見出し画像

個人のブランディングってどうやるの?

Voicy「コテツのブランディングと商売の話」 コラム
 読めばブランディングができて、商売が上手くなる。

このコラムは、コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で
語った内容を文章化したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
Voicyもお聞きください。

【お知らせ】
2022年4月より、小哲津のブランディングと商売の勉強会のコテツゼミの
六期生がスタートします。コテツが直接講師となり、半年間でご自身やビジネスのリブランディングを学ぶ講座です。
10人限定となる予定です。
3月から募集開始。
こちらのnoteかVoicyで告知します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Voicy No.0013 2021年8月13日収録
個人のブランディングってどうやるの?




個人のブランディングってさ

これをお話しようと思ったきっかけは、前回の「リブランディングで大きく売れるビジスの実例」をお聞きいただいたジュンさんという方が、コメントをくださったからです。

『今回の事例はとてもわかりやすかったです。言われてみると売れている理由に気づけます。ただ、結果が出ている事例で教えられると簡単に感じてしまいますが、実際に個人のリブランディングをしようとすると、個人で材料を再構築するのは難しそうですね。どうしても自分のバイアスがかかってしまう気がするので、ほかの人から意見を聞くのが良いのでしょうか』。

ジュンさん、ありがとうございます。この方は素晴らしい感覚の持ち主ですね。リブランディングに関しては、2度ほどコテツラジオでしゃべっています。それを一度お聞き直しいただいた上でジュンさんのご質問の答えを聞いてもらえると、なおわかりやすいと思います。

リブランディングとは再解釈です。今ある材料をもう一度見直した上で、再解釈し再構築していく作業になります。

「でも個人の場合は自分でバイアスがかかりますよね」と。この人はめちゃ鋭い。これがわかっている限り、この方はいろんなことを取り組みながら自分で修正できる方だと思います。

ごめんなさい。すごくいい質問だったので、最初に感想を言っちゃいました。まず「自分でやったらズレますよね、バイアスがかかりますよね」に関しては、そのものズバリです。自分でやる個人のセルフプロデュースは、ほぼズレているので、他人の力を借りたほうがいいというのがお答えで結論。

前提のところから話を伝えて、最後もう一度ご質問いただいたジュンさんの内容に戻ってこようと思います。

まず個人のブランディングとはどういうことか。

「個人のブランディングをそもそも何のためにやるの?」というのを、ちゃんと置いたほうがいい。これもコテツのブランド論の大元ですが、個人のブランディングでは「そもそもブランドって何なの?」ということです。

ブランドというのは「あなたじゃなきゃダメ」という相対比較を超えたファンの方がいて、その方との信頼関係がある状態のこと。ただ知名度を上げたいとか、ただフォロワーを増やしたいとかはブランディングじゃない。

知名度を上げたい、フォロワーを増やしたい、自己承認欲求のためにやっているというなら、どうぞ勝手にやってください。それはブランドづくりの一部はあるけれども、全部ではないというところです。

人って歯が白くてきれいで笑顔が良くて、爪もきれいにして髪もきれいにしたほうがいい。それには自分も完全同意です。日々食べているものが良くて、その人が健康体だったとしても、その人の日々の行動が、近所にいる猫を蹴っ飛ばしているのに笑顔が素敵でもしょうがない。人間性に問題ありじゃないですか。

ブランディングは「そのもの自体」、人のブランドでは「あり方自体」から来るものです。ビジネスでは会社とかサービス、ブランドのブランディングも、あり方、スタイル、センスがブランドの大元になっています。

「何か一面だけ磨いたらブランドになりますよね」というところにズレがあるというか、それはもうブランドの話とは別の話です。SNSを頑張る話とか、自己承認を上げたいから寝る前にフォロワーが増えていたら嬉しい話としては聞けるけど、ブランドづくりじゃない。

個人のブランディングは「そもそも何のためにやるの?」ということが大事で、ビジネスをやる上において個人のブランドが確立されて、それが強い方がいいんじゃないかというのであれば、そこに向かってやることになる。

ビジネス関係なく自分というものであり方を発信して、ファンの方、熱狂的支援者の方がいた場合、何か活動的に成し遂げたいことがあるとか、自分の人生をもうちょっと生きやすくしたいとか、そういう周りの方との関わり合い方が自分の幸せの1つの形だとしたら、それをブランドとして認めてください。

その場合は、自分は家が大きいとか何か名誉を得たというよりは、周りの方との関係がとても良いということが自分にとっての幸せの尺度として重要なのです。

ですから、ブランドとしてあり方をきちっと伝え、メッセージ性を強め、コンセプトを整理すれば、個人のブランディングという意味合いとしてやることは整理できますが、まずブランド・ブランディングという言葉が曖昧です。

これに対する解決策はコテツのVoicyを聴いてください。

ブランド、ブランディングが曖昧なら、ブランディングを何のためにやっているのというところを、まず個人のブランディングではしっかり考えたほうがいい。

幸せになるためにとか、お金を稼ぐためにとか、何かを成し遂げるためにとかでもいいですけど、ブランドというのはファンとの信頼関係のことなので、自分のためだけに考えて動いたとしても、それはよくないよと。

俺がすごく嫌いな言葉というか、「それ、どこで使うの?」と思っている言葉があります。自己実現ってなんなんですか。自分だけが単独で何かを成し遂げるってことがあるんですか。自己実現というのは、その実現に応えて、例えばビジネスであればご購入いただくお客様がいらっしゃって、自分の何か成し遂げたいビジネスが成立しているのです。

なんで自己だけの実現になっちゃっているの? なんであなたの夢の実現に周りが協力すると思っているの?

