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読解力の謎をスピリチュアルに考える #7

読解力を身につけるためには、読者の視点を知らなければなりません。

過去の自分が書いた文章を読み直すとき、まるで他人の文章を読むかのように読む必要があります。一般的な読者が、知らない作家の文章を読むかのように、過去の自分の気持ちを意図的に忘れて、文章表現だけを頼りにして、作家の気持ちや人物像をイメージしなければなりません。

すると、イメージと自分とのギャップに気づけます。視点の獲得です。

内なる自分と外なる自分のあいだに言語の壁があります。読者の視点から、ギャップが見えるなら、哲学(言語批判)を始めることができます。

義務教育の国語科では、読者の視点を教えません。なぜなら、文部科学省の学習指導要領に「読者の視点」という言葉がないからです。「読者」という言葉なら、小学校学習指導要領解説に二回だけ出てきます。

朗読は,読者として自分が思ったことや考えたことを踏まえ,聞き手に伝えようと表現性を高めて,文章を声に出して読むことである。――p.123 〇表現の技法  ケ 文章を音読したり朗読したりすること。

本などの中の言葉は,時間や空間を超えて読者に伝わり,様々な物事を理解したり,書き手の多様なものの見方や考え方に触れたりすることを可能にする。――p.131 〇読書  オ 日常的に読書に親しみ,読書が,自分の考えを広げることに役立つことに気付くこと。

【国語編】小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説

読者の視点を知らなくても、話すように書くことはできます。しかし、それでは、句読点の打ち方を意識しなくても話せますし、息が切れるところまでを段落にすれば、自分にも長文が書ける気分にはなれますが・・・。

英語の共同体では、16世紀頃に、厳密な文章化が最も求められたようです。そして、読者に読んでもらうための読点は、おそらく、認知し直すところで「:(コロン)」を、知覚し直すところで「;(セミコロン)」を、直感し直すところで「,(コンマ)」を、それぞれ打っています。
ただ、現代では、セミコロンの使い方が忘れられつつあり、それと同じ言語意識領域内にあるhave助動詞が、所有の動詞に転落しつつあります。

この図は独学の具体例の一つにすぎません。

日本語共同体では、名詞文(認知)、形容詞文(知覚)、動詞文(直感)、とそれぞれ分かれるところで「、(読点)」が打たれやすい。

以上、この記事のつづきはまた別の機会に。