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声と言葉と夏の記憶 【月曜朝のプレイリスト】

夏が、折り返しかけている。

かき氷も食べてない。
泳ぎにも行けてない。
帰省だってできてない。
いつもと違う夏。

夏らしい夏の感慨もないまま
気づけばもう、ヒグラシの声。

それが夏の終わりを予感させ
切なくなってくる。


…… という音風景が
日本の夏独自のものだと
日本を離れて初めて知った。

涼を運ぶ風鈴の音。
履きなれない下駄の音。
聞こえてくる祭りのお囃子。
頭上の花火が腹に響く。

高校一年の夏。

日本の夏を彩る音。
その音から引き出される記憶。
記憶に宿る、声と言葉。

それを実験的に表現した

イヤホンズ『記憶』

声優の高野麻里佳、高橋李依、長久友紀によるユニットの、声のプロならではの世界だ。


生活音は、そのまま、日常を刻む音楽。

その永遠のループに乗って
喋りや語りにリズムが生まれる。

リズムがビートの区切りにはまると
会話もいつしかラップになる。


そう、私たちはいつだって
音楽をつくっている。
生きるって、つまりそういうことだ。


ちなみに、プロデューサーの三浦康嗣は、かつて□□□(クチロロ)というユニットで、日常の生活音や音環境を使って実験的な音楽を作っていた。

十年前の音風景は、今と何が違うだろう。

□□□ (クチロロ)『Tokyo』(2009)


それから「今」に針を戻して。

映秀。の『残響』。

LINEを使っている人なら誰でも思い当たる、電話を切った後の一抹の寂しさ。それが、思いがけない形で胸に迫る。1分半の芸術。



私たちの生活を彩る音風景は、振り返った時、大きな物語の一部として立ち上がってくる。

あなたのこの夏の記憶は
どんな音風景と結びつくのだろう。

何の音
どんな言葉
誰の声が
あなたの物語の一部になって

いつか、あなたの『人生のプレイリスト』に加わるのだろう。


今日も、世界に耳をすませて。
よい一日になりますように。


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プロフィール写真を変えました。

ボール紙とモール目できた
今までのけるぼんは
コンゴから難民としてやってきた
6歳の男の子が作ってくれた「私」でした。

生まれてからゆっくり進化して
読み手の皆さんからたくさんの栄養をいただき
ようやく人間っぽくなりました。

まだ見慣れない姿ではありますが
これからも「けるぼん」を
どうぞよろしくお願いします。



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