働く場所について、自分の身を守る

あるあるなのかもしれないが…


実は、私はずっと不思議に思っていたことがある。
何回か転職をしてきてはいたが、先日まで勤めていた会社には、
雇用契約書も就業規則もなかった。

入社する前、zoomで採用可の連絡を受けて、

  • 試用期間は3ヶ月(6ヶ月だったかな?)

  • 試用期間の給料

  • 就業開始日

を口頭で伝えられて終わった。

初日に諸々契約書やオリエンテーションのような時間が簡易的に取られるのだろうと思っていたが、勤務して初日から、実は全くなかった。

雇用契約書がないことなんてあるんだ、とかなり驚いた。
今までの就業先でも、アルバイトでも、単発派遣でも、必ず合ったからだ。
就業規則も「今作成中で…」との話だった。
就業規則は決めなければならない事項がたくさんあるため、精査して時間がかかることはまだ理解できる。

だけれど、そこから約7ヶ月、未だに提示はない。
私はそこだけがかなり不信感だった。

そして、ホームページに記載がある「残業手当あり」の文字。
もちろん自分の仕事の遅さで時間がかかることもあったが、
お客さまとのお打ち合わせで必然的に遅くなったこともあった。
でも給与明細を確認しても、残業代が払われていることはなかった。


退職の挨拶をして、去ってから


私はその後、管轄の労働基準監督署に行った。
かなり迷ったけれど。
でも、「仕事量を考慮して新しく人を入れようと思う」と言うことも聞いていたので、新しい人が私みたいに同じ思いをしてほしくなかった。

会社として皆さん一人一人は好きだし、
本当は辞めたくなかったし、
できない自分が悔しかったけれど、
自己承認が出来ていない自分ままではダメだと痛感したから、退職勧奨を受け入れた。

成長を遂げるためにビジョンを浸透させる努力を社長がしていることはわかるけれど、私はその最初の取り決めがないことだけがずっと引っかかっていた。


だから、「退職した身分だしな。何かが変われば。」と思い、訪れたのだ。

労働基準監督署

労基の担当してくださった方は、最初は淡々と話を聞いてくださっていた。
でも、お話をする中で、会社に対して怒っているわけでもなく私は今までに起きていたことを話していると、労基の方も親身に聞いてくださってくれた。

「このお話の中で、結局のところあなたが求めるものはなんですか?」

と尋ねられた。
「私は、会社が好きです。退職という形となってしまいましたが、
今の状態だと、『社長の希望に叶わない人はいらない』と捉えてもおかしくないと思ってます。
現に私がそうだったように、はっきりと書面で残して、方向の規則を作る、会社として正しい形をとってほしい、と思っています。」
と伝えた。


そうすると、下の薄い冊子をくださった

https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000626474.pdf

  • そもそも、労働契約書は書面として残る形(メールやPDFでも可)で双方が同意のもと制作しなければならないと言うこと

  • 常に10人以上の人数を抱える会社は就業規則を必ず作成し、管轄の労基に届出を出さなければならないこと

  • 残業時間を出されていない場合、活動時間と給与明細を照らし合わせ、いつからいつまで働いたかを明示すること

  • 建築士やインテリアコーディネーターのような裁量労働型の場合、労使協定を結ばなければならないこと

  • (今見つけたけれど)入社して半年は原則10日の年休の付与

  • 雇入時に、常時使用する従業員は健康診断を受けなければならないこと


が法律として会社の義務だったことが分かった。
私の場合、そもそも経験がない中で行うインテリアコーディネーターと言う肩書きは、新卒入社で簡単にできることではないから、そう言う部分でも考えることが会社としての勤めなのだ、と言う回答が返ってきた。

私が感じていた違和感は、おかしいことではなかったのだとほっとしたこと、そして知らなかったことがたくさんあって、逆に勉強になった。

残業の部分はどうされますか?


「名前を出すことを覚悟で、会社に対し、残業代を支払ってほしい旨を口頭、もしくは書面で伝えることもできる」

と言われた。

少し悩んだ。家事や睡眠を犠牲にして、家でもやっていたから。
わからない中、とりあえず過去のものを調べながら悩んでやってみていたから。
正直、結果にはならなかったけれど、自宅でやっていたことは事実だったけど、社長は本当に気にかけてたくさん会話を重ねてくれていた。
悩みを聞いて、アドバイスをくださったりしていた。正直悩んでいた。

「でもね、あなたの今後を考えると、労基としてこんなことをいうのは良くないと思うけれど、今後同じ業界にいるのであれば、噂になったり、対立関係になる可能性もある。あなたからは会社に対する憎しみとかを感じないから、行うのであればよく考えた方が良い」

と言われた。
それで我に返った。
たくさんのことに気づかされ、
いただいた言葉や、スタッフさんが嫌いではないこと、
自分の足りないこともたくさんあったこと
それが何よりも今回理解したことだったからだ。


だからそれだけは辞めた。

でも、会社として法を犯したままでいてほしくなかったこと。
ビジョンは理解するけど、スタッフの皆さんは疲弊してる人が多いこと、
仕事だから行うしかないこと、
そんなように感じた。
そのことを含めて、匿名で申告があったという体で、調査を進めてほしいとお願いして、労基を後にした。

辞めた身だけれど、
こう言う是正できる箇所はきっと指摘が入れば直るはずだと願いを込めて。
私は帰路についた。


自分を守る知識

今回は、労基に行って良かったと思っている。
実際に、申告したにあたり、調査となった場合、私の可能性が上がると思う。
けれど、それでもなあなあになっていることは、社長の希望に叶う人でなければ辞めなければならないという現状に見えていることを知って欲しかった。

今回の申告に伴って、どうなったかなどに対し連絡や報告があるわけではない。
けれど、それでも良いと思っている。会社として良い方向に進むのなら。
きっと、勧告が入れば社長はしっかり動くと思うから。
私はそう信じている。

決して嫌な気持ちで言ったわけではないし、伝えたわけではない。
それだけは改めて伝えておきます。
そう見えないかもしれないけれど。


けれど、労働基準法という働く上で雇用者が最低限守られている内容を知っておくことで、会社を見分けることができることを学んだ。
上記のリンクは、私も同様のものをいただいて読んだものなので、機会があればぜひ読んでほしいです。

とりあえず、次はしっかり会社の状態や会社が雇用者を大切にしているかの基準を見分けることができるツールをいただいたので、
忘れないようにしっかりしたためておこうと思います。


皆さんの会社はいかがでしたか?
皆さんにとって、生きがいを感じながら、健康管理やメンタルの部分でもケアしてくれる会社でありますように。


知れて良かった。
これからも頑張ろう。



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