未上場ベンチャー2社の経営統合!統合前後の振り返りと今後について
株式会社MintoのCOO高橋です。
プレスリリース等で発表させていただきました通り、2022年1月4日に株式会社クオンと株式会社wwwaapが合併し、株式会社Mintoという新しい会社となりました。
経営統合って実際どうなの?統合してみてどうですか?等のご質問をいただく機会が増えてきました。その質問へのアンサーとして、私が経営統合前後の4ヶ月で得た学びを残しておきたいと思い記録として書いておきます。
未上場ベンチャー同士の経営統合は日本ではかなり珍しいケースですが、既存事業のブレイクスルーや、グローバルへの挑戦をしようとしたときに、今後は当たり前のオプションになっていくはずです。
現在、経営統合を検討しているベンチャー経営者や、停滞感を感じている事業主の人たち向けの内容にしていきたいと思います。
よろしくお願いします。
1. 経営統合の相談から4ヶ月でプレスリリース
まずは、経営統合に関して検討開始からプレスリリースまでですが、
以下の時系列で動いておりました。
検討開始したのが21年6月でしたので、わずか4ヶ月で経営統合と新社名の発表リリースをし6ヶ月で実際に経営統合を実行いたしました。
経営統合に関しては当然初めてのことだらけ。
また自分達の周りにも知見のある方もほとんどおらずの状態でしたので、本当に手探り(Googleや書籍、見識者の皆様に頼りながら)でなんとか前に進めていきました。
2.統合発表から現時点までに取り組んだ内容
21年10月に統合を発表させていただいてから、取り組んだ内容を紹介させていただきます。
取り組んだ内容自体が多岐に渡るため、特徴的だったアクションを5つ紹介させていただきます。
2.1 経営チームで方針を確認
まずは経営チームの中で統合時の方針を決めました。
以下、資料(当時のまんま)です。
ただ統合するだけでは意味がありません。事業や会社のモメンタムのきっかけにすることが大事だと考えました。また経営陣や株主だけの納得ではなく、従業員や関わってくれるステークホルダー全員が「よかった」と思えるものを目指すことを経営チームで決めました
2.2 統合時のアクション・優先順位決め
そして、全体像を把握するためにタスクを整理しました。
ハードとソフトで施策を棚卸し、メンバーへの影響後の高い施策から早めに実行を行っていく意思決定を行いました。
タイムライン
2.3 社名・ロゴ・MVV
経営陣で社名、ロゴデザイン、MVVのディスカッションを開始しました。50時間を超える時間を使ったと思います。やはり会社運営の肝になる部分なので、そこは割り切ってじっくり&しっかり時間を使いました。
ロゴ候補↓
ボツ社名たち↓
株式会社AndC
株式会社ネーム
株式会社コンテ
株式会社ピクトーン
株式会社Qwer
(迷走感出ていますよね。Mintoで良かったと思います。笑)
社名の由来↓
Minto=ミントには、植物のミント以外にも様々な意味があります。
・新しい言葉を創り出す
・貨幣を発行する
これを我々なりに以下の解釈をしました。
・新しい言葉・表現を創り出す
・クリエイターの為の新しい経済圏(エコノミー)をつくる
我々はより沢山のクリエイターが活躍出来る新しいエコシステム(経済圏)をつくる会社。
そしてミントという音の響き・柔らかい色からイメージされるような多くの人に愛され、繋がりを作れる会社を目指していきたいという思いが社名に込められています。
2.4 全従業員との1on1、交流会、勉強会など
コミュニケーションを取ることで少しでも経営統合の不安を解消すべく、経営メンバー全員がお互いの従業員の全メンバーとの1on1を行ったり、従業員同士のコミュニケーションを活性化させるために交流会等を行ったりしました。
↓交流会の様子です。
2.5 制度リニューアル
統合後に必要な最低限の制度やルールを整えていきました。
すべての制度を一気に変更することは混乱を招くので、それぞれの会社が持つ制度やルール全てを見つめ、「良かったものは残す」「ダメだったものは改善する」というスタンスでリニューアルを行いました。
