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“福の字が逆さ”なのと“Broken Obelisk”との関係(#31)

2021年の陰暦の元旦は2月12日でした。
春節の際、中華街などで福の文字が逆さになっているのをみたことは御座いませんか?
あれの由来は以下です。

福倒了 fu2dao4le (福が逆さになる)

福到了 fu2dao4le (福がやって来る)

実は同じ発音なのです。

日本風にいえば「シャレ」に近いのかもしれません。

逆さにすることで縁起物にしているのです。
ただ「福を逆さにしているから福が逃げるのでは?」と感じさせるかもしれません。
ですか、逆さにすることで訪れるという発想なので安心です。


ちなみにそれは「倒福」、日本語では「逆さ福」などと呼ばれたりします。

そんな倒福をみながらバーネット・ニューマンの「ブロークンオベリスク」を思います。

その心は「ともに逆さに置くことで意味を授ける」です。

ニューヨーク近代美術館(MoMA)にあるこの作品は古代エジプトのファラオが作った記念碑(オベリスク)をこれまたファラオの象徴であるピラミッドの頂点に対置させています。
それにより権威同士が対立し合う構造を生み出しています。

しかしそのようなことが分からずともいいのです。
何かを逆さにしているという点は一目瞭然ですから。
その意味で「倒福」も「ブロークン・オベリスク」も仲間です。

逆さにすると同じものもまるで違ってみえる――倒福は福を呼び込み、ブロークン・オベリスクは権威に挑みます。

時々「逆さにする」という発想は我々にきっと良い「何か」を齎す気がします。
それが、リフレッシュなのか、あるいは閃きなのか……。

試しに自ら逆立ちしてみてもいいかもしれません。🙄

頂いたものは知識として還元したいので、アマゾンで書籍購入に費やすつもりです。😄