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松本凜
2024年3月20日 14:52
拾った猫が腎不全で亡くなるまでのエッセイです。 平成が飛ぶように過ぎ、令和になった。猫は十二歳(人間でいうところの六十四歳くらい)になった。私は年をとり、カナヘビを捕るのが学校一上手だった息子は大学生になった。 猫は十歳を過ぎるとあまり遊ばなくなり、ひとところに寝ていることが多くなった。年とったなあと思っていた。時々吐くことがあったが、それも年のせいだと思っていた。 しかしそれにしても、よ
2024年3月20日 14:42
拾った猫が腎不全で亡くなるまでのエッセイです。 今から十五年前。 私はぴちぴちの四十八歳、息子が小学校二年生だった。私は息子とその友だちを連れて、瀬戸の海上(かいしょ)の森へ遊びに行った。その休憩所に猫がいたのだった。 息子たちは猫としばし遊んでいて、さあ、帰るよと歩き出したら猫がついてくる。 うちは犬がいるので飼えないよ、置いておいでと言って置いてくるのだが、全力で走って追いかけてくる