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副審物語

今日もスタジアムは超満員
日本一のサッカークラブが決まる大事な一戦!
私もついつい肩に力が入ってしまう

いかんいかん、私は副審、第2の審判として冷静に試合を見ていなければ!
しかも今日は私にとってタダの試合ではない、、、今日が誕生日の彼女を客席に招待しているからだ

いいところを見せなければ、、、


私は試合開始直後からオフサイドフラッグを上げまくった
試合開始3分で5回、、、
少しやり過ぎたか、、

しかし前半から飛ばしていかなければ「歳の数だけオフサイドフラッグを上げる!」という彼女との約束は叶わない、
彼女の年齢は28歳、あと25回、いけるだろうか、、、前半だけでも15は、いっておきたい

私は、その後も罪を重ねた、
誰が見てもオフサイドじゃないものでも容赦なくオフサイド、なにがなんでもオフサイド!


スタジアムが、ざわつき始めた


でも彼女は微笑んでいる、、、よし!いいぞ!

心が痛まないといえば嘘になる、なぜなら今日オフサイドのターゲットにしているフォワードの近藤選手は私の大好きな選手だからだ
いつも一生懸命走り最後まで決して諦めない、休みの日でもトレーニングをかかさない努力家で、将来の夢は世界一のサッカー選手!

私は、そんな選手を容赦なくオフサイドにしている

さて、ここらでまた1回上げておくか、、それっ!


「ちょっとー!おかしいだろ!さっきから、どこ見てんだよ!」

さすがの近藤選手もキレたか、ここは無表情で乗り切ろう

「おい!聞いてんのかよ!どこがオフサイドなんだよ!」

「、、、、、」

「なんとか言えよ!オイ!」

「、、しょうがないだろ、今日は我慢しろ、、」

「なんだよ我慢て!オフサイドじゃないだろって!」

「今日だけはオフサイドだ、あと10回以上はいくからな!そのかわり今度の試合はサービスするから、オフサイドフラッグ1回もあげないから」

「はぁ?何言ってんだお前、、」

「今日は上げまくるから、そのつもりで!前半で回数稼いだから後半は少し減るから安心しろ」

「、、、、?」



後半も開始早々から、私はフラッグを上げまくった

それっ!

あ、それ!

もういっちょ!

ターンしてからの、フラッグ!

「てめー!いいかげんにしろ、なんだ今のターン!完全にふざけてるだろ!」


今のはキマった、、
これは彼女もきっと、うっとりしているに違いな、、、あれ?

怒ってる!!

しまった!回数オーバーか!フラッグを上げることに気をとられて回数を忘れていた!

、、彼女の誕生日を、、台無しにしてしまった、、、

しかたない、帰りに甘い物でも買って帰るか、、きっと機嫌をなおしてくれるだろう

はぁ、、
来年は29回か、、
てゆうか来年まで私は副審でいられるのか?


ぺぺろんろん! サポートして頂けたら、嬉し恥ずかし喜びぺぺろん! はやく立派なぺぺろんちーのになりたいです、よろしくお願いします