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植田寿乃連載『令和を活きる、未来を拓く』第回34回 自分の人生は誰のもの?ライフタイムマネージメントを意識していますか?  ~忙しさに埋没せずに、Work hard Play hard~

 「忙しくて1カ月ほとんど休まずに働いたら、体調に異変が起きてしまいました」「忙しくて2週間以上連続勤務したら、何もする気力もなくなり倒れてしまいました」「忙しくて健康診断を数年さぼっていたら、とんでもない結果が・・・」令和時代にもなり、働き方改革が浸透し、多くの企業がホワイトな状態になってきているのにも関わらず、こういう人も見かけます。私が「なぜ、もっと自分を大切にして、休まないの?」と尋ねると「私がやるしかないから・・」「忙しい方がいいんで」といった返事が戻ります。つまり共通しているのが、会社や誰かから強制されたわけではなく、自分の意志で体力を超える無謀ともいえる働き方をしています。いわゆる『ワーカーホリック(仕事中毒)』状態です。会社で業績と出世を追いかける人の中に多かったりしますが、実は誰もがそうなる可能性を秘めていることに気づいているでしょうか?

★『ただひたすら、一生懸命やっている』は要注意

私は、研修や、ダイバーシティ&インクルージョン研究会、またコーチングやキャリアカウンセリングの時に、必ず質問をします。

『今の自分の仕事や役割に対する気持ちは次のうちどれですか?』

①    やりがいを感じ、とても充実している
②    そこそこ充実感、達成感がある
③    ただひたすら一生懸命やっている
④    淡々、粛々とやっている
⑤    前向きな気持ちが薄れてきている
⑥    迷い、焦燥感を感じ、擦り減っている
⑦   何も感じない

皆さんはどれを選ばれたでしょう。①②は、日々、活き活きと働き、人生も充実しているでしょう。④は、働く時間はお金のためと割り切っていますが、プライベートを充実している可能性もあります。⑤⑥は、良い状態とは言えませんが、心の状態を意識できています。⑦は、完全に心を閉ざし、ロボットのように働いる、生きているかもしれません。⑦を選んだ方はすごく心配です。しかし、それと同じくらい、私が気になるのは、③『ただひたすら一生懸命やっている』を選んだ方です。この状態が長期間続いていると、ワーカーホリックになってしまうかもしれません。目の前の仕事に対して、役割と責任感を強く感じるがあまり、集中し過ぎて何も見えなくなって、それがずっと続いて・・・。

★『忙しいから仕方がない』人生でいいのですか?

 ワーカーホリック状態の人達の口癖は、何しろ「忙しい」です。今週忙しい、今月忙しいならいいのですが、3か月以上、慢性的に忙しいは要注意です。20代30代は、体力的に無理ができますが、40歳以降は、本当に気を付けなくてはなりません。「忙しい」は、りっしんべん『心』を『亡くす』と書きます。心を亡くして周りが見えなくなっている状態です。仕事に人生を支配されている状態なのに、「忙しいから、仕方がないんです」「忙しい方がいいんです」と笑顔を浮かべて言う人は、忙しさに麻痺し、しかも充実感と勘違いし、心地良いさえと感じ酔いしれている『仕事中毒』です。中毒状態なので、周囲からの心配の声やアドバイスは耳に入りません。どんどん忙しさに埋没し、最終的に「忙殺」されてしまう。結果的に心身に不調が現れ、倒れたり、働けなくなったりして気づきます。休むことで復活できればいいのですが、燃え尽きてしまうこともあります。その時に、周りは「よく頑張りました」「仕事で自分を犠牲にするとは偉い」と褒めてはくれません。自分を大切にする働き方、生き方ができずに自滅した可哀そうな人とだけ映ります。

 私は30代前半で、ANAグループで新規事業の管理職をやっている時、まさにワーカーホリック状態に陥りました。仕事に一生懸命に没頭するあまり、ろくに休みも取らず朝から晩まで働き、「ワーキングハイ」とでもいうように自分を麻痺させていったことを覚えています。その自分の働き方が最高とさえ思ってしまっていたので、周りのメンバーに同じ働き方を求めしまい、悪影響も及ぼしていました。挙句の果ては、急性肺炎で2週間入院、その後2回の切腹(子宮筋腫の手術)です。さすがに2度目の手術をした35歳の時に、二度とワーカーホリックにはなるまい、これからは、自分を大切にする働き方、生き方をすることを自分自身に誓いました。そして、それから私の中で『忙しい』を禁句にしました。

★ライフタイムマネージメント

 私は40代に入り、『Work hard, Play hard(よく働き、よく遊ぶ)』がライフスタイルのモットーです。40代50代の頃、講演・研修の登壇も多く、かなりのハードワーカーでしたが、年間4~5回は海外休暇を楽しんでいました。仕事と同じくらい、たくさん遊びました。私は、毎年、1年間の仕事のスケジュールを見据えながら、人生を謳歌する休暇のスケジュールを確定します。今もそれは変わりません。働くことと、自分の人生を謳歌して遊ぶことに本気です。一生懸命働きますが、一生懸命遊びます。スケジュールが厳しい時ほど、休暇もたっぷりとります。このメリハリが、仕事への集中力も高め、業績を上げ、心身の健康の維持にもなっていると確信します。
仕事のタイムマネージメントは上手くできても、自分の人生のライフタイムマネージメントが下手で、仕事に支配、コントロールされていては、活き活きとした人生にはなりません。人生は自分自身のものです。自分の人生を自分でマネージメントし、仕事をコントロールするという働き方を目指しましょう。仕事と同じくらい一生懸命遊ぶことに向き合ってみましょう。人生はもっと輝いてくるはずです。皆さんもつい使ってしまう『忙しい』という言葉を禁句にしませんか?

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