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北京留学記

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北京留学記:中国語ができない

北京留学記:中国語ができない

最近またこのアカウント(@qoomingjs)でつぶやき出したんですけど、特につぶやくこともない…と思いつつ、何かないかな…と考えたところ、昔書いて外に応募してそのままになっていた文章を流してみようかな…という気持ちになったので、流して行こうと思います。文章自体は2012年に書いたものなので今とはスタイルもだいぶ違うし、見返すのもちょっと恥ずかしいのですが、パソコンのデータ整理で消えてしまうよりは

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北京留学記:有縁千里来相会

北京留学記:有縁千里来相会

必修授業である総合クラスの教科書でまず勉強した文章は「北平的四季」と題された、中国の作家・郁達夫の手によるエッセイだった。北平というのは中華民国時代に北京につけられていた名前で、中国語を勉強している留学生が読みやすいように編集されてはいたが、その文章は人々の生活の様子を交えながら当時の北京の四季を描いたものだった。その中で郁達夫は、冬に北平らしさとでもいうものが表れると書いている。北平の冬は骨まで

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北京留学記:北京家族旅行

北京留学記:北京家族旅行

これ、よく考えたら夫も読んでるんですよね。面と向かって感想言われたんですけど、照れちゃうので大変に困ります。

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新学期を一週間後に控えた八月下旬に、父と母、弟の家族三人が北京に遊びに来ることになった。家族にとっては初めての北京である。弟にとっては初めての海外旅行でもあった。

夏休みに北京に旅行に来る予定だということは五月ごろには聞いていた。ツアーを利用して観光するつもりなので決められた

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北京留学記:安徽省実習

北京留学記:安徽省実習

夏休み後の留学生活と、安徽省に出かけていった実習(と言う名の小旅行)の話です。(写真は杭州なので何の関係もないです)

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北京は九月になっても暑さが引かず、厳しい日差しが絶えることはなかった。雨もなかなか降らず、乾燥した日が続いていた。夜になると暑さの中にも少しずつ涼しさを感じるようになり、秋になったと思えなくはなかった。だが、東京では、九月に台風がやってきたり、秋の長雨が降ったりすること

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北京留学記:一个都不能少

北京留学記:一个都不能少

今回は以前つぶやいた不動産の話です。留学生活の終わりまで。

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アパートを借りようと思い始めたのは四月の終わりごろからである。それから実際に借りるまでに四ヶ月ほどかかった。わたしは八月の中ごろに寮を出て、アパートの部屋を借りた。

寮は一日に一回寮の人が掃除しにきてくれるなど非常に居心地がよく快適であったが、あまりに楽をしすぎてはよくないのではないかとも感じた。一人部屋であったため、下手を

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北京留学記:難忘北京

二〇〇八年八月八日、北京オリンピックの開幕式をわたしはテレビで見ていた。つい半年前まで暮らしていた場所は、念願のオリンピック開催に活気付いていることだろう。あるいは、外国人に見せてしまうと現代化した町の面子が失われてしまうような部分がきれいさっぱり覆い隠されてしまい、無機質な町に変わってしまっているのかもしれない。

わたしは、ほんとうにあの場所にいたのだろうか。気づいたら、あの時間は夢か幻だった

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