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本能寺がへん 第一夜

天正九年 七月 
京都本能寺

眠っていた信長のもとに、一人の小姓が慌ててやって来た、

小姓「信長様ー!一大事にござりまする!謀叛にござりまする!明智光秀の謀叛にござりまする!」

信長「なにっ!!」

小姓「この寺を取り囲んでいる様子、その数およそ五千!」

信長「、、、是非に及ばず」


信長が慌てて中庭に出ると、
そこには、敷地内に侵入した光秀軍が待ち構えていた、

信長「光秀の家臣共か!わしに弓引くとはいい度胸じゃー!かかってまいれぇぇ!」

家臣「え、、?弓引く?」

信長「どうした!かかってまいれぇ!!」

家臣「いやいや、お中元です」

信長「!!!」

家臣「我ら一同、信長様にお中元を届けに参ったのです」

信長「、、、え、お中元?」

家臣「そうです、皆、持参しております!その数およそ五千」

信長「いや困るぅ!そんなにいらない、お中元!」

家臣「まぁ、そう言わずに!今年のバレンタインだって貰ってくれたじゃないですか」

信長「あっ!あん時の、チョコ持って来た奴らか、お前ら!」

家臣「ビンゴ!」

信長「ビンゴじゃないわ!もう来るなって言っただろ!本能寺はみんなで集まるパーティー会場じゃないんだぞ!」

家臣「チョコ食べてくれましたか?あれ手作りチョコだったんですよ?」

信長「あぁ怖かったよ、お前たちの愛の重さが」

家臣「今日も信長様に喜んでもらおうと思ってお中元持って来ました!」

信長「気持ちだけで充分だ、帰ってくれ、怖いから!もう本能寺に集まるの今日で最後にしてくれ!いいな」

家臣「えーーー」

信長「えーじゃない!今度来たら、もうお前たちのこと嫌いになっちゃうからな!」

家臣「えっ!それは、、困ります、、」

信長「だーったら、もうここには集まるんじゃない、とりあえず今日はせっかくだから持ってきてくれたやつは貰うから、ほら、前回みたく2列に並べ」

家臣「はーい」


  ざわざわ、ワクワク、


信長「んじゃ、まずお前のお中元から貰おうか」

家臣「は、はい!どうぞ!」

信長「ん?なんだこれは?」

家臣「鎧の右肩の部分です」

信長「右肩?」

家臣「是非使ってみて下さい」

信長「え、右肩だけ!?いや他のパーツは?」

家臣「えっ、、、」

信長「いや普通、一式でくれるだろ!右肩だけ貰ってどうするんだこれ」

家臣「、、、だ、だめですか、、?せっかく喜んでもらえると思って、、ぐすん、、」

信長「泣くなって!まぁいい、なんかインテリアとしてなら使えるかもしれんしな、ありがたく貰っておこう、よし、次の者!」

家臣「はっ!私のお中元は、これでございます!」

信長「どれ、おぬしは何を持って来てくれ、、、ん?これは何だ?」

家臣「鎧の右肩です」

信長「また右肩ぁー!!2人連続で右肩!ま、まさか次の奴、おぬしは何を、、、」

家臣「右肩です」

信長「右肩ぁーー!!バカなのかお前達!右肩ばっかりじゃないか!右肩の鎧を沢山つけて、これでワシの人生も右肩あがり♪って、やかましいわ!」

家臣「なるほど!」

信長「なるほどじゃないよ、笑うところ!まさかこれ、全員が右肩持ってきてる訳じゃないだろうな、、、次の奴、お前は何を、、、」

家臣「左肩です」

信長「よっしゃー!左肩ぁ!!キタァー!おらぁ!」

家臣「おめでとうございます」

信長「いいぞぉ〜、これで左右の肩は揃った!いい流れだ!次は兜が欲しいな〜、次、お前は何を持ってきた?」

家臣「右肩です」

信長「みぎぃーーっ!!」

家臣「大きめの右です」

信長「知らん!確かに比べてみれば少しだけ大きいけど、、大きくなくていいから兜だ、兜くれよ!」

家臣「信長様!!これは、ラッキーチャンスですよ!」

信長「え?」

家臣「大きめの右が出たらラッキーチャンスに突入なんです」

信長「なにっ!?なんじゃ?ラッキーチャンスって、、」

家臣「ダーツです!今からルーレットを回すんで、この矢を投げて下さい!矢が刺さった場所に書いてあった商品が貰えます」

信長「おおっ!それはすごい!」

家臣「では!ルーレット、スタート!!」

信長「よーし、、肩の力を抜いて、、」

家臣「パージェロ!パージェロ!パージェロ!」

信長「それっ!」

家臣「さぁー!何に刺さったんでしょうかー?これはーまさか、まさかのーー!」

信長「なんじゃー!?」

家臣「超豪華!鎧の右肩、一年分です」

信長「帰れお前らー!!」


おわり

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