サステナ業界インサイド

サステナビリティコンサルティング界隈で気になるお話をつづります。

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SDGsとESG

新たな専門用語や略語が飛び交うサステナ業界ではあるが、SDGsとESGの紛らわしさと言ったらない。数年前よりレインボーカラーのSDGsのバッジをつけたおじさんが急増し、うちもサステナビリティやっとるぞと、いつかの白いリストバンドのようなことになっていたが、サイトにカラフルなお題目を掲げただけで何かが変わるわけでもないし、大して褒められるわけでもない。 ESGは投資側からの成績表むしろ投資家からは環境、社会、ガバナンスの3つの頭文字をとったESGが評価の物差しとして取りいれら

    • 適応、ロスダメと日本の可能性

      先日COP27がエジプトで開かれて、その記事を目にした人も多くいただろう。発展途上国での開催と言うこともあり、先進国VS途上国のような構図で、特に後者の見解に焦点が当たったCOPとなった。 今回は「損失と損害」への対処をせよと言うことで、気候変動によって被害を受けた国々への補償をどう進めるかと言う議論があり、基金の創設をすると言うことで決着がついた。英語でLoss and Damageと言うのだが略してロスダメというのを多く耳にした。ロスダメ言いたくなる。 気候変動対応として

      • 部門で違うサステナビリティ推進の温度感

        SDGsは目指すべきゴールで、ESGはそこに至るまでの過程、のような説明を目にする事がある。なんとなく分かったような気にもなるし、一方でそうかな?言いたいなるモヤモヤがある。 ひと言でパキっと現すのは難しいが、明確に言える部分はある。それはESGに関わりあいを持つ必要がある人は会社内では少数という事だ。 資金調達に関わる人は少ないESGとは、投資家側から課せられたお題という話を書いた。なので、これに関わって来る部門は銀行からお金を借りたり、株式を発行して投資からお金を引っ張

        • 来るか、CSRの逆襲

          SDGs、ESGに押されてすっかり影の薄くなった感があるCSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)。 2000年頃に企業不祥事が頻発したのをきっかけに注目され、日本では2003年がCSR経営元年と言われ、CSR室を創設する企業が相次いだ。 CSRの看板が外される中で流れの早いサステナビリティ業界の中で、CSR室はサステナビリティやSDGs推進に名前を変え、ウェブサイトも次々と看板が挿げ替えられており、あれだけ世に沸いたCSRお

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          ESGのマテリアリティに個性はいらない

          マーケティングや人材確保、あるいは環境や人権に配慮した新たな商品など、SDGsやサステナビリティ推進においては、各企業の様々な取組みがあり、個性を活かしたもの、その会社の社会的意義をアピールする何かがあっていい。華やかであり、発信力があることが望まれる。 試験科目は決められたものところが、これがESG側となると、特段個性を問われるものではない。ESGといえば、元をたどれば投資家や金融機関が企業に対してつける成績表である。それゆえ、試験科目が何かというのはすでに大方決まってい

          ESGのマテリアリティに個性はいらない

          ESG評価を高めるための表現お作法

          SDGsバッジおじさんの三方よし論法が、ESG評価機関に対してはまったく通用しないことを前回書いた。「うちも色々やってるから」と、近所の清掃活動やエコな素材の利用、太陽光パネルを一部で導入というような情報をサステナビリティサイトとして公開しているのも多く目にするが、これもまたESG評価に対応した発信とは言いがたい。 話し方がもともと違う個別の事柄を色々積み重ねて、なんとなく、その先に環境や温暖化対策のような大きな課題へのつながりをチラつかせて「ね、わかるでしょ、いい会社でし

          ESG評価を高めるための表現お作法