見出し画像

やさしいカレンダーを作った話。

こんにちは、QTmediaの森です。
年度末も終わったので、たて続けに書いております。

これは去年の年末の話になります。
QTmediaでは、これまで、いわゆるあいさつ回りのカレンダーを作ったことがありませんでした。それが去年、社内で初めて依頼を受けました。

いまどきは、あいさつ回りカレンダー(勝手にそう呼んでいます)を廃止されている会社も多いと思いますし、去年の年末といえばまだまだコロナ禍で、そもそもあいさつ回りに行くことも少ないんじゃないかと思われますよね。
そしてSDGsの時代に、資源を使って作るには、なにか理由がないといけないですよね。

私もそう思いました。

そんなわけで、お話を頂いたものの、そこをまず確認するというところからスタートすることにしました。

こんな時代になぜカレンダーを

話を聞いてみると、弊社社長の熱い想いがきっかけでした。
こんな時代だからこそ、あえて会って渡す、コミュニケーションのツールとして必要だと思った(意訳)とのことでした。

デザイナーとしては、作る必要があるなら、無駄にならないものを作りたい。せっかく作るなら、今までにないようなものを作りたい。
そういう思いが湧いてきました。

あいさつ回りカレンダー

私の中で、あいさつ回りカレンダーといってイメージするのは、きれいな風景ものや、数字だけで見やすいもの、会社のキャラクターものなどです。

そんな各種多様なカレンダーは、社内に飾られるものもありますが、そうでないものは一か所にまとめられ、選り好みされて、次の年まで余ってしまったものは処分。そういう光景を想像しました。

せっかく作ったカレンダーが、貰われていった会社で捨てられる、そういう風にはしたくないな。と思いました。

こんな時代のカレンダー

捨てられないカレンダーを作るために、どうしたらいいのか。
仲間とともに知恵を絞ることにしました。
クリアすべきことをリストアップしていきました。

・シンプルで使いやすいカレンダー
・予定書き込める実用的なカレンダー
・執務室に飾ってほしいので、雰囲気を壊さないカレンダー

また、カレンダーをお渡しするということは、カレンダーというプロダクトが自分たちの会社をあらわしていると考えて、コミュニケーションを考えました。

・こんな時代だから、もらった人がほっとするものを届けたい
・役立つカレンダーにしたい
・環境に配慮したい
・カレンダーを作ることがインナーブランディングにもつながればいいな

コンテンツの課題

「もらった人がほっとする気持ちになるカレンダー」というのをどういう方法で実現するか、それを考えなくてはなりません。

ふとココアのパッケージを見たときに、
そこにはめちゃくちゃ優しい一言が書かれていました。
これだ、言葉だ!これ考えた人天才だ!

(それにしても、この一言はどんな人が考えたんだろう・・・すごく刺さる。一人だとすごい量考えてるな。。募集かな。。みんなで徹夜で考えたのかな。。)

私も同じように、優しい一言がたくさん思いつけばいいですけど・・・無理そうです。
そこで、優しい一言を、社内から募集することにしました。

リアルな社内の誰かの言葉が、カレンダーになって、ほかの会社の誰かに届く。そこでほっとしてもらえたら、すごく良いコミュニケーションになるのではないか。
同時に、社内の人にとっても、自分の考えた言葉がカレンダーになると、明るい気持ちになるのではないか。

「役立つカレンダーにしたい」こちらも考えました。

カレンダーそのものが役には立っているのですが、
なにかQTmediaらしさで役立てること、、デザイン的な要素。
お役立ち情報的な・・・・。

いろんなフォントを見れるカレンダーって面白いかも!
フォントのプチ情報も入れたらさらに役立つのでは!
ということでまとまりました。

やさしいカレンダープロジェクト始動!

さっそく、コンセプトを考えることに。
プロジェクトメンバーの、鎌田さんと堀川さんと話し合いました。

こんな時代だから、貰った方がほっとするものを届けたい。
という想いがあったので、

・もらった人がやさしい気持ちになるカレンダーがいい!
・環境にもやさしくないと!
・目にもやさしく!

「3つのやさしいカレンダーだ!」という感じで
コンセプトがまとまりました。

やさしい一言募集

やさしい言葉が集まらないことには、デザインができないので、すぐに社内の掲示板で募集することにしました。
(そうそう、このプロジェクトとても時間がありませんでした・・・)

ありがたいことに、趣旨を説明して募集すると、たくさんのご応募を頂けました。この場をお借りしてお礼申し上げます!

たくさん集まったやさしい一言。いろんな角度、個性を感じました。
そして、リアルさ、誰かの生の言葉をそのまま載せる面白みを感じました。

どれも、素晴らしくて、選ぶに選べないのですが、13個に絞らなくてはいけません。先入観無く選ぶために、名前を伏せました。

選ばれた言葉は、最後まで誰が言ったのかは伏せて、カレンダーになってのお楽しみ、とすることにしました。

やさしい一言を切り出しているところです

デザインの課題

入れる内容がほぼ決まった時点で、デザインで条件をクリアしていくことにしました。

・シンプルで使いやすいもの
・予定書き込めるもの
・執務室に飾ってほしいので、雰囲気を壊さないデザイン
・印刷の色数やべた塗りを少なくして、インクの量を減らす

デザインをシンプルにするとなると、素材で良さを出したい。
紙にこだわることにしました。

印刷屋さんと相談して、SDGs目標該当項目がある紙、というのを教えていただきました。その中で、質感がざらっとしていてぬくもりがあるものに決めました。

そして、優しい言葉をどうデザインすればよいのかも、メンバーで考えました。やさしい言葉の情景をイメージしたイラストを描いてもらうことにしました。

包装やめよう!

最後の最後に、「これ、包装しなくていいの?」という声を社内からいただきました。(忘れていた!)
確かに、お客さまに持っていくときに、雨でぬれたり折れたり、汚れたものは持っていけない・・・

印刷屋さんに確認すると、PP包装できますよ、とのことでした。
PP(ポリプロピレン)の包装をするということは、その分資源を使っているし、コストも使うということです。

また、袋に入ってるということは、開けたいと思わない限り、初見で中をペラペラっとめくってもらえないということです。

執務室に飾られるということをゴールとしているので、やはり中を見てもらって、「これ飾ろう」に結び付けたい・・・。

ということで、PP包装は省くかわりに、社内にすでにある紙の袋に入れて持って行ってもらうことにしました。

さらに、廃棄しないため、余らないギリギリの部数を発注することにして、
無事に完成しました。

やさしいカレンダー完成

完成したやさしいカレンダー(表紙)

最初は、カレンダーって本当に必要なのかな、と疑問を持ちました。
そう思いつつ、作るならこういうものがいいというのを、メンバーと協力しながら、最後には社内のいろんな方が協力してくださって、作ることができました。

刷り上がった実物を見ると、純粋に嬉しさ感じました。
どこかの会社で飾られているといいなと、思います。

長々と書きましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?