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ヒポクラテスの卵とQOL

今日、本屋に行ったらヒポクラテスの卵というマンガが目に止まった。

最近学んだQOLの話題と絡めて書いてみたいと思う。


ヒポクラテスの卵


生まれつき心臓に持病を抱える小宮あかり。自分の生まれた意味を考えるため、東成大学の医学部に入学する。

という始まりだ。

作中で、幼かったあかりに対してあかりの父がつぶやいた一言がとても印象に残った。


いつ止まるかわからない心臓に怯えながら毎日を過ごすなんて。そんな人生に何の意味がある。俺にはあかりが不幸になる未来しか見えん
(あかりの父)

この気持ちは痛いほどよくわかる。

あかりとは違えど、高校生の頃からいつどうなるかわからない環境に
生きてきたからだ。

ただ、わたしとは対照的にあかりはその不安に負けず健気に生きているわけで、わたしもそうありたいと思ったり。
※試し読みしただけなので、これから全部読んでみますっ。

ここで苦しみと向き合いQOLを高めるQOL研として

苦しみについて少し考えてみたいと思う。

苦しみの種類

苦しみは大別すると8つある。
いわゆる、四苦八苦というやつだ。
小学生でも学ぶ四字熟語。

四苦に4つ加えて八苦になるという意味らしく
4+8=12ではないらしい。

その8つが何なのか、大人でも知る機会は少ないかもしれない。
かく言うわたしも、東洋の哲学に出会わなければ関心を示すこともなかったわけだが( ´∀` )

8つの苦しみとは


・生苦(しょうく)   ・愛別離苦(あいべつりく)
・老苦(ろうく)    ・怨憎会苦(おんぞうえく)
・病苦(びょうく)   ・求不得苦(ぐふとっく)
・死苦(しく)     ・五蘊盛苦(ごうんじょうく)


ちなみに

4×9(四苦)=36  +  8×9(八苦)=72
=108(煩悩の数)

になるというのは単なる語呂合わせなのか、それとも深い意図があるのかはよくわからない( ´∀` )

苦しみの深さ


次に苦しみを深さでわけると3つある。

・苦苦(くく):現在苦しいと感ずる苦
・壊苦(えく):楽しかったものがくずれる苦
・行苦(ぎょうく):今は幸せでも、それが続かないことが分かっている苦・・・最も深い苦しみと言われる。


「いつ止まるかわからない心臓に怯えながら毎日を過ごすなんて。そんな人生に何の意味がある。俺にはあかりが不幸になる未来しか見えん」

あかりのお父さんの一言は行苦がぴったり合う言葉かもしれない。

行苦は深い苦しみというだけあってかなり厄介。

太宰治の「トカトントン」という小説にも似たような描写がある。

主人公が何かで盛り上がってくると、
頭の中で「トカトントン」という音がして、
すべてがしらけてむなしくなってしまうというもの。
政治運動に参加しても、トカトントン
誰かと恋に落ちても、トカトントン・・・


わたしに当てはめると
トカトントンと常に聞こえるので
なにかに熱中して忘れないと落ち着かなくなり、暇がつらい
ある人は、どうせ何をやっても無駄なんだ・・・と何もやる気が起きなくなり
またある人は、どんなに恵まれていても心から幸せを喜べない。

行苦とは、自覚するしないに関わらず
ほとんどの人が持っていて幸せに影を落としているものらしい。

例えるなら、いつ割れるかわからない薄氷を踏むような心境か。

いわゆるQOLの分野ではスピリチュアルペインと言われる苦しみなのだと思う。

そして、それは根源的な苦しみ。

人間とはよくも悪くも慣れるもの。

臭いところにずっといると臭いかどうかもわからずそれが普通の場所と錯覚してしまうとも聞いた。

そして、本当は臭さが原因で具合が悪くなっていることに気づかず表面上のことに囚われてしまう。バイアスがかかる。

病因によって処方薬は変えなければならないというのは常識だ。

中々自覚できない深い苦しみがあることと自分は何に苦しんでいるのか

本心をよく見つめていきたい。

原因を知ることがQOLを高める第一歩だから。

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