結局、人と何かをやるから、自分の夢が変わっていくわけです。仕事を一緒にやる方との夢、一緒に歩んでいく方との共同の夢になっていくかどうかが大事です。

ブランドはファンの方がいるからブランドなので、自分のやりたいことだけを成立させようとしても無理です。ファンの方と共通の未来に向かって進んでいく状況が成立しているから、いいブランドは続いているのです。

戻ります。ジュンさんから質問いただいている「個人が自分でやろうと思っても、自分の再構築をしようと思ってもバイアスがかかると思うんですけど、ほかの人にやってもらったほうがいいですか」に関して、実例を挙げて説明を次のチャプターでします。

セルフプロデュースはうまくいかない

個人のブランディングに限らず、ビジネスのブランディング、ブランドづくりでもそうだけど、ほとんどが自分で「ありたい自分」だけを語ってしまっていて、自分の魅力の整理がなされる前に憧れを語っちゃっている。

だから、求められているあり方と自分が憧れているものとの間のズレに、なかなか着目しきれないんです。これは本当に根が深いですよね。

自分の例をお話しして、その後いくつか、世の中で共通の認識が持てる実例に入っていきます。

コテツは26歳で会社を始めたんですが、サラリーマンだった時期が当然ありまして、飛び込みテレアポのガツガツやる営業会社で営業マンをやっていたんです。

体育会系で、しかも何十年も前だから、今とコンプライアンスとかパワハラとかに関する認識が全然違うときで、今思うと、本当に自分も反省すべき点が山ほどあります。ああいうやり方の会社が成立するのは今じゃ難しいから、よくないなと思います。

自分は、そのとき会社に入ってそれしかわからなかったのもあり、すごい体育会系の会社で、「契約取ってくるぞ!」みたいにやっていました。26で会社を始めて、それ以外のやり方がわからないので、「よし、売上を上げるぞ」みたいにやるわけです。

仕事はある程度厳しくやらなきゃみたいに思っていたんだけど、自分が独立して会社を始めて1~2年たったときに、コテツ社長のことをしゃべってくれる、ほぼ新卒の社員がいたんです。自分は、上司には威厳が必要だと思っていました。今思うとほんとズレていたんだけど、コテツは26~27歳だから威厳も貫禄も全くないんです。

でも、そのときは自分の上司像に酔っちゃっているから、俺は「威厳もあり、ちょっとしかめっ面をした渋い上司」みたいなムードでやっていた。この時点で、ズレているでしょう?

そのとき入ってきた新卒か20代前半の社員が、「社長って、いつもニコニコしてるのがいいですよね」と話をしてくれたのです。

自分は、これでは上司としての威厳が保てないなと思って。社長になりたてですから、26~29歳とかって全然実力がないから虚勢を張っているんですよね。

ただ社員の人が見てくれたときに、自分の良さというのは多分そっちになくて。偉ぶっているというか、子どもがお父さんのスーツを着て、ぶかぶか状態ぐらい、自分は貫禄アピールした上司像を持っていたけど、その虚勢が全然自分の体に合っていなかったんだよね。

社員に言われてハッとした。「いつもコテツ社長、笑顔でいいですよね」みたいなのは、そのときは嬉しくなくて、自分はそういう魅力とスタイルじゃないんだけどな、と思ったんです。でも冷静に考えれば、「ニコニコしていて、いいですよね」と言われたら、ニコニコしていればいいじゃないですか。

その後も、また経営する上で勘違いが起こります。

俺は馬鹿ですから、ビジススクールとかに行った頭がいい人の中に入ったときに、コンプレックスがありました。自分は学もないし勉強もちゃんとやってきてないほうだけど、ビジネススクールとかに行くと、MBA(経営学修士)を取った賢い人がめちゃいる。

よせばいいのに、MBA的なアメリカの経営のロジカルな面を見て、俺もそういうのをやりたくなって、そこから30代半ばぐらいまではコテツのロジックばりばり時代で、すごく頭がいいふうにやっていたんです。本当に今思えば恥ずかしい。

だけど、途中でブランドを日本に持ってくるビジネスをやり始めて、「コテツさんの感性がいいよね」と周りが言ってくれるようになるのです。

でも、「それはやめてくれ。僕はロジックでばりばり説明して、経営者としての賢さでやっているんだ」みたいな感じで、僕は言語化の能力が高いだの、物事は再現性だの言って理屈をこねくり回した。元が馬鹿だから、ほんとに頭がいい人とか本当のロジックを持ってくる人に対して、偽ロジックなんですよ。

