豪邸のプールをヒッチハイクする男
<ムービージュークボックス3>
1968年の映画「THE SWIMMER泳ぐ人」を、ジュークボックスから取り出した。
あとにも先にも、このようなユニークな映画を見たことがない。
ハリウッドの豪邸のプールをヒッチハイクして
自分の家に帰りたいと思った男がいた。
”プールの川を、静かに泳いで家に帰りたい”と思っても、
すべての邸宅の住人が歓迎してくれたわけではない。
男たちは、彼をののしり、女たちは、わめきちらした。
借金を踏み倒していたり、浮気相手を裏切ったり、彼がいかに自分勝手で危険な男だったかを観客は知る。
疲労こんぱいで、家にたどり着くが、「売家」になった自宅には入れない。
男が、玄関で倒れ込むシーンで終わる。
観客が安心してポップコーンを食べられる時間が、数秒もなかった。
ゴミが川を流れていくのを見ている感じだった。
映画は、酷評された。
しかし、dvd版が、2014年発売され、批評家の評価は逆転した。
公開当時は、理解をこばむ、理不尽な”カルト映画”というジャンルが存在しなかった。
いまは「”カルト映画”としては、それなりのレベルを保っている」との評価に変わった。
主演のバート・ランカスターは、「自分が出演した映画で、ベストだった」とコメントしていた。
時代がようやく彼に追いついたのか。
この映画にインスパイアされたリーバイスのCMがある
(水に濡れると縮んでスリムになるジーンズの特性を表現)。
明るく、カルト風には作られていないので、お口直しに:
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