休職制度を整える労務担当者さん、社労士さんへのお願いリスト
前回書いた産業医の選び方よりも、圧倒的に多いのが休職・復職に関する質問。
かつて、仕事の初対面において、この質問をされなかったことは、無い。。
いつも、リアルな事例でご相談されるので、まずは就業規則の概要を伺い、全体・部分のお話をさせていただきます。
では一緒にスキームつくっていきましょう!ってなると、面談等、実際の業務と同時進行で制度を整えていきます。
提案内容
・経営方針のもと
・その企業のこれまでの事例の傾向をふまえ
・今後5年くらいで予測される事例に幅広く対応できるスキームを想定し、
1、提案(考慮の要望)
2、その理由
3、配慮ポイント
をご提案します。
もちろん、
文面をつくるのは社労士さん。
リーガルチェックは弁護士さん。
彼らと協議するのは労務担当者・経営者さん。
社労士さんや弁護士さんと、大枠で意見が食い違っはことはなく、斬新な視点やアイデアを頂けて勉強になることもしばしば。士族ブラボー。
伝えたいことリスト
予測される事例が経営フェーズや世代、業種などより若干異なることと、詳細なノウハウはさすがに載せられない(載せたくない^^)ので、大枠のみでご了承ください。
提案1:特にがん治療者に対応できるスキームにしてほしい
以下の理由を考慮すると、社労士さんは具体案が見えてくると思います。(育児休業関連の仕組みと似た感じになるかも)
理由:がん治療に対応できるとその他多くの疾患に対応できる
治療選択・経過が多様で、長期の見通しは難しい反面、3ヶ月くらいの見通しは立てやすい傾向があります。
入院期間が短縮化され、外来治療の拡大(従来の化学療法、分子標的薬、放射線・陽子線治療など)が進み、副作用のコントロールも以前より進化していますが、治療による身体的侵襲からの回復はいずれの場合も緩やかであり、退院・復職後も長期に安全配慮が必要なことは以前と変わりはありません。
<参考になるサイトと書籍>
国も取り組んでます。
厚生労働省 疾患を抱える従業員(がん患者など)の就業継続
こちらのサイトは広範囲に正確な情報が網羅されています。
国立がん研究センター がん情報サービス 働く世代の方へ
やや余談ですが、最近の多様な治療法についてさらに詳しく知りたい方には津川友介先生の著書を。エビデンスに基づき、標準治療から新しい治療法まで分かりやすく書かれてます。
世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった最高のがん治療
案2:精神疾患については上記をベースに検討してほしい
案1で設計していくと、合算上限、1回の休業期間上限、復職判定の目安のが見えてくると思います。
それを元に、フレキシブルに対応できるバッファを作っておくと良いと思います。(具体的には対面で笑)
配慮ポイント:主治医・産業医らの意見、本人との話し合いで方向性を定めていく
身体疾患よりも治療計画がふんわりしているのが精神疾患です。そのため「どうしたらいい?」となる担当者さんも多いと思います。休職前・復帰時に、関係者全員が確認できるように具体的に書面化するなどしてコンセンサスを取っていきます。
これは、安全性を高めて治療に専念してもらうこと、復帰への不安軽減、復帰後の混乱を予防するためです。
休職中の事務連絡方法や、復帰の目安となる基準も事前に確認しあうのも大事ですね。
ご本人が望めば、主治医やご家族にも共有してもらいます。
<参考>
休職中にカウンセリング等を受けるとしたら、科学的にも効果が認められている認知行動療法的アプローチのプログラムを受けたり、自主勉強したりすると良いと思います。
身体が回復してきたら、自己を多角的に捉えたり、復帰後の予測を立てて備えることをオススメします。
そして、、
「こんな感じになりました」とお見せいただく就業規則・規定・覚書は、実にアートだな…と感じます。
経営者・担当者・士族、、それぞれの情報が重なって、たった数行に表現される・・・
まさに個人のゲシュタルトが融合した法人のゲシュタルトから表現されたアート。
Time is Money.
Roumu is ART.
…ってな雰囲気です。ではでは。
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