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【麦酒芸術研究所4】 ビール片手に、2360件の先願商標を攻略する。

1. 御挨拶

 こんにちは。

 日系企業(化学メーカー)で研究開発を8年、いまは上海で技術営業をしている36歳の会社員です。『 ビールで実験を、ビールに貢献を 』を合言葉に趣味活動しております。

 今回でvol.4、土・日にPCを開き、タカタカとタイピングするのが習慣化されてきました。


2. 前半:扉(商標)作りの進捗

 さて、まず前半は商標作りに関する挑戦のお話。前回、自分のことを知ってもらうための『 商標 』作りを開始し、いまは商標作りの第一歩として、商標検索を行っているところです。

 さて、今回はそんな商標検索の進捗状況を報告します。結論から申しますと、文字+図形の今回のロゴ対し、『 文字 』においては、完全一致、類似検索、いずれも『 該当なし 』ということが判明いたしました。つまり、『 文字 』は商標として成立する可能性がある、と推測できます。では、今回の実際の調査はどんな様子で、どんな状況だったのか?

 この辺りの具体的な『 文字 』に関する商標調査の進捗は、この記事の後半で。

 それまでは自由研究です。ご覧ください。

 

3. 自由研究

1. Background

 大変雑で申し訳ございませんが、やはりネットの情報力には敵いません。そのため、以下の通り、外部情報を参照させていただきます。

 基本情報は、以下HPを参照。

 GOOSE IPAの歴史は以下HPを参照。

2. Sample

【試料】 GOOSE IPA

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【購入場所】 CITY SHOP

中国上海市长宁区天山路341号

【原材料】 ①水 ②麦芽 ③ホップ ④酵母

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3. Results and discussion

【試験環境】 温度:26℃ 湿度:68%RH

【麦酒環境】 温度:11.3℃(MITIR製 水温計)

 以下レーダーチャートに、試飲の官能試験結果を示す(n=1)。なおBlankは、2019年日本国内で最も購入されたビール銘柄である、Asahi superdryを用いた。

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 グレープフルーツ感とコクが強く、ポップな印象。ペアリングなしで、ビール単体で飲んでも満足でき、ビールが苦手な方でも受け入れやすい一品と考える。

【ペアリング】

本命:ハンバーガー

対抗:ポテトフライ

大穴:スコーン

4. Conclusion

『 グレープフルーツ感弾けるポップな一品 』

Reference

・Goose iland公式HP

・japanbeertimes公式HP

Data

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4. 後半:商標の『 文字 』に関する調査の進捗

 冒頭でお伝えした通り、今回の商標は『 文字+図形 』で構成され、今回は『 文字 』の先行商標をひたすら閲覧しまくりました。なにせ、2360件の先行商標、気絶する数です。結論、完全一致、類似検索いずれも無かったので一安心でしたが、そんな様子をレポートいたします。

 まず、第一ステップとして、今回の『 文字 』がどのようなものか、から御説明いたします。もちろん、開示可能範囲で。今回の文字は、単一の単語から構成されている訳ではなく、『 単語A 』+『 単語B 』で構成されています。

 つまり、検索パターンとしては、

①『 単語A+単語B 』

②『 単語A 』 

③『 単語B 』

 の3パターンに対して、検索をしていくことになると推定できます。

 ここで、そもそも②③を行った理由に関しては、商標に似た特許では、発明A=発明B+発明Cの場合、発明Bの特許と、発明Cの特許が既に世の中にある場合、発明Aがその単なる組み合わせだとすると、『 容易に想定できる(容易想到) 』として、発明として認定されません。よって、この概念を商標に当てはめると、商標ではロゴの『 新規性 』と『 識別性 』が重要なので、②③で①の商標が想定できると、『 新規性 』が無い、とみなされる確率が高まります。つまり、登録出来ない恐れが想定されます。

 次の検索ステップとして、①〜③に対し、完全一致および呼称類似検索をかけていきます。前者は文字通りですが、後者はいわゆる"呼び方"です。つまり、今回の文字がカタカナ表記で何と呼ぶか、という視点で検索する方法です。

 以上を踏まえて最後のステップ、検索を行うと、以下件数がヒットしてきます。

①『 単語A+単語B 』 完全0件 呼称類似0件

②『 単語A 』 完全4件 呼称類似1867件

③『 単語B 』 完全1件 呼称類似488件

 今回はこれらを地道に調査。結果、ポイントである容易想到に対し、②および③それぞれに、今回の商標案が表現したい思想(概念)を含むものがなく、故にその②③を組み合わせても思想(概念)を容易に想定できない故、容易想到ではない、ということが明らかとなりました。

 長々と記載いたしましたが、まずは一安心です。さて、次は『 図形 』をチェックしていきます。その進捗はまた今度。

頂戴いたしましたサポートは、インドネシアやタイの子供たちに塗り絵本を送るための活動資金に活用させていただきたいと思っております。 何卒よろしくお願い申し上げます。