ケロ4

フランスやイギリスからの(欧米か!)、主に英語カトリック外電を読んで紹介しています。興…

ケロ4

フランスやイギリスからの(欧米か!)、主に英語カトリック外電を読んで紹介しています。興味があるかたは、リンク先の元サイトをたどってください。サブスクしないと読めないものもありますが、お安いものもありますので各自ご検討を。とくにバチカンの様子や背景は日本語で掴みづらいですね。

最近の記事

仏 入信者増加の流れ

カトリック教会は、他の伝統宗教同様、近代化された国々で帰依する人が毎年減少するのに加え、ここ十数年、世界中で聖職者による性虐待というスキャンダルも続出し、そこにコロナ禍による行動制限が追い討ちをかけ、まったくいいことナシな状況が続いてきました。 そうした中、久しぶりな前向きなニュースです。フランスで、大人の洗礼が増加している、ようです。(↑DennisによるPixabayからの洗礼盤の画像) 「仏 カトリック信者急増、復活祭に7,000人以上の成人洗礼の報告」ラクロワ誌、2

    • ロシア占領下の宗教者 拷問、虐殺

      以下、去る2月13日、ロシア占領下のウクライナ・ヘルソン州で働いていた、ウクライナ独立正教会のステファン・ポドルチャック司祭がロシア兵に連れ去られ、拷問ののち、殺害されたことが、15日、その妻によって確認された、というニュースです。Patrick BehnによるPixabayからの画像(↑ 占領下のマリウポリ解放を訴えるデモ・プラカード) 「占領下のウクライナで聖職者が拷問を受けたとの報告」、タブレット誌、2024年3月14日 ポドルチャック司祭が殺害された理由は、「ウク

      • 10月の2021−24シノドス(代表者会議)に向けて

        先月2月の記事ですが、バチカンで開催される、シノダリティ(≒共同責任に基づく教会像)についての2021−24シノドス(世界代表[司教・者]会議)が、秋の第2会期に向けて、そのプログラム概要を発表しました(写真↑=lappingによるPixabayからの画像)。 「バチカン シノドス次会期を設計〜すでに屋台骨は危うく」ラクロワ誌、2024年2月19日 今回は、大まかな日程が発表され、第2会期は、昨年の第1会期とだいたい同じ、10月2日から27日まで開催、その前、9月30日と

        • バチカン高官が実刑判決を受ける徹底さ

          2020年のことになりますが、聖人・福者等の承認手続きを担う列聖省長官だったアンジェロ・ベッチウ枢機卿(75)が、公金流用して、ロンドンで不当に不動産購入していた疑いで、職務を解任、枢機卿としての特権も剥奪されました。その後、本件の裁判がバチカンで続いていたようですが、昨年12月17日に結審し、「詐欺と横領の罪で5年半の禁固刑」が確定したそうです。この判決が、教皇庁にとっては驚きをもって受け止められている、というのが、以下の記事です。(Ichigo121212によるPixab

        仏 入信者増加の流れ

          「同性婚の祝福」という戦場

          年末にローマ教皇庁が「祝福」についての文書を発表したことが、教会内外に波紋をもたらしています。問題の文書は、教理省宣言『Fiducia Supplicans〜祝福の司牧的意義について』(2023年12月18日)。カトリック教会は同性婚を「秘跡」として認めないものの、同性カップルの門出に教会が「祝福」を与えることについては賛否が分かれている、という状況下で出されたものです(Christine SchmidtによるPixabayからの画像)。 「バチカン 同性婚祝福の承認理由」

          「同性婚の祝福」という戦場

          教皇 「識別」一色

          年末年始に教皇フランシスコが行ったメッセージで、あらためて「識別」が強調されました(👆congerdesignによるPixabayからの画像)。 「教皇 ローマ教皇庁に対し全能感幻想を警告」ラクロワ誌、2023年12月22日 これは、年末恒例となっている、ローマ教皇庁高官たちに対する、教皇の「きつい一撃」です。教皇となった翌2014年に出された、教皇庁の「15の病」(たとえば、自分を不老不死と思う病…)は、世界中でニュースになりましたが、ことしは、高官たちに自著をプレゼン

          教皇 「識別」一色

          「死者」は歩き続け…

          『デッドマン・ウォーキング』という映画が1995年に制作されました。死刑囚(ショーン・ペン)と、彼を支えるシスター(スーザン・サランドン)の心の交流を描いた映画で、Sr.ヘレン・プティジャンの同名著書を映画化したものです。 知らなかったのですが、やはり90年代に、ジェイク・ヘギー作曲により、同じ著作がオペラ化もされ、サンフランシスコ・オペラで初演されていました。ことし9月末に始まった、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の2023−24シーズンの幕開け(ページ下方、"Video

          「死者」は歩き続け…

          「正義の戦争」論 あらためて考えてみる…

          今年前半の記事2本、昨年のもの1本と、最後はこの11月の記事ですが、教会内の「正戦論(Just War Theory)」についての議論は続いていますので(無論、ウクライナでも、中東でも、ミャンマーでも、……戦闘自体が終わりませんので)、あらためて紹介したいと思います。 昨年のウクライナへのロシア侵略が始まって以降、カトリック教会内でも戦争という暴力行為自体に対する倫理課題が議論の俎上に挙げられ、異なる立場から論じられています(↑Annette JonesによるPixabayか

          「正義の戦争」論 あらためて考えてみる…

          小さいことはいいこと!?

