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「問いのデータベース化」の可能性

こんにちは。
問いをカタチにするインタビューメディア「カンバセーションズ」の原田です。
すでに3ヶ月ほど経過してしまってからのご報告となりますが、去る5月16日にカンバセーションズ第3期インタビュアーによる成果報告会を、東京・下北沢のcafe & shisha "chotto"で開催しました。

詳細については、上記レポート記事をご覧いただければと思いますが、今回は初のクラウドファンディングや担当編集・ライター制、コロナ禍によるオンライン取材など、カンバセーションズとしても初めての取り組みが多く、メディア運営側としても学びが多いプロジェクトになりました。

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先日開催された第3期インタビュアー3組による成果報告会より。

第3期メンバーたちの取り組みは現在も継続中で、カンバセーションズとしても引き続き経過を追っていく予定なのですが、並行して今後のメディア運営についても考えを巡らせている最中です。

カンバーションズはどこに向かう?

以前のnoteの投稿でも触れましたが、2012年に「インタビュアーにスポットを当てるインタビューサイト」としてスタートしたカンバセーションズでは、個人が「問い」を立てることの重要性を、メディアのメッセージとして発信してきました。
そして、「問いをカタチにするインタビューメディア」としてリニューアルした2018年からは、個人の「問い」を深め、文字通りカタチにすることを掲げてきました。
そして、第3期メンバーとのプロジェクトでは、「これからのものづくり」という「共通のテーマ」を初めて設け、さらにクラウドファンディングにもチャレンジすることで、個人の「問い」を共有・議論していくということをテーマに掲げてきました。
メディアとして「問い」というものと向き合い続けてきたカンバセーションズでは、問いを「立てる」→「深める」→「共有する」というステップを踏みながら、少しずつ歩みを進めてきたわけです。

では、大幅リニューアルからすでに4年目を迎えているカンバセーションズは、この先「問い」とどのように向き合っていくといいのか。
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メディア開始以来最大の危機!?

実は、いまカンバセーションズはメディア開始以来、最も迷っているタイミングです。
リニューアル以降、個人の「問い」をカタチにするプロセスに伴走することで、社会にとって大切な価値を提供しようとするインタビュアーたちのお手伝いをしてきましたが、個人規模のメディアがゆえに、問いをカタチにしていくためのサポートにはどうしても限界がありますし、そのスケールやスピードが微弱であることは否めません。
インタビュアーたちの「問い」にはそれぞれ独自性があり、時代を反映したものであることは間違いないのですが、これらをカタチにしていくメディアとしては規模、速度、影響力のどれをとっても非力すぎるのです。

インタビュアーたちの問いをカタチにするにあたっては、人材、資金、技術、ネットワークなどさまざまなものが必要になります。
これらを一個人の編集者・ライターが運営するメディアでサポートしていこうとしてもできることは限られてしまいます。
今回の企画では、各インタビュアーに伴走する担当編集・ライターの方々に記事制作などをサポートいただきましたが、それでも同期インタビュアーの人数は3組が上限というのが現状です。

第3期メンバーのプロジェクトでは、各インタビュアーに伴奏する担当編集・ライターの方々にご協力いただきました(2021年のクラウドファンディング資料より)。

この牛歩のようなペースだと、自分が思い描くメディアのあり方は一体いつになったらカタチになるのか。。
はっきり言ってやれることの限界を感じてしまっているのですが、とはいえ、問いをカタチにするというメディアの役割は必ずあるという確信めいたものがあることも事実。
それなら、より多くの独自性ある「問い」をカタチにしていくための環境をつくるしかありません。インタビュアーたちの「問い」がカタチになるプロセスに、カンバセーションズ以外の多様な他者が介入することで、色々な可能性が広がるのではないか。そんなことを考えています。

↓インタビュアーたちの掲げた「問い」から生まれたプロジェクトの一例


「問い」のデータベースをつくったら?

いま漠然と構想しているのは、インタビュアーたちのユニークかつ社会的価値のある「問い」が集積したデータベースのようなものをつくるということです。
さまざまな領域で活動する多様な人たちが抱く「問い」が一覧できる場があり、そこで「問い」の“オーナー”と、その「問い」をカタチにするためにさまざまな観点から支援してくれる“サポーター”がマッチングされるプラットフォームのようなものがつくれないかと。

「問い」のオーナーとサポーターの適切なマッチングがなされ、「問い」がカタチになるプロセスに多種多様な人たちが関わり、最終的にその価値が社会に提供される。
そのプロセスは多くの人たちにとっての学びにもなるかもしれませんし、さまざまな領域で活動する人たちの現在進行系の「問い」が集積する情報空間は、時代を切り取るメディアとしての役割も果たせるはずです。
リニューアル時から掲げてきた「共創のプラットフォーム」をこのような形で実現できないかと漠然と考えています。

「問いのデータベース化」の着想のひとつになったのは、カンバセーションズがコロナ禍に行った緊急企画でした。

↓コロナの時代、あなたの「問い」は何ですか?

この時はChatCastというサービスを用いてチャット形式のインタビューを行い、カンバセーションズのインタビュアーそれぞれのコロナ禍における「問い」を収集しました。
(いま改めて読み返してみても、そのライブ感込みでなかなか面白い企画だったなと)

このような形式を取るかどうかは別として、まずはさまざまな領域で時代を牽引する人たちの「問い」を何かしらの方法で収集・データベース化してみる。
そこから色々な広がりやつながりを生むことができないか、なんてことを考えています。

「問い」のデータベースから広がるもの

問いのデータベースがあることで、さまざまな領域に接続していけそうな予感がしています。
例えば、クリエイターが掲げる「問い」に企業が乗っかり、新しいプロジェクトが始まったり、社会起業家の「問い」に投資が集まったり、アーティストの「問い」に作品発表の場が用意されたりetc…。
妄想は色々と膨らみます。

問いのデータベース化にあたっての課題となりそうなのは、この辺りかなと考えています。

  1. 問いの収集方法
    インタビューメディアとして、「問い」の収集においてもインタビューというコミュニケーション手段を用いたいところはありますが、「問い」の収集にコストがかかりすぎても本末転倒です。先述のチャットインタビューはクイックに「問い」が収集できて良いのですが、初対面の相手とは難しいかも!?

  2. データベースの活用&活性化
    データベースをどのように活用していくのか、どうすればより多くの人たちに活用されるものになるのか。より多くの「問い」をカタチにしていくためのプラットフォームをデザインする必要があります。

  3. 記事化の作業量問題
    カンバセーションズとしては、問いのマッチングだけではなく、これまで同様に「問いがカタチになる」プロセスを追いかけていきたいと考えています。が、そうすると依然として記事制作の負担が重くのしかかってくるわけで、ここもなかなか悩ましいところです。

と、色々と整理されていないことも多いのですが、カンバセーションズのネクストステップに向け、徐々に動き始めていくつもりです。
これまでお世話になった方々をはじめ、いろいろな方にご相談できたらと思っています。
また、「問いのデータベース化」構想にご興味を持たれた方がいましたら、ぜひコンタクトして下さい。
そして、僕の周りにいる方々、ぜひあなたの「問い」を教えて下さい!!(直接聞きに伺うかもしれません)

次にnoteに投稿する時は、きっと何かしらの進捗があるはずなので、気長にお待ちいただけると嬉しいです。
引き続きカンバセーションズをよろしくお願いします!


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