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最近の記事

【本】羅永生『誰も知らない香港現代思想史』(丸川哲史、鈴木将久、羽根次郎訳、共和国)

 「・・・私は戦後ベビーブーム世代の人間です。香港でコミュニティが生み出され、発展してきたプロセスおよびその中で直面したさまざまなチャレンジや困難を目の当たりにし、自分自身も経験してきました。いつの段階でも、香港人は相対的に限定された空間で、自分ではどうにもできない力に向き合い、やむことなく応酬し、闘ってきました。一連の抗争には解決すべき課題があり、ときには社会の分裂と衝突を生み出してきましたが、矛盾は発展の過程で一歩一歩克服され、ダイナミックな政治文化を生み出してきました。

    • 【ギリシャ】ギリシャ:「民衆連合」が生まれた!/クーヴェラキス

      シリザは分裂しました。シリザから離党した議員25名による新党結成です。ギリシャ情勢はめまぐるしく動いているようです。以下はVersoブログ昨日(8月21日)付記事Stathis Kouvelakis, Greece: "Popular Unity" is born!、の試訳です。誤訳のご指摘、精緻化のご提案、いただけましたら幸いです。(Q) http://www.versobooks.com/blogs/2182-greece-popular-unity-is-born

      • 【論考】野蛮な資本主義が還ってきた———それは自制などしないだろう/グレイバー

        以下は、ザ・ガーディアン紙2014年5月30日付記事、デイヴィッド・グレイバー「野蛮な資本主義が還ってきた———それは自制などしないだろう」(David Graeber, Savage capitalism is back – and it will not tame itself)の試訳です(一部省略)。もっともすぎるピケティ批判です。ただし、ピケティはグレイバーの大著『負債』のファンのようで、グレイバーの新著には「『負債』大好き(I love ”Debt”)」とのピケティ

        • 老子/故に道を失いて・・・

          ・・・故に道を失いて而る後に徳あり、徳を失いて而る後に仁あり、仁を失いて而る後に義あり、義を失いて而る後に礼あり。

        【本】羅永生『誰も知らない香港現代思想史』(丸川哲史、鈴木将久、羽根次郎訳、共和国)

          【ギリシャ】シリザは政党として記録的な速度で解体しつつある/クーヴェラキス

          以下はVersoブログの昨日(2015年8月14日付記事)The latest on Greece: Towards the political constitution of the front of the "No"の後半の最新報告部分ですが、内容を紹介します。(Q) この日の早朝、ギリシャ議会は債権者たちとの最新の合意書を支持しました。しかし、この交渉はまた、シリザ内部からのこれまでで最大の抵抗にみまわれているようです。クーヴェラキスは、これを、ツィプラスとかれの政府

          【ギリシャ】シリザは政党として記録的な速度で解体しつつある/クーヴェラキス

          【論考】資本主義はどのようにして終わるのか?/ウォルフガング・シュトリーク

          以下はNew Left Review誌87号(2014年5,6月号)に掲載されたウォルフガング・シュトリークの長大な刺激的論文「資本主義はどのようにして終わるのか?」(Wolfgang Streeck「How Will Capitalism End?」)のごく一部の試訳です。リンクを張ることはできませんが、誤訳や精緻化のご指摘をいただければ幸いです。(S) なお、緊縮政策とユーロ圏におけるドイツのポジションをめぐる議論のなかで、あらためてドイツとオルドリベラリズムの関係が問

          【論考】資本主義はどのようにして終わるのか?/ウォルフガング・シュトリーク

          ブレヒト/なくてはならぬ役人

          「ずいぶん長いこと、その役目に坐っている、ある役人について、あの人はなくてはならぬほど、それほどよい役人であると、だれかがほめているのを、コイナさん、きいた。「どうして、なくてはならぬ人なのです?」とコイナさん、不機嫌になって、質問した。かれがいないと、役所の仕事がすすまないからです、というのが、ほめる人の言だった。「役所の仕事が、かれなしにすすまないとき、どうしてそれが、よい役人なのです?」と、コイナさん、いった。「自分がいないと困るように、かれの地位をうまくあんばいするだ

          ブレヒト/なくてはならぬ役人

          【レイシズム、US】ファーガソンにおける神的暴力/ジジェク

          ミズーリ州ファーガソンで黒人青年が警察に殺害されたのをきっかけに激しい抗議行動の波がアメリカを襲いましたが、そのきっかけになったマイケル・ブラウンの殺害から一年、本日付(8月10日)の新聞によれば、昨日、その一周年の追悼行進が警察との衝突に発展し発砲によって一名が負傷したということです。 「米ファーガソン、黒人青年射殺から1年の追悼行進で発砲 1人負傷」 (http://www.afpbb.com/articles/-/3056918) 以下の文章は、The Europ

