歯科医院のブランド化④

ブランドを作るにあたって何かしらの物語(ストーリー)が必要になります。

前回までにも理由は説明しましたが、今回はより具体的に歯科医院においてのブランド・ストーリーの必要性について触れたいと思います。

※今回は前回が異常に長い文章だったので短く終わりたいと思います(^^♪

でも多分書いてると熱くなって長くなるんだろうと思いますけどね(笑)

ではまずストーリーですが、これは何故かドクターに軽視されがちです。。。

ドクターの深層心理のなかでは恐らくですが、細かく設定することに「拒否反応に近いもの」があるのかもしれません。

ドクターからすると「地域医療に専念する事が使命なのに、そこに何故「物語」が必要なのか意味が解らない!!」といった考えがあるのだと思います。

だから「理解できない」というより「想像すらされない」ってところだと思います。

そして考えないままに完成したのが「物語の無い歯科医院」。

もちろん、それが悪いとは言いません。

立地が良く、絶え間なく患者さんが来ているのであれば良いでしょう。しばらく繁栄は続くと思います。しかし、当然ですが歯科医院を選ぶのは患者サイドです。

患者側が「あ、こっちの医院の方が良いかも!」と思った瞬間にどれだけ立地が良くても患者は来ません。※立地が良い≠絶対流行る これはコロナの影響もあり、顕著に表れてきましたね。立地戦略の崩壊です※

「こっちの方が良いかも」と患者さんが思うのは何故か?また患者さんは「何を基準に歯科医院を選定しているのか?」これを調べると下記に集約されました。

下記は一般人が歯科医院を選ぶ際によく聞くフレーズです。皆さんも一度は耳にしたことがあると思います。

①痛くない
②近い
③先生が優しい
④待たない
⑤綺麗
⑥オシャレ
⑦希望の治療がある
⑧値段が安い・・・

こんな事が良く聞かれますよね?だから歯科医院も最近はオシャレにしたり、痛みが無い麻酔を推したりする。また先生も優しさをアピールする笑顔の写真をホームページに掲載する(最近は皆笑顔ですよね)

最近では予約システムも最新の物などは中断後のフォローなども自動でSMSなどのメールで行ったりします(患者側からしたメールなんて見ないと思いますけどね、迷惑メールボックスに自動でポイっです)

④の待たさないってのは絶対条件的に扱われてますね、特に日本人は待つ事が嫌いとされてます。と、いうより「待たす事」が文化としてNGなんでしょうね(だから歯科医院も必死です。チェアタイムを短くする!もはやF1のピット作業です)

後、医院の内装は本当に綺麗に作られてます。

あれはお金掛かってますよ~、とてつもなく支払ってますよ~。(; ・`д・´)

そして診療科目はホワイトニングに審美歯科!ここまで揃えて更にマッサージとか筋肉系の注射とか・・・美容整形ですか??って位に多岐にわたります。

上記のにある、患者さんが歯科医院を選ぶ理由として8個全部開業時に対応したとします。これで完璧!と思った矢先!

まったく同じ装備と設備を用意した歯科医院が目と鼻の先に出来ました。。あなたはどうしますか??あなたが用意した「設備」はお金で買える物です。お金で買える物はだれでも手に入ります。

そうなるとその2つの歯科医院がある患者さんからすると、名前が違うだけで歯科医院は歯科医院で同じ。もちろん「見た目も似ていてオシャレ」ってなると患者さんは悩みます。どちらにしようかな・・。

この「どちらにしようかな」を制するのが患者側の医院選定のkeyになります。

歯科医院側は選定のkey、すなわち「選ばれる理由」を作らないといけません。

それが「どちらにしようかな」を制する事になります。

選ばれる理由の重要な要素に、歯科医院が「なぜそれをやるのか?」って事を発信するのが最も重要になります。

たとえば歯科医院が治療とか施術を行う理由を発信せずに

儲かるから・かっこいいから・流行りだから・周りもやってるから。こんな理由のだけの医院が結構おおいです。それでやった場合、その後どうなるのか?飽和するんです。。。

理由が「儲かってカッコいい!」・・・そらみんなやり始めますね。だって儲かるなら皆やりたいですよね?メーカーや材料や、内装屋さんも提案をバンバンしてきます。と、いうことはその施術が流行ってきますよね?そして下記の様な誘い文句が来ます。

