必要があると思います。
 
佐藤:私がすごく重要だと思っているのは、“quodが目利きになる”ということ。quodがこれまで築いてきた地域との関係性をベースに、表面的ではないつながり方のモデルを、このサービスで作っていけたらいいなと思っています。そういった意味でも、全国どこでもということではなくて、限られた地域にはなるけど、その分狭く深く体験してもらうことが理想ですね。

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糸島でのツアー風景

価値観を認め合える家族のような存在


-このサービスを足がかりに、quodとしてこれからどう発展していきたいですか? 
 
中川:個人的には、必ずしも移住とか複数に拠点を置くっていう選択肢は持たなくてもいいと思っているんですよ。quodには2拠点居住をやっているスタッフもいますけど、それなりに大変だし、誰でもできることではない。それよりももっと、気持ち的な“ふるさと”を持つことが大事かなって。観光で行くよりも、もう一歩踏み込んだ関わり方ができる地方。例えば東京での仕事に疲れたなと思った時に行ける地方とか、自分の居場所みたいなものを2、3個持てるような社会になるといいなと思います。それが地方をよくすることにもつながると思う。
 
佐藤:私も根底の考え方は中川さんと一緒ですね。居場所が何個かあることで楽になれたり、人生がもっと豊かになると思います。ヘッジできる場所を持つという価値観を、人生の一つの選択肢として提案できたら、社会にとってもいいインパクトを与えられるんじゃないかな。仕事や人間関係で悩んで八方塞がりになったり、今いる場所から動くことが逃げになるんじゃないかという感覚を持っている人って、きっと少なからずいると思うんです。地方にはこういう暮らしがあるんだと知ることで、人生の選択肢を広げるきっかけにしてもらえたらいいなと思います。
 
-地方との関係性を築いていくためには、メンバー間の関係性も重要ですよね。お二人が思うquodの好きなところはどんなところですか?
 
佐藤:難しいですね。色々ありすぎて(笑)。それぞれの人生を肯定し合っているところかな。例えば会社として「地方を身近にします」という理念があったら、それを絶対的なものとして信じなきゃいけないみたいな空気感ってどうしてもあると思うんですけど、quodには私みたいに地方移住を考えていない人がいてもいいし、その中で共通する価値観を見つけて、自分の居場所として整えていけるところが、私にとってはすごく居心地がいいですね。
 
中川:僕はただみんなと一緒にいるのが好き。仲間っていうか、ファミリーみたいな感じ。それくらい大切。もしメンバーの誰かに嬉しいことがあったら自分も嬉しいし、悲しいことがあったら自分も悲しい。そういう人たちと仕事でワクワクできるっていうのが一番楽しいかな。見ていて楽しそうでしょ?僕。
 
佐藤:確かに(笑)。メンバーのバックグラウンドが多彩なのも楽しいところですよね。マーケター、PR、金融業界、地域おこし協力隊など、色んなことをやっているquodだからこそ、多種多様な経験とスキルを持つ人がいて、人種のるつぼみたいな面白いミックス感が成立しているんだと思います。
 
-地方の人にとっても、「この人たちと一緒に何かやりたい」と思えるようなワクワク感につながりますよね。
 
佐藤:そう思ってもらえたら嬉しいですね。あとみんな、出張によく家族も連れて行きますよね。地方での体験には、大切な人と共有したいと思わせてくれる魅力がたくさん詰まっているんです。

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中川:そうですね。それに、例えばさとまり(佐藤)の旦那さんも糸島の人に会っておくと、次にさとまりが一人で出張する時に、あの人たちに会うんだって共通言語ができる。常に仕事とプライベートを割り切るよりも、距離感は保ちながらも、それぞれが働きやすい環境と関係性を作れているところも、quodらしさなんじゃないかな。
 
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quodが培ってきた地方との関係性と、メンバーそれぞれの思いを詰め込んだ「ふるさとオーナー」。来年のローンチに向けてさらに進化しそうなこのサービスから目が離せません!興味のある方はquodまでお気軽にお問い合わせください。

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