          【レイシズム、US】ファーガソンにおける神的暴力/ジジェク

          【レイシズム、フランス】共和主義の理念は差別と嫌悪の武器と化した/ランシエール

          以下は、ジャック・ランシエールの2015年4月2日付のインタビュー記事「共和主義の理念は差別と嫌悪の武器と化した」(Jacques Rancière, Les idéaux républicains sont devenus des armes de discrimination et de mépris)の試訳です。使用したテキストは (http://campvolant.com/2015/04/04/jacques-ranciere-les-ideaux-republi

          【レイシズム、フランス】共和主義の理念は差別と嫌悪の武器と化した/ランシエール

          【ヨーロッパ、ギリシャ】希望をもたぬことの勇気/スラヴォイ・ジジェク

          以下は、New Statesman7月20日付記事、スラヴォイ・ジジェク「ジジェク、ギリシャについて———希望をもたぬことの勇気」(Slavoj Žižek on Greece: the courage of hopelessness)の冒頭部分と、後半の後半の試訳です。かなり長い論考全体にわたって、興味ぶかい論点が多数、指摘されています。誤訳のご指摘、精緻化、向上のご提案、いただければ幸いです。(M) (http://www.newstatesman.com/world-

          【ヨーロッパ、ギリシャ】希望をもたぬことの勇気/スラヴォイ・ジジェク

          【ヨーロッパ】ヨーロッパはあたらしい西洋的専制主義の中心となるだろう/ソウザ・サントス

          以下は、ウェブマガジンZNET2015年7月22日記事、ボアベンチュラ・ソウザ・サントス「ヨーロッパはあたらしい西洋的専制主義[ウエスタン・ディスポティズム]の中心となるだろう」(Boaventura de Sousa Santos , Europe will be the epicenter of a new Western despotism)の部分的試訳です。原題はFatal Test。ここではVersoブログに転載されたさいのタイトルを利用しています。誤訳、精緻化のご

          【ヨーロッパ】ヨーロッパはあたらしい西洋的専制主義の中心となるだろう/ソウザ・サントス

          【論考】疎外(alienation)について/ハーヴェイ

          以下は、Crisis-Sacpes: Athens and Beyond所収のデイヴィッド・ハーヴェイ「疎外と都市生活」(David Harvey, Alienation and Urban Life)からの一部訳です。誤訳についてのご指摘、精緻化、向上のご提案をいただけたら幸いです。(T) (http://crisis-scape.net/images/conference/CrisisScapesConferenceBookWeb.pdf) ———— alienat

          【論考】疎外(alienation)について/ハーヴェイ

          【トルコ、クルド】ノー・ウェイ・バック———最近のシュリュジュへの攻撃/マヤ・オズボーン

          以下は、Versoブログ2015年7月31日付記事、マヤ・オズボーン(Maya Osborne), No way back: The recent attack on Suruc、の部分的試訳です。誤訳のご指摘、精緻化、向上のご提案いただければ幸いです。(M) (http://www.versobooks.com/blogs?post_author=34657) ———— おそらく、いつか歴史家たちは、トルコとシリアの国境の町シュリュジュでの先週の自爆攻撃———32

          【トルコ、クルド】ノー・ウェイ・バック———最近のシュリュジュへの攻撃/マヤ・オズボーン

          【論考】ドイツ通貨としてのユーロ/ラッツァラット

          オルドリベラリズムは、ヨーロッパの制度がその上に基礎づけられている、主要な政治的イノベーションを構成している。ヨーロッパの統治性の論理は、オルドリベラルのモデルにしたがっており、「経済」を通じて「国家」を生成するその方法は、ほとんど字義通りに適用された。ユーロがドイツ通貨であるといいうる理由はこれである。ユーロは、そこでは「経済」を「政治」から区別するのが不可能であるような、あたらしい国家資本主義のエンブレムである。 通貨に正統性をあたえるには、政治的権威、あるいは国家(あ

          【論考】ドイツ通貨としてのユーロ/ラッツァラット

          同時代性/ジョルジョ・アガンベン

          「同時代性とはすなわち、自身の時間との一風変わった関係ということになります。それは、時間に寄り添いながら、同時にまた、そこから距離をとるのです。つまり、より正確にいうならば同時代性とは、#位相のずれとアナクロニズムをとおして時間に寄り添う、人と時間との関係性#なのです。特定の時代にあまりに密着する人たち、あらゆる点において時代と完全に一致してしまう人たちは、同時代人ではありません。なぜなら、まさしくこのために、その人たちは自分の時代を直視することも、その上に視線をとどめること

          同時代性/ジョルジョ・アガンベン

          【本】パリコミューンの意味/クリスティン・ロス

          以下はJacobin誌2015年5月4日付インタビュー記事、Kristin Ross & Manu Goswami ,What can the Paris Commune offer to present struggles for emancipation? の部分的試訳です。誤訳のご指摘、精緻化、向上のご提案をいただければ幸いです。クリスティン・ロスはニューヨーク大学比較文学教授ですが、すでに翻訳があります(箱田徹訳『68年とその後———反乱の記憶・表象・現在 革命のア

          【本】パリコミューンの意味/クリスティン・ロス