博士課程から就職するまで

 博士修了者が企業の研究職の内定を貰うまでを、書ける範囲で日記的にまとめました。

※当記事は、2020年12月19日のアカリクアドベントカレンダーにてご紹介頂きました。(https://adventar.org/calendars/5534)

1. 当時の状況

 博士課程を修了した後に研究室に博士研究員(ポスドク)として在籍し、学生さんのサポートや研究室の雑務をしながら自身の研究をしておりました。

2. 大学に残らず企業に進んだ理由は?

 下記の3点が大きな決め手になりました。
・大学や学術の世界に大きなこだわりが無かった。
・「専門性を活かして研究を社会実装させたい」という想いが強かった。
・充実した研究環境で、広範囲に渡るインパクトのある研究に、専門分野に則って専念できる。

 前の記事でも紹介した通り、博士課程では”自分が好きなこと””専門を活かせること””世の中に役立つ応用性があること”の3本柱を重視して研究テーマを決めました。そのために、高リスクを取って異なる分野でD進した訳です。最終的な目的が大学教員になることではなく、研究を広く役立たせるせることだったので、自身の居場所は企業の方が向いていました。特に、内定先はいわゆる大企業で研究環境もかなり充実しておりました。こういった背景から、進路に一切の迷いは有りませんでした。

3. 就活の流れ

 ネット上の研究者向けの公募情報(Jrec-In)から応募しました。自分の専門性を活かせる分野での研究員を公募しており、担当の方にメールを送るところから始めました。博士課程でやり残したことも片付き、そろそろ次の場所に行きたいなと思っていた頃に公募情報がちょうどアップされたので、凄く良いタイミングでした。こればかりは運が大きく作用すると思います。
 翌月に書類通過の連絡が届き、面談(1回)→ Webテスト → 面接(2回) を経て内定を頂きました。内容は非公開なので悪しからず…

4. 就活で評価されたこと

 1) 博士課程での分野の転向
 企業はあくまで利益を出すことが一つの目的です。斬新さと応用性を両立し、研究と縁遠い一般の方でも分かる価値を研究に見出すことが求められます。自身の修士課程で培った専門性と、博士課程での実践的な研究の経験は、企業での研究との適合性が高いと判断して貰えたと考えております。

 2) 外部との共同研究の経験
 筆者は博士課程において、企業や自治体との共同研究をやっておりました。これは指導教員から頂いたお話ではなく、自身で考え、行動し、研究の発展の為に必要性を感じて企画したものです。単に「研究がしたい!施設を寄越せ!」では企画は成り立ちませんので、関係する主体の利害が一致する企画を立案・実施してきました。企業では複数の主体と協力して技術開発を行う特性があるので、これらの経験も評価して貰えたと考えております。

 3) 海外留学
 海外への事業展開や、国毎の需要の違いに応じた技術開発に向けて、海外留学で培った語学力・知識・経験を評価して貰えたと考えております。

5. これから就活に挑む博士課程の方へのメッセージ

 博士課程に進んだのは、それなりの理由があると思います。その中でも、もう一度自分の人生で何を大切にするかを考える時間を作ってみてください。
「専門性を活かしたいか?」
「研究スキルを活かしたいか?」
「そもそも研究を続けたいか?」
 大切にすることが分かれば、あとは行動するだけです。博士課程を、ただ新しいことを見つけて実績を重ねるだけの期間として捉えてしまうと、生産的な価値を見出す企業人として評価されるのは難しいです。就活では、目的達成や信念を貫くために ①考えること ②行動すること ③結果を出すこと が求められます。真摯に行動すれば、何らかの形で結果は出ます。私はその積極的に行動したプロセスが、就活なり昇進なり、次のステップに繋がると考えます。
 博士課程は、自身の”好き”を仕事にできる、自身にしか出来ない仕事を作るチャンスを得られる唯一無二の場所だと思います。考え方に依りますが、博士課程は経済面や不安定さなどの負の側面を鑑みても、代えられない価値のある場所だと思います。この記事を読んで頂いた皆様が、自身の”好き”を活かしてご活躍されることを願っております。

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企業の研究員です。修士課程と異なる分野の博士課程に進学し、海外留学を経て博士号を取得しました。D進を検討中・博士課程在学中の方々に、自身の記事が少しでも参考になれば幸いに思います。