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その一歩すら、出せないときに

その一歩すら
出せないときがあります。

何がしたいのか、わからない。
何がしたかったのか、思い出せない。

聞きたい歌も、選べない。
好きな歌も、憶えてない。
ましてや、自分で歌を作るなんて。

そんなとき
まずは、ジャケットを作ってみます。
自分の(作った歌が、いつか入る予定の)
アートアルバムワークです。

ジャケット(仮)なんだから、何だっていい。
好き勝手やろう。

撮った写真を、加工する。
好きなページを、切り取ってみる。
むちゃくちゃに、落書きする。
いっそ細かく、描いてみる。

先に決めちゃえ。
自分が言いたいこと。
自分がしたいこと。

決まってなくても、別にいい。
自分が、いいと思えば。
今の自分が、気に入れば。

でも一つだけ、やってみてほしいことがある。
アルバムのタイトルを決めること。

近況報告。
状況確認。
事後報告。
決意表明。
渾身のギャグ。
はげましの言葉。

何でもいいけど、何か決める。
フォントを選んで
あるいは手書きで
雑誌の見出しを切り貼りして
自分のアートワークに重ねてみる。

すると、何かが見えてくる。
そっか、こうだったんだ。
あれ、そんなに痛かったっけ。
そこに、つながるのか。
ほんとは、そう思ってたの?

そして、気がつく。

気分がさっきより
少しだけ、晴れていることに。
意外に楽しかった
もっとやってもいいかもって
少しだけ、ワクワクしていることに。

蓋をして、鍵までかけてあった
心の中のどこかから
その瞬間
その人だけのキラキラがあふれてくる。

そこに立ち会えるのが、うれしくて
私は、音楽療法士をしています。

ジャケット・メイキングは
相手が、その一歩を踏み出せずに
途方に暮れているときに
一緒にやってみることがあります。

はじめの一歩が、出ないでいる私も
とりあえず、ここから始めてみようかと。

長方形にしかならない、この見出し画像。
ジャケットとしては規格外。
それをあえて、ジャケットに見立ててみる。
そういう遊び心もまた
音楽療法の懐の深いところ。

今日のジャケットのタイトルは
目を覚ませ。
何が、目を覚ますのか。
目を覚ましたら、どうなるのか。
ワクワクしています。
はじめまして。そして、どうぞよろしく。











ここまでお読みいただき、ありがとうございました。いただいたサポートは、難民の妊産婦さんと子供達、そしてLGBTTQQIP2SAAの方々への音楽療法による支援に使わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。