現在も制度リニューアルの真っ最中です。まずは運営上必要な最低限のリニューアルを行っています。
↓全社に発表したスライドです。全員で改善させていきます。
3.取り組みの中で起きた問題と学び
昨年7月に「さーて、会社を統合させるぞ」となったものの、この6ヶ月間は本当に大変でした。
(本当に大変なのはこれからかもしれませんが)
大きな問題は根本的なリソース不足です。
会社としての方針決めの他にも引っ越し等の対応もあり、通常業務にプラスして対応をしておりました。
結果的にもろもろの業務上の手続き、人事制度や新しい規約作りなどは後手後手にまわってしまいました。メンバーからはクレームに近いような意見もいただいてしまい、コーポレートチームとしては精一杯だったのですが、精神的にも身体的にもシンドイ時期だったと思います。
メンバーには途中過程を見せながら、全員との対話を通して「最初から完璧を目指さず、やりながら整えていく」という方針にしたことでだいぶ緩和されてきました。今では「決まっていないこと」に対して主体的に動いて組織全体にフィードバックしていく動きが見られています。
経営やコーポレートチームだけでなく、関わっているメンバー全員で新しい会社を創っていく、そんな発言ややり取りが最近増えてきました。(本当に頼もしいメンバーです)
今回、この一連の取り組みの中での学びを2つピックアップさせていただきました。
3.1 制度よりも感情と向き合う
両社それぞれに独自の制度やルールがあります。まずは統合後にスムーズに運営ができるように、制度の見直しを行っていこうと考えていましたが、これは途中で間違いに気づきました。
人は感情で動きます。
メンバーは1日の時間の大半を仕事で消化することもあり、マネジメント側が思っている以上に仕事に対して感情で向き合っています。
制度はあくまで働きやすくするためのツールであるので、まずはメンバー全員の感情と向き合いながら推進することが重要だと思っています。
思っている以上に不安に感じていたり、伝えたつもりになっていたものが伝わっていなかったりしますので、まずは一人一人との対話を通じて、今回の統合の意義や今後期待できる変化を伝えることを優先して行っていきました。
3.2 譲れないことを言語化しておくことが大事
こちらは経営チームで行ったことなのですが、経営統合初期にお互いに「譲れないこと」を言語化し発表し合いました。その結果、互いを尊重しテリトリーに土足で入り込むような発言をしない、適度な距離を保つことができ、良い経営チームになってきたと思います。
つくづく経営統合は結婚と似ています。夫婦ケンカのキッカケとしてよくあるのは「自分が許せない行為を相手にされたとき」ではないでしょうか。
4.今後の組織運営について
組織運営は「絶対解はないが、最適解はある」と考えています。
100社あれば100社の組織運営のやり方があります。
クオン、wwwaap、それぞれが大事にしていた価値観や譲れない想いを尊重しつつ、その瞬間の会社の状況(ビジネスモデル、業績、文化など)を見ながら、ゼロスクラッチでで設計並びにアップデートする覚悟が重要であると考えています。
また、違う文化のチームを無理に同じ文化にしようとしなくていいと思います。文化の違いを互いに尊重しつつ、適切な距離感で異文化のチームが付き合っていくことが重要です。
今後は異文化同士の交流をゆっくりと時間をかけながら行い、新しい文化に仕立てていきたいと思います。
上述の事業を開始するにあたり、現在各ポジションを募集しております。
ポジションの詳細は、以下となります。
※各ポジションへのお問い合わせは、以下いずれのかの方法にてご連絡ください。
①メールにてご連絡
以下必要情報を記載の上、採用担当宛のメールにてご連絡ください。
②Meetyにてご連絡
人事担当とのカジュアル面談をご希望の方は、以下のMeety 弊社専用ページよりご連絡ください
以上です。長くなりましたが、何かお役に立った部分があればすごく嬉しいです。そして、これからのMintoもよろしくお願いします!
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