自分がそうだったからわかるんだけど、俺は偽ロジックを見分けられるんです。なぜかというと、自分がそういう恥ずかしい、偽ロジックというかロジックっぽいことを言ってやっていたから。

これは話がズレちゃうのでやめますが、「ありたい自分」だったんです。

経営者としてその時は数十億の売上になってきていたし、なんで売上が上がっているかロジックでみんなに説明していたんだけど、今思えば、運とか感性とかでうまくそれがはまって、マーケットとかお客様に評価いただいたことが大きいと思う。でも無理して説明していたんです。

これは自分の事例ですけど、やっぱり自分の考える自分の魅力ってズレていました。それで途中からプロのアドバイザーを周りに置くようにして、経営にしても自分個人のあり方に関してもアドバイザーが付いています。常にです。

これは最後に触れようと思いますが、それで自分の経営のスタイルとか魅力の修正を行なっているのが実際です。

世の中に出ている古い例と最近の例が似ているので言いますと、昔一世を風靡した女性のデュオ2人組にピンク・レディーがいました。「サウスポー」とか「UFO」を歌った人で、YouTubeで見てもらえればと思います。

ピンク・レディーってキラキラの衣装を着て超ミニスカートで歌うんですが、ピンク・レディーが出たてのときは、アコースティックギターを2人で抱えて、デニムのオーバーオールを着て、フォークデュオみたいな感じで出てきたんです。

これがびっくりするぐらいズレていました。なぜかというと、2人とも背が高いし、足も細くてスラッとして長いし、体がスリムなんです。

なので、ボディラインを出す形と、その時の時流に合ったニュースをそのまま歌に取り込むというやり方で日本では大ヒットしたんだけど、なぜかフォークデュオで出てきたんです。あれをよく修正したなと思うんだ。

そういうことって、やっぱりあるんです。本人たちはフォークデュオが良かったと思ったのか、ちょっとわからないけど。

最近の事例ではPerfumeという3人組がいます。

Perfumeも最初は普通の歌を歌っていて、途中からプロデューサーが付いてテクノポップにして、周りをプロが固めて、ステージ全体を作品にするだけじゃなくて、振りと、ビジュアライズのコンセプトと、ステージングを含めたトータルで、世界でウケるところまで行ったのですが、あれはやっぱり他人の手が入っています。

あのPerfumeのお三方が、最初からあれを「自分たちでやりたい」と言うことができたかというと、そのとき聴いていた音楽に憧れがあるから、そっちに目が向いていたんじゃないかな。

次でまとめに入ります。


プロの意見にのってみる

先ほどPerfumeとかピンク・レディーというアーティストの話をしたけど、アーティストに限らず、何か商品とか、あるブランドが世に出てくるときは、優れたプロデューサーとかコンセプトをつくる人とか、客観的にそれをコントロールしてアドバイスしてくれる人がいる場合が結構多い。

それは魅力が本人が思うのと違うところにあることが多いからです。

そうそう、こんまりちゃん。アメリカで大成功している近藤麻理恵さんも旦那さんの川原卓巳さんが非常にすぐれたプロデューサーです。

日本でのヒットを飛ばし始める辺りから陰日向となり、微調整と、さまざまな周りの段取りをうまくやり、日本を代表するようなブランドまで行っている。

これはたまたま世の中に出ているもので言っているけど、商品とかサービスブランドでも結構そういうことが多いです。友達に聞いてもなあなあのアドバイスだったりするから、本当はプロに聞いた方がいい。

髪型だったらプロの美容師に「こういうのが合うじゃないか」と言ってもらえるし、洋服も、センスのいいショップ店員さんとかにアドバイスしてもらったのを着てみるのもあり。自分の好みに固執しないで、プロの提案には乗ってみたほうがいいと思います。

俺も結構こだわりあると思われている部分もありますが、俺はどの世界に行ってもプロが言うことはまず聞き入れてみる。そうすると自分の世界が広がるし、自分の新しい魅力と可能性が広がるので。何と言っても俺もズレていますから。

俺には、さまざまな事柄で、アドバイザーやディレクションをしてくれるブレーンが付いています。なぜかというと、自分で自分の魅力とかセルフプロデュースとか、自分のあり方をやっても、どうせズレちゃうことがわかっているから。

必ずプロの方に自分の考えをぶつけてみて「いや、それなんなの?」とか「まだそんなこと言ってるの? そっち向きじゃないよ」みたいにダメ出しと修正をされてください。

自分はビジネスとかコテツブランドもつくっているので、ジュンさんが質問くださったとおり「自分だとバイアスがかかるので、他の人の意見を聞いたほうがいいですか」というのは、本当に、いきなり核心にたどり着いているようなご質問でした。

ご質問やコメントはVoicyでできるだけお答えしたいと思っておりますので、これからもお付き合いください。

今日は以上です。
久々野智小哲津でした。

この記事のVoicyはこちらからどうぞ↓↓
https://voicy.jp/channel/2089/189015

Voicyアプリのダウンロード↓↓
https://voicy.jp/



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?