中編ファンタジー 【ドードー鳥、見つけた】(4)
阿佐野桂子
溺れるドードー鳥
もし運良くオオウミガラスが通り掛からなかったら、ドードー鳥は永久に海の底で自分の愚かさ加減を反省する破目になっていただろう。魚が跳ねたのはオオウミガラスとステラーカイギュウがこの海域を通行中だったからだ。
「まさか海の中であんたに会うとはね」
とオオウミガラスが軽口を叩いたが、助け上げられたドードー鳥は砂浜に寝かされて虫の息で、軽口に返事をするどころではなかった。たっぷり海水を飲んだので怒ったフグのように脹れている。
「まず海水を吐かせて