「私みたいに立ち止まっていた時間が今までにありましたか?」
「いつも先陣切って走り続けてる綾部さんは、私みたいに立ち止まっていた時間が今までにありましたか?
それとも落ち込んだりしてたときもいつも何かしら活動されてたんでしょうか…」
20歳以上離れた後輩からのLine。
彼女に出会ったのは、やりたいことに気軽にチャレンジできる自分になってからだから、新鮮な質問で嬉しかった。
”何か悪いことが起きるかもしれない”不安・恐怖心が燃料で、動き続けていた
楽しいことは沢山あったが、心の中では常に緊張し、注意深い子ども時代だった。
19歳で父が急逝してから、”何か悪いことが起きる”は確信になった(した)。
ぼんやり一日中、空を眺めるだけで満たされる毎日を送ることが夢だった。
20代後半からは、何かに夢中になれない虚しさや、自己否定も強くなった。
心にモヤがかかっていた。
一生懸命そうな人たちが心から羨ましかったけど、そうなるチャンスをとっくに逃してしまったと思っていた。
諦めた記憶もなかったから、それほど苦しくはなかったように思う。
本当に苦しくなったのは、自分で切り開こう、と決めてから
結婚し、子供が生まれても、夫婦関係はどうにも上手くいかず、仕事だけが救いだった。
仕事は結果が分かりやすく出るから、唯一、一人で自由に開拓していける場所だった。
子どもの存在にはとても救われたからこそ、”救い”にしたくなかった。
仕事を頑張り、自分と子どものために生きるには、もっと元気になる必要があった。
どうしたら楽に生きていけるのか..不安が消えるのか..、色々探してみた。
でも、全然できなかった
苔だらけの石がゴロゴロしてる沼地を歩いているような気分だった。
何をやってもしんどかったけど、その沼地しかなかったら、歩いてた。
その間、お金も相当使っているし騙されたこともある。
母や姉妹にも迷惑をかけていたようで、度々非難された。
不安で夜中に吐いたことも、過呼吸になったことも、一人になると涙が止まらない数ヶ月もあったが、子どもをなんとか育てることと仕事だけはどうにか続けられた。
大きな仕事を失って身体が動かなくなった
突然、沼底に落ちた。
沼底で「私は私みたいに絶対に諦めずに励ましてくれる人が、今いて欲しい…」と頭に浮かんでびっくりした。
その時初めて、絶対に諦めない自分を認識した。
私は、絶対に、諦めない。
絶対に、希望を見続ける。
そこからは、以前より頑張れるようになった
弱い自分に未来を任せずに、諦めない自分を信頼できるようになっていった。
心のモヤは、弱い自分を守るために作ったマヤカシの煙だったのかもしれない。
もちろん今でもこのモヤは時折発生するが、数秒から数時間で追い払えるようになっている。
沼から浮上する時にしていたこと
子どもの頃に好きだったこと・ものをやってみた
好きなこと・ものが分からなくなっていたから、思い出して、やらせてあげた。
徐々に「好きだなぁコレ」の感覚が甦ってくるので、「こうしたいな..」が浮かだら、ちょっとやらせげあげる。
衣食住、五感、経験があること、日常的なところから初めて、仕事・人間関係など、複雑で変えにくいところに適応範囲を拡大させていき、少しずつ変わっていく自分を、ちゃんと見ていてあげる。
人間の変化って、日常的なものだと思う。
歩行も言葉も、毎日少しずつ。そしていつの間にか、出来るようになる。
ダメ出しの拒絶
ヨチヨチ歩きの赤ちゃんに、ちゃんと歩け!なんて通常は言わない。
もう一度頑張ろうとしている自分にも、絶対にダメ出しをしないこと。
最初はダメ出しに気づいてない。だから気づいたら「あ、気づいた、やめよ」でいい。
何度も繰り返していたら、繰り返すことが面倒になるから、ダメ出ししなくなる。
脳は面倒なことを嫌う性能があるそうだ。
以上、後輩からの質問への回答。
彼女は強く優しくて、とても素敵に受け取ってくれた。
私は彼女の質問によって、過去を振り返り、癒されて勇気づけられた。
ありがとう!
これからもがんばろうね!
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