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墨色の海の底で 1

「君は、君のこと好きでしょ?」

「いや、好きじゃないから」

「いやっそれでもさ、心の奥底では好きでしょ」

「むしろ嫌いだから」

「僕は好きだけどね、君のそういうところ」

「…気持ち悪い」

図星だったから、少し焦った。今の取り繕った私のことは嫌いだけど、本当の私のことは結構好きだったりする。本当のって、正確にいうと想像してるだけで全く現実に反映されてないんだけどね。


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