①「先生、いまはこれが流行りなんです導入しましょう!」
②「先生!ここに建てましょう、ここなら患者さんがバンバン通るんです」
③「先生!他の医院もこれは入れてます、やらないと流行らないですよ」
④「先生、せっかく新しく出すのに、これを導入しないなんてもったいない」

こんな言葉が飛び交って歯科医はどんどん設備を購入や導入します。

「本当に使うの?それ??」とか

「え?ここにそれやる患者さん何人来ると思うの??」とか思う機材が多々あります。

他人に言われるがまま、流行りだからとか外部環境の決定事項に流されていて「ドクター自身のこだわりが無い状態の歯科医院」言い換えると物語の無い歯科医院の純度が上がってきます。なんでもありってやつです。

そしたらさっきの8個書いた「患者さんの希望している事」は確かに網羅するんです、でも歯科業界の場合は同じような医院が多いので患者さんが選ぶ理由が無い飽和状態にもなります。

みんな同じに見えます。そんな事は無い!そう思ったドクターや院長もいると思います。しかし、殆どの医院は自分中心の考えで自己満足で終わっている医院が多く、成功してません。患者側の視線や考えを導入していないのです。

患者側は常に「自分の事」を考えます。当然ですよね?歯科医院の事を考えたりしません。患者が考えているのは痛みや不満を治す事。痛みや不満を改善する場所なんです。患者さんは特にめちゃくちゃ綺麗な歯科医院を探しているわけではありません。不満を改善できるところ探しているのです。

そして更にそこから不満の幅が広がるんです。治療は当然、でも自分が満足する事を求めています。それは付加価値です。

例えば綺麗汚いで例えて言うと、ラーメン屋です。汚いラーメン屋でも流行っているのは単純に美味しいからだけではありません。綺麗で大型のチェーン店のラーメン屋で味が良くても客が来ないとこが多い。なぜでしょうか?それはラーメンって味が良くて、早く食べ終われば良いと思っていた時代が終わったんです。

もし味が良いだけならラーメンなんてインスタントでいいわけなんですよ、パッ買えて自宅でさっと済ませる。これで良いはずなんですか、でも実際には極小店などが「こだわりの味」「開発秘話」があって、発信しています。小さい隠れ家的な店になるとそれを徹底しています。そしてそれに惹かれて遠方でも常連となる人が多いんですよね。

なぜラーメン屋はそこまでやるのか?それはラーメン屋は差別化を意識して自己研究しているところが多いからです。ラーメン屋も数が多いですからね・・。

歯科医院に話を戻します。

数で言えば歯科医院と「同じくらいに多いラーメン屋」がやっていて、歯科医院がやっていない事。

それは・・↓

自医院の開業に対しての「セルフ・マーケティングリサーチ」です。

要は自己研究が弱すぎるんです。。

特にドクターに多いタイプの「良くわからないけど業者に頼む」
とかの人は超注意ですね。

※どこかのタイミングで「悪徳!歯科医院に近づく業者シリーズ」などやってみたいですね(笑)

読まれている方の中には

「なるほど、言われるがまま・・・そんな気もしますね。しかしながら筆者が掲げている物語とセルフ・マーケティングリサーチがどのようにリンクするのですか?」

と思われるかもしれません。はい、ここからがそこらの話です。

セルフ・マーケティングリサーチをするにはどうしたら良いのか?簡単なんですよ「考えたらよい」んです。

「何を考えるのか?」それは

①なぜここでやるのか?
②こだわりの治療は?その理由は?
③医院の特色は?その理由は?特色にした理由は?
④院長は何で歯科医なの?理由は?いつから考えたの?
⑤院長自身の任務は?地域貢献って?
⑥院長の歯科医としてありかたは?その理由は?
⑦院長はどのようになりたいのか?その理由は?

そして最後に自分は将来、どのようになっていたいのか?鮮明にイメージする。

これが「最低限」必要なんです。そしてそれが自分の行動指針になります。それが良く言われる「key behavior」です。※重要な行動・振る舞いです※

例えばですよ、上記の7個を下記の様になったとします。

①内装屋が流行るって言うてたから。
②自費!矯正とインプラント!理由は利益率が高いから。
③デザイナー入れて最新の設備に拘りました。理由は周りの医院にない物だからです。
④親が歯科医だからかな、でも本当は医者になりたかったけど受かったのが歯学部なんです。
⑤なるべく早くリタイアして不労所得で稼ぎたいですね。
⑥とにかく自費を進めるか、保険治療はパパっとやりたいですね。往診とか行かせたいかな。
⑦年収で2000万以上は欲しいかなぁ、その為にチェア増設もしたいですね。基本は衛生士に任せて予防歯科って感じで・・・(笑)( ´艸`)

上記みたいな回答になったとします、患者さんはそこの医院に行くと思いますか?絶対行かないでしょ(笑)

エゴの塊みたな感じでしょ?

