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適応、ロスダメと日本の可能性

先日COP27がエジプトで開かれて、その記事を目にした人も多くいただろう。発展途上国での開催と言うこともあり、先進国VS途上国のような構図で、特に後者の見解に焦点が当たったCOPとなった。
今回は「損失と損害」への対処をせよと言うことで、気候変動によって被害を受けた国々への補償をどう進めるかと言う議論があり、基金の創設をすると言うことで決着がついた。英語でLoss and Damageと言うのだが略してロスダメというのを多く耳にした。ロスダメ言いたくなる。
気候変動対応としていくつかの段階がある。
まず第一に「緩和」。これはCO2など温室効果ガスの削減をして、温暖化の進行をやわらげる動きになる。
次にくるのが「適応」で、緩和ではいたらず、温暖化が進んだ場合に、例えば高温化でも対応できる体制を整えたり、自然災害予防をしていくと言うものになる。
3つ目にくるのが「損失と損害」であり、起きてしまったことに対してどう補償をしたり回復策を練るかと言う話となる。
緩和はすでに工業化が進んだ先進国が主にとわれる課題であり、産業化は遅れ炭素排出は少ないにも関わらず被害が大きいとされる国々では適応や損失と損害(への補償)へ関心が集まると言う構図になっている。

心なしか、にはなるが、日本からもこのロスダメへの熱い視線があるように感じられる。今回、COPにはジャパンパビリオンが出て多くの日本の企業が出展したようで、それもあってか、どうもこの適応や損失・損害への対応と言うのは日本人のおじさんの心象には合うものがあるような気がしてならない。

すなわち、緩和という段階において、「あんたのとこCO2をもっと減らすこと、真剣に考えなさいよ」と言われると、どうもカチンときてしまうのだが、一方で適応やロスダメに話が進み、世界に困っている国があって、災害の余地や予防の対策に日本の技術が役に立つと言う話をされると、こりゃ出番だと腕まくりして張り切ってしまう姿が目に浮かぶのだ。

あくまで、感覚的な話にはなってしまうが、CO2削減を語る際の「リスクと機会」の機会はどうも役不足を感じる。一方で、この適応やロスダメというのは、日本で温暖化対策を進めるにあたり、大きな人参足りうるような気がしてならない。
<了>



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