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植田寿乃連載『令和を活きる、未来を拓く』第42回 「期待」を手放し「信頼」を宝物にする ~期をただ待つのではなく、信じて頼り動く~

「数少ない女性管理職でかつ部長ですから、会社の期待も大きくて・・・」
「今回の昇格で、上司から君には期待していると言われたのですが・・・」
「前の人がパワハラ系だったので、私に対してメンバー達がすごく期待していて・・・」
コーチングやキャリアカウンセリング、友人との会話でもよく出てくる「期待」という言葉、それを口にしながら彼らの顔は曇っていました。周りの人や、組織からの自分への期待は、そのことが自分のやりたいことでない場合、重荷と感じたり、大きなストレスになったりしています。

「メンバーが、期待通りに動いてくれない」
「〇〇さんは会社から期待されているという自覚がない」
「上司が頑張っている私を評価しない、期待にこたえてくれない」
「これだけの成果を上げているのに、今回の会社の私への処遇は、期待を裏切った」

不平不満の愚痴や文句を言う場面でも『期待』がよく登場します。周りの人や組織に期待をする人は、思った通りの結果が得られないことに強く不満を持ちます。その根底には、自分の正当性への拘りと、自分の想い通りになって欲しという欲望があります。満足できない結果に対して他者否定的になり、その感情の原因も周りに押し付けます。

「期待」という言葉、一見ポジティブで素敵な言葉のように見えますが、実は私たちの心のストレス原因や、責任を他者のせいにする依存体質になってしまう問題点があることに気づいているでしょうか?

期待・・・(スル)あることが実現するだろうと望みをかけて待ち受けること。当てにして心待ちにすること(出典:デジタル大辞泉)

そして、期待には3種類あります
1 周りから自分への期待
2 周りへの期待
3 自分自身への期待

どれもが「理想の状態なることを、ただ心待ちにする」ことです。相手のことは考えず、自分の都合で相手に動いてもらう気持ちが強く、受動的です。そして、期待通りにならないと「期待外れ」「期待を裏切られた」という悲観的でネガティブな感情に囚われていきます。また、「周りから自分への期待」ばかりに目を向けている人は、「周りに対する期待」も大きくなります。そして「自分自身への期待」をもちますが、宝くじを当たるのを待っているような状態です。つまり、「期待」を中心に生きている人は、受動的でネガティブな感情に支配されがちになります。
私自身、子供の頃は母親の期待に応えることばかり考えて生きていました。習い事、学校の勉強、全く楽しくない小学生中学生時代だったことを思い出します。高校生になった時に、親の期待を無視して、自分自身がやりたいこと、興味があることを徹底的にやるようになって、私は本当のじぶんらしさを手に入れることができました。私の人生を手に入れたという感覚を今でも覚えています。会社組織で働くようになっても、ある意味、周りからの「期待」を無視して、自分らしく働いてきました。「期待」を手放しましょう!そしたら、私たちはもっと自由に自分を大切に生きることができます。

 では「期待」を手放すだけで、自分らしく働いたり、生きられたりするのか?それは違います。「期待」の反対語の「信頼」を宝物にすることが重要です。

信頼…(スル)信じて頼りにすること。頼りになると信じること。また、その気持ち。

「信頼」は相手のことを信じることから生まれてくる感情・気持ち・行為です。無理な要求をするのではなく、その結果がどうであれば、それを全て受け入れることです。信頼の先には、感謝、喜び、感動、幸幸福、愛、・・・果てしなく、ポジティブな感情が続きます。

3つの信頼が十分に満たされている自分を想像してみてください。

1 周りから自分への信頼
2 周りへの信頼
3 自分自身への信頼(=自信)

 周りの人達から信頼されていると実感できたり、信頼して任せられる人が周りにいたり、そして何より自分自身の未来を信じることができたら、自信を持って未来に向かって歩いていけます。
 私は40歳から人材開発業界で仕事をするようになった時、「信頼」これこそが宝物だと気づきました。だからこそ「信頼関係」を育むこと、信頼できる仲間と仕事をすること、信頼できるクライアント担当者と仕事をすると決めました。信頼関係は育んでいくものですから、時間がかかります。しかしながら、「信頼」で結ばれた人達と一緒に働き、生きていくことは、自分自身の幸せな人生を歩むための基盤のように思います。信頼関係で支えられるからこそ、私は人一倍、自分自身を信頼している自信家です。それは、私の周りの素晴らしい信頼関係があるからなのです。
 皆さんも「信頼」を宝物にしませんか?まず、周りを見回しましょう。誰があなたのことを信頼してくれているか、あなたは誰を信頼するのか、そして自分を信頼しているか・・・。

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