結構多いんです、こんな人。

でも悪いとは言いません、この欲望を出すことは特に悪いのではないんです。

※次の章で書きますが、院長の考え(プリ・コンセプト)がスタッフにも響いてきます。というより求人の時点で影響してきます。なぜならエゴの塊みたいな考えや医院のスタイルだと、それに合わせたかのように同じ考えのスタッフが集まるからです。自分の事しか考えないスタッフが集まると団結力が無く医院運営は厳しいものになります。

エゴを出すのは悪くは無いのですが、それだけでは院長自身がつぶれてしまいます(笑)潰れるって事は「特に歯科医でなくても良いかな」ってなってくるんですよ。だって収益があれば良いだけですからね(笑)

ではどうすれば良いのか?原因は下記になります。

何が悪いのか?→院長のコンセプトが悪い(貴方の医院ですから)
原因は?→「考えが浅い」から深く考えるようにする。
(バックキャスト法+フォーキャスト法を使う)
どうすれば良いのか?→すべてに理由を考える(治療もそうですよね?
バックキャスト→希望の姿から逆算してイメージする。
フォーキャスト→希望の姿になるようにイメージしていく。

ここから更に深堀することで院長独自のストーリーが生まれてくるんですよ。これが差別化なんです。

例えばですが「①なぜここでやるのか?」ですが、内装屋さんからの情報で良い物件が出たから「流行ると思いますよ」と言われたわけです。ここで要注意なのは「流行る」の定義です。

人が多いから「流行る」と言うなら「東京」でやることは絶対流行る事になります。なぜなら日本一人口が多い場所だからです。

「そんな適当では無いですよ!」って内装屋さんに六角棒で殴られそうですのでもう少し絞ります。

「先生、大阪の某場所なんですけど良い物件が出たんです。駅近くで人口も多くて周りに競合の歯医者も大した事ない古いタイプしかないんです。物件だけでも下見しませんか?」って言われたとします。

大抵の人は「是非見たいですね」って言うと思います。但し、重要なのは

その場所に自分の考えがマッチするか?コンセプト方針が合うエリアなのか?を考えてないといけません。ここからはリサーチになりますね。

ちなみにリサーチですがどこまでやってますか?

考えてみてください、自分が「小児歯科をやりたい」のに過疎化のエリアでやりますか?女性向けにやりたいのに女性が少ない場所でやりますか?地域調査は行いましたが競合歯科医院との比較は行ってますか?そのエリアに切り込むわけですから、相当調べて当然では無いですか?

そこまでやらないといけないのですか??って言われるんですが、私からするとその回答が不思議なんですよ・・。

だって自分のやりたい仕事を生涯の仕事に選んで、知識を習得したんですよね?さらにその中でも自分の得意な事をやりたいと思ったんでしょ?だから莫大な経費をかけて銀行借入もして医院を建てた。

それが蓋を開けてみたら「場所は人が多ければ何処でも良くて、機材も何でもかんでも詰め込みフル装備」にした医院で何の特色もないものが完成した。それってつまらないですよね?

※リサーチまで書くと長くなるのでまた次回にします(^^♪※

話を戻しますね。

自身がなぜ歯科医をやろうと思ったのか?なぜこのエリアでやろうと思ったのか?どのような治療を考えているのか?などをしっかりと考えて発信する。これが医院のブランドになるんです。そしてそのきっかけとなった事象も発信する。それがストーリーになります。このストーリーが無いと患者さんからすると「なぜこの人ここで歯科医やってるんだろう?」「どんな人なんだろう?」など色々な憶測を呼びます。70人に調査した結果その様な事が気になる人は51名でした。結構な数でしょ?約割7割です。

7割の日本人はそのように情緒的な事に関心があるのです。だからストーリーは医院ブランドを創作する際には必ず必要になります。

ブランドストーリーは患者さんからの医院選択基準に加えてもらう最大の武器になるのです。

やはり長くなったのでブランドに関してはもう少し回数を分けて書きたいと思います(笑)( ;∀;)


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