【日記】コロナのやつ(前編)

 またしても毎日更新を逃した。たった一週間足らずだった。今度こそ、書き溜めを利用して……というのは毎回思っていることなので、次こそ続くとは思えない。そんなことにこだわらずともいいのではあるが。
 平穏な日が続いている。サラッとどこかで先月コロナに罹ったということを書いた気がする。もう、人類の半分は罹ったような気がする。珍しいことではない。けれども、他の個人的な経験全てに言えることだが、自分にとっては一回、再び回帰しない経験ではある。
 とはいっても、普通に周りで聞いている症状と、変わりはなかった。ある日、喉が痛くてこれは発症したなと思う