          ちょっと前の話ですが、9月のはじめ、教皇フランシスコはモンゴルを訪問しました。(↑Erdenebayar BayansanによるPixabayからの画像) 教会刷新を進めるフランシスコにはさまざまな抵抗があり、教義問題や倫理基準、教会人事など、その周辺は何かとかまびすしい中、教皇が目指す、教会のあるべき姿が垣間見られる記事と思います。モンゴル教会はmargin(周縁部=フランシスコの好むことば)にある教会だから、です。 教皇フランシスコ モンゴルで理想の教会に出会う(ラクロ

          小さいことはいいこと!?

          シノドス最終版 皆さんちょっとお疲れのようで…

          10月4日にバチカンで始まった、世界のカトリック教会の代表者が集まるシノドス第16回通常総会の第1会期は、29日の閉会に向けてラストスパートを掛けていることと思います。25日には、この総会からの『神の民への書簡』が発表される運びになっています。そんな中、3週間を超えてきた会議・分かち合いに、参加者たちの疲労の色も濃いようです(Welcome to All ! ツによるPixabayからの画像)。 「シノドスと疲労のリスク」ラクロワ、2023年10月21日 シノドス的な教会

          シノドス最終版 皆さんちょっとお疲れのようで…

          バチカンのシノドス 3週目

          バチカンに世界中から代表の枢機卿、司教、司祭、シスター、信徒が400人近く集まって、現代のカトリック教会の諸課題について討議する「シノドス」は、10月4日に始まり、3週目(〜29日)を迎えています。↑ Yolanda CoerversによるPixabayからの画像。 数年に1度開かれるシノドスはこれまで、家庭、若者、などのテーマに沿って、各国からの報告を聞きながら、大筋の課題は方向性は事前の意見聴取などから決まっていて、それに沿って微調整しながら進める、といったやり方でした。

          バチカンのシノドス 3週目

          教皇の写真 破ったこともあったなぁ…

          今回は、アイルランド生まれの、ポップミュージシャンについて。 シネイド・オコナー 比類なき愛(タブレット、2023年8月3日) アイルランド・ダブリン生まれのシンガー、シネイド・オコナーが7月末に亡くなりました。56歳でした。英カトリック雑誌のタブレットが彼女の訃報を取り上げています。 ファンでない人間、また音楽シーンに詳しくない人間には分からないことも多い記事ですが、それでも有名な話は、彼女が1992年、サタデー・ナイト・ライブに出演したとき、ヨハネ・パウロ2世の写真を

          教皇の写真 破ったこともあったなぁ…

          カトリック女性の役割〜'21-24シノドス、『大陸ステージ作業文書』『討議要綱』から

          カトリック教会内で、女性の役割の再検討(とくに決定、統治に関する)について、'21−24シノドス(世界代表司教会議)の重要テーマの一つとなっています。(↑Ernesto EslavaによるPixabayからの画像) 「女性の役割、カトリック教会で緊急に取り組むべき課題に」(タブレット、2022年10月27日) 昨年秋のこととなりますが、その前に世界各地の教区(日本には16教区ある)から集めた意見聴取をもとに、バチカンのシノドス事務局がまとめた『大陸ステージのための作業文書

          カトリック女性の役割〜'21-24シノドス、『大陸ステージ作業文書』『討議要綱』から

          2023シノドス参加者発表 日本人信徒宣教者 議長団へ

          ことし10月と24年10月にローマでいよいよ総会が開かれる、シノダリティに関するシノドス(世界代表司教会議)。「世界代表司教会議」と訳されているとおり、代表の司教が世界中から150人前後集まって、特定のテーマについて討議し、結論を教皇に提言する、というのが過去15回の通常総会のやり方ですが、今回、70人の信徒代表者等も投票権をもって参加します。前回、2018年の若者についてのシノドスでは、世界中から若者たちも参加しましたが、彼らはオブザーバー。分科会には参加していたようですが

          2023シノドス参加者発表 日本人信徒宣教者 議長団へ

          ドイツ教会のシノドス的改革案

          昨年秋からの流れですが、ドイツ教会は、教皇からのシノドス提案を受け、教会刷新のための動きを加速しており、それに対し教皇庁がブレーキを掛ける、という構図が続いています(David MarkによるPixabayからの画像=ミュンヘン)。 「ライン川はテベレ川をあふれさせるのか」(ラクロワ、2022年11月26日) ドイツを流れる、ライン川は、ローマ市内を流れるテベレ川につながっていないのですが(多分)、しかし今やドイツ教会(司教団)は、ローマを洪水させるほどの勢いで、具体的な

          ドイツ教会のシノドス的改革案

          最近の教皇への批判

          ここのところ、教皇への二つの批判記事が目に止まりました。(↑ 在りし日のヨハネ・パウロ二世、joaoaugustofによるPixabayからの画像) 「カトリック教会の性虐待問題の危機の中、今度は教皇が矢面に」(ラクロワ、2023年4月20日) 一つ目は、前の前の教皇、ヨハネ・パウロ二世について。 これは40年前にバチカン職員の15歳の娘が行方不明になった事件(数ヶ月前、Netflixで『Vatican Girl』というドキュメンタリーが放送された)に関連して、この娘の兄

          最近の教皇への批判