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いま、QOがリブランディングする理由~「やさしい好奇心」で価値を紡ぐマーケティング企業へ~

なぜいま、リブランディングするのか

こんにちは。QO株式会社代表取締役社長の恒藤です。2024年7月1日よりH.M.マーケティングリサーチは、QO(キューオー)へと社名を変更し、企業理念を再定義しました。

この記事ではプレスリリースではお伝えしきれなかった新しい社名や理念に込めた思い、本格展開する「マーケティングプランニング事業」についてご紹介します。

そもそも、なぜ今リブランディングをするのか。大きく2つの理由があります。

今からさかのぼること1年。博報堂とマクロミルのジョイントベンチャーとして生まれたH.M.マーケティングリサーチは、設立から5年が経過しようとしていました。おかげさまで、当初の主目的であった総合リサーチ会社としては一定の役割を果たすことができていた一方、両親会社のシナジーを生み事業展開を加速させるためには、リサーチにとどまらない事業領域の拡大が必要でした。(それが、大手総合広告会社が得意とする領域の一つ、マーケティングプランニングでした。)

加えて、H.M.マーケティングリサーチの前身となった東京サーベイ・リサーチの設立からは60年近くが経過していました。「総合力と専門性の高いマーケティングリサーチ」という事業の核は変わらないものの、M&Aの過程で組織には様々なバックグラウンドを持つメンバーが集まっており、改めて「私たちらしさとは何か?」を言葉にする必要がありました。

そこで、経営陣や社内メンバー、そして外部パートナーの視点や知見もいただきながら、1年ほどかけてまとめたのが、今回発表した社名、企業理念(Vision、Mission)です。
以降、それぞれについてもう少し詳しく説明します。

QOのMission、Vision



企業理念と向き合う中で再発見できたこと

リブランディングの取り組みを始めた頃、私たちの大先輩に、東京サーベイリサーチの創業当時について、お話を伺う機会がありました。その際、私たちが再認識したのは「リサーチの技術に誇りをもち、顧客や社会のためにマーケティングの発展に貢献する」という熱い想いが、今も昔も共通していたことです。

1965年当時の日本にはマーケティングの概念が十分浸透しておらず、リサーチの技術も一般的ではありませんでした。創業メンバーは、クライアント企業と一緒に、アメリカを中心とした海外のリサーチやマーケティング技術を学びながら、それらが企業活動に反映されるよう試行錯誤していたのです。高度経済成長期に入ると、企業活動によって人々の生活が豊かになり、社会が発展し、国としても成長していきました。
創業時代のメンバーは自分たちを「マーケティングアドバイザー」と呼んでいました。アドバイザーなんて言うと、なんだか大げさかもしれませんが、生活者や市場を深く理解し、顧客の役に立つことを志す自負のようなものがあったんだと思います。この想いを受け継ぐ形で、新しいMissionにも「マーケティングアドバイザー」という表現を入れ、その役割を全うしていきたいと考えました。

もう一つ、長年続く私たちらしさには、何かを新しく知ることにわくわくし、誰かや何かの役に立てることに喜びを見出す精神性のようなものがありました。そんな自分達らしさを「やさしい好奇心」と表現し、Missionを「やさしい好奇心で価値を紡ぐマーケティングアドバイザーへ。」とすることに決めました。


Vision、Missionに込めた想い

QOの由来

DNAであるやさしい好奇心は、誰か何かを思う好奇心です。その思いが向かう先は、生活者一人ひとりのよろこびや、支援先であるクライアント企業、価値をともに作るチーム、個の集合体である社会、一般論では解決しえない個別課題まで含まれています。

私たちは、リサーチという手段自体が、社会性を持つと自負しています。リサーチによって実態が明らかになることで、世の中や生活者のニーズを理解し、よりよくする機会を見つけたり、課題を明らかにしたりできる。一方で、正しく活用されなければミスリードにも繋がるし、手段としての限界も課題もあります。だからこそ「どんな価値観を持って、何を目指してリサーチするか」が大事だと信じています。

やさしい好奇心で価値を紡ぐ先に、目指すものはなにか。何のためにやさしい好奇心を発揮するのか。そこには「よろこびは循環する」という考えがあります。

ただの「好奇心」は自己完結しかねません。しかし、「やさしい好奇心」は、相手のために価値を届けるまでを志向します。それは「人のよろこび」につながります。そして、誰かからよろこびを貰った人は、次にまた誰かをよろこばせたくなる。「人が人をよろばせる」その素敵な瞬間をビジネスの世界でも実現させたい、マーケティングの力で誰かのよろこびをつくりたい。たったひとつの”Give”が、巡り巡って人々を幸せにし、社会を潤わせていくことを目指す。そういった思いを、Vision「よろこびが循環する未来。」に込めました。


会社の自己紹介

改めて、私たちQOは、リサーチとプランニングの技術をもとに、世の中のためになる問いを探求するマーケティング会社です。リサーチで世の中や生活者を理解し、プランニングで社会をよりよくする方針や計画づくりを担っていきます。

そのために「世の中の必要に応えるために私たちが持ち合わせる手段」をソリューションと位置づけ、これまでの取組みや、今後の注力領域を踏まえて以下3つに建付けました。

1.マーケティングマネジメント支援
生活者と企業の橋渡しを担うマーケティングマネジメント支援を本格展開します。生活者発想を起点に、マーケティング機会の発見、戦略策定、コンセプト開発、施策実行のPDCAまで一連のマーケティング活動に伴走してサポートするものです。

2.Social Issue Lab「SIL」
SILは、調査の力で社会の声なき声を拾い、社会課題を知るきっかけを届ける研究機関です。基幹研究やレポート等による調査結果の共有、リサーチプログラムの提供を行っています。23年10月に活動を始め、基幹研究では外部パートナーとともに「ジェンダーギャップ」や「震災支援」「防災・減災」などのテーマを扱ってきました。

3.未来のリサーチプロジェクト「みのり」
次世代にデータやリサーチの技術・知見を受け継ぐ活動です。公立高校における探求学習のサポートや、リサーチやデータアナリティクスの講座提供に加えて、リサーチ手法や技術の研究および発信を担っていきます。

「SIL」も「みのり」も、まだ規模は小さいものの立派なソリューションで、今後ますます力を入れていきます。

やさしい好奇心は、社会の都合の良い部分だけを見てはいけないと考えています。ビジネスにおける合理性だけでは後回しになりがちな要素にも光をあてていかなくてはいけません。分断が加速し、社会が抱える課題が難しくなる世の中において、本当に困っている声や、問題の実態をあきらかにするのも、リサーチの役割だと捉えています。

SILにおいては、社会課題に光を当て、知るきっかけを届けるために、リサーチでできることがまだたくさんあります。社会課題に意思を持って立ち上がり、様々な活動を手掛ける方々を支えるような、データによるエビデンス提示も間に合っていません。私たちが率先して取り組むべきテーマです。

「みのり」については、未来を担う若い学生のみなさんに、データやリサーチという「武器」を少しでも正しくつないでいきたいという思いで始めました。直近で、公立高校における探求学習の授業をサポートさせていただく機会がありました。学生の皆さんの、本当にまっすぐな学びの姿勢と柔軟な発想力、大胆な行動力に、私たち自身が心動かされました。
大人になると「リサーチは知っていて当然」「データリテラシーはあって当然」と扱われる風潮があるように感じています。一方で、高校や大学で学ぶ機会は少なかったのではないでしょうか。最近は充実した学校も増えていますが、全体としては多くありません。だからこそ、私たちのような事業者ができるソリューションを少しでも多くの学生に届けていきたいと思います。

最後に、マーケティングマネジメント支援について、ご紹介して締めくくりたいと思います。

昨今、マーケティングに関わるプロジェクトが複雑化し、あらゆる企業でマーケティング人材の不足が指摘されています。その中で、どうしても甘くなってしまう課題設定や戦略策定といったプロジェクトの上流から、小回りよく支援することが求められています。

こうしたニーズに対応するために、私たちはリサーチとマーケティング計画の策定を分断させず、一気通貫で提供します。特定のプロダクトを持たないからこそ、客観的な立場で本当にクライアントに必要な活動を考え、伴走することができます。

博報堂のマーケティングナレッジとマクロミルのデータアセット、私たちのリサーチ技術が合わさって、ようやく基盤が整い、本格化していくフェーズに入ることができました。

新しい社名と理念をもとにこれらのソリューションを発展させ、よきマーケティングアドバイザーとして社会に貢献してまいります。


*執筆者:恒藤 優(Masaru Tsunetoh)



*QOでは、ともに働く仲間を募集しています。