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君が夜中に起きていたって、誰も叱る権利なんかないわけよ、実はさ

巷じゃ朝活が流行っているらしい。
早起きするのがトレンドらしい。
「できる人間」は「朝型」らしい。
つーことで、傷を舐めあいましょうや、夜型諸君。


物心ついた時からわたしは夜型だった。
ゆえに、常に眠気と戦う人生だった。

幼女のころから友達を作るのがどへたくそで、
まわりから軽く浮いていた私を哀れんだ母は、割かし早いころから中学受験をさせようと思っていたらしく、
わたしは10歳の秋に学習塾へ放り込まれたんだけど。

思えばそのころから、夕方になるときょおおおおれつな眠気が襲ってくるようになったんだよね。
太ももをつねっても手にシャーペンの芯を刺しても廊下に出て冷水器の水を眼球にぶち当てようとも
消え去ることのない超上級睡魔が私に常時にまとわりついてて。
真っ白なノートが蛍光灯に反射してくらくらすんの。黒板の字がぐにゃぐにゃ歪むの。シャーペンもうまく握れなくなんの。

あたしが何をしたってんだよッ💢

──────え? 勉強が退屈だから眠いんだって?
そりゃまあ授業は退屈だけどさ。
社会人になって大事な商談中に意識が飛びかけたり(よくクビにならなかった)、高速道路の運転中に眠すぎて幻覚見たりする(生きてるのが最早奇跡)ってなると、
これはもう、もうね、そういうリズムに体ができちゃってるんだと思う。

のわりに、さて夜ベッドにもぐりこんで寝ましょうねって電気を消すと、
さっきまで執拗にまとわりついてた病的な眠気はが嘘みたいに消え去って、
代わりに頭が高速回転し始めるんさ。
さてさてこれからが本番ですよとばっかりに、
脳みそ本領発揮でフル回転よ。「やっほー!いやーよく寝た。さわやかな夜だね!!」てな具合にさ。

そんなんされたら眠れるわけがない訳よ。
仕方ないから起きだしてこっそり豆電球をつけて、
乏しい明かりで本なんか読んだりして、眠気が来るのを心待ちにするんだけど、
もうね、来ないもんは来ない。待ち人来ず。眠れず。

それでもって哀しいかな、このにっぽんソサエティに生きとし生ける人間はほぼ、
朝強制的に起き昼活動し、夜になったらぐっすり眠ることがもう義務付けられてるの。
どれだけ夜に脳みそが頑張ってへとへとになってても、
日が昇ったら休むことは許されない。起きろ。働け。居眠りするな!

あああああ!!!!!!もう!!!!!くそ!!!!!!!ねむい!!!!!!!!!

夏休みとか、長期休暇に、いっぺん自分の身体のいうとおりに生活リズムを構築してみたのね。
そしたら、どうも私はこういうリズムで生きてるらしかったのさ。

就寝 2:00
起床 9:00
昼寝 15:00
夕寝 20:00
就寝 2:00

わろた、寝すぎかよ。

でもこれで、あの全身に冷や汗かいて、歯あ食いしばって「キイイイイイ!!!」みたいな奇声を上げて、
両手使ってセルフ往復ビンタしても耐え難かった日中の眠気が、
やってこなくなった。消えた。解放された!!!ベストコンディション!!!

それこそ、10歳の女児のころからこの「眠い、けど寝てはいけない」の
超過酷な己との闘いを続けてきたせいで、学校は嫌いだし仕事はストレスだし人と会うのも負担だったのね。
だっていつ寝落ちるかわかんないんだもん。

だけど、今ね、この生活リズムでも成り立つ仕事をしてるんよ。
在宅でぎりぎりまで眠れるし、仕事の配分は自分次第でどうとでもコントロールできる。

寝たいときに、おおむね寝れる。

これってすごくてさ。

「生理的不快」なのよ。言っちゃえば。眠れないことって動物として強烈にストレスなの。
逆に寝たいときに寝られるの、めちゃめちゃ快適。
つまり、私がなんかもう生きづらいな、社会不適合者だな、ダメ人間だな、って漠然と思ってたのって、
ほとんどここに原因があったのよって。わかったわけ。

つまり私の動物的生活リズムに、
社会が合致してなかったのが原因ってことなのね。

だからさあ。朝活もいいんだけど。優秀なのもいいんだけど。
無理しなくてよくね?って思うのよね。
朝ごはんパン派でもごはん派でもどっちでもいいじゃん? そこに優劣とかないじゃん? 朝型でも夜型でもいいじゃん、って。

やー、わかりますよ? 脳科学的にはクリエイティブな活動は朝がいいとか、
一日のエネルギーの配分がなんだとか、理屈はね。わかってますよ。きっと正しいですよ。
だとしてもいいじゃないですか。夜に生きてる人間がいても。
この文章書いてる今も、日付を回って30分よ。クリエイティブ活動、夜中にやってやってるわよ。

だから、これを読んでるどっかの夜型人間ちゃんが、
「夜型のままで」輝ける活路を見出してくれたらいいなって、
あたしは思うわけですよ。
大人になって、仕事を選んだり、自分の生き方を模索するときにね、
あなたらしい生活リズムでね、
すなわち「寝たい時間に寝られる」人生を、
選ぶっていう方法もあるわけなのよ。

するとたぶん、幾分人生は楽になるし、
自分のことも好きになれる気がすんだよね。

なんてね。
無理やり説教臭いオチなどつけてみたりしたけどさ(笑)

うん。うーん。

うん。
夜に紡いだ文章も悪くないんじゃない? そうでもないかね。

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