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植田寿乃連載『令和を活きる、未来を拓く』 第30回 新天地に行くために必要な「勇気」と「覚悟」 ~未知の世界に飛び込み、ゼロから築く~

 春は会社の組織体制や人事制度の変更、人事異動の時期です。新しい部署への異動、職種転換の辞令、部署の統廃合での役割変更、早期退職制度の対象面談、または無風の塩漬け状態・・・。会社はキャリアビジョンを描かけ、自律型人財になれというけれど、結局は歯車、駒のように扱われているのでは・・・という感覚を持った時、私たちは立ち止まります。自分のキャリアを見つめ、この会社での希望の未来が見えないと、「転職」が頭をよぎり、求人サイトを検索し始める・・・。この時期に私は「転職」に関するキャリア相談をよくされます。私自身が3回の転職、2回の起業経験があるため、転職の達人?と思われているのかもしれません。確かに私にとって「転職」は成長に必要な人生の決断で、思えばどの会社での経験もとても有意義だったと思います。そのため、転職に対して肯定的で、応援する気持ちも強いのは確かです。ただし、相談をされた時、私は必ず「勇気」と「覚悟」について尋ねます。

1 未知の場所に裸で飛び込む「勇気」があるのか?
2 ゼロから自分で道を切り拓く「覚悟」をしているか?

この2つの質問に言葉が詰まってしまうなら、準備ができていません。転職は人生を大きく変える決断です。

★20代30代は怖いもの知らずで、ゼロスタートができる

 今の20代30代は、生涯1社で働く人生を想像している人はほとんどいません。激動で不確実な令和時代、自分の意志であろうが、会社の都合であろうが、人生で何度かの転職をすることになると潜在的に思っています。また、将来的には会社に勤めるのではなく、独立したいと学生時代から考えている人も結構います。だからこそ、20代30代は新入社員となったその日から「転職」はキャリアの選択肢の1つとして、いつも自分の目の前にあります。そして、その気になれば即行動を起こし、簡単に転職先を見つけて新天地に向かいます。数年しか働いていないため自分への仕事への拘りやプライドは小さいので、心機一転でゼロからスタートをしていくことができます。若さゆえの「怖いもの知らず」は、「勇気」&「覚悟」を兼ね備えた状態です。
私自身、25歳、26歳、31歳と3回転職をしていますが、何とかなると思っていました。38歳で起業した時も3年間で収益モデルが成り立たなければ、もう一度、どこかの企業に就職して一からやればいいやと思っていました。自分の力でどうにかできると、何も怖くなかった。

★「勇気」と「覚悟」は年齢とともに薄れていく

 しかし、30年近く1つの会社で長年働き続けて40代半ばを超えた人達は、この会社で人生を完結するのがあたり前のようになります。さらに年齢とともに、家族を背負って責任が重くなれば、今の継続による安定こそが幸せと思うようになります。努力の必要のない「受動的な安定」を強く願う感覚が、新天地へ飛び込んでいくための「勇気」や「覚悟」をどんどん薄れさせていきます。いざ、キャリアの節目と感じ、転職活動をしようとしても、「継続的な安定」という縛りから逃れることができません。そのため、自分の経験値と評価がそのまま守られて、安心して働ける夢のような場所を探してしまう。しかし、そんな転職先、新天地はどこにもありません。転職とは、今まで何をしてきたかではなく、今この瞬間から何ができるかが求められます。周りからの評価や人間関係は、まっさらな無の状態から始まります。つまり、新入社員の時と同じように、ゼロから再びスタートすることが転職です。だから、そのために「勇気」と「覚悟」ができているかが重要です。40代50代、転職活動で苦戦するだけでなく、転職先でも馴染めず上手くいかない人は、「勇気」と「覚悟」が無かったり、揺らいでいたりする人が多いと感じます。

★「平成ボケ」の受動的な安定志向から抜け出そう

同じ会社で長く働き続けていると、自分の気持ちや意見を後回しにして、我慢したり、辛抱したりすることが得意になります。我慢と辛抱の繰り返しの中、現状を受け入れ流されるのがサラリーマン人生と自分の中で肯定化され、受動的、保守的な安定思考にいつも支配されるようになります。平成時代の30年間は、実際に平和で安定していました。長く働き続けるための、居心地の良さが追求された時代だともいえます。努力しても努力しなくてもさほど変わらない、だったら流されるままが楽でいいし、そこそこ幸せになれると思ってしまう・・・・これは「平成ボケ」です。令和時代が求める、自律型人財とは、真逆の「依存型(ぶら下がり、居座り)人材」の状態です。それでは、転職など出来るわけがありません。

 皆さんはここで気づいたかもしれません。「転職」という切り口で、「勇気」と「覚悟」について書いてきましたが、全ての会社が求めているのは「自律型人財」です。今の会社でも、新天地でも令和時代が求める「自律型人財」だったら幸せな未来が広がります。自分で未来を拓いていく、その「勇気」と「覚悟」が備わっていたら、どんなキャリアの選択肢を選んだとしても明るい未来が広がることでしょう。
転職が頭によぎる人も、よぎらない人も、自分のキャリアの選択のおける「勇気」と「覚悟」はどうなっているかな、自分の心に問いかけてください。まさか、平成ボケしていませんよね?

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2023年4月15日(土)10:00~12:00
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「転職、独立というキャリアの選択肢を見つめてみよう、必要な勇気と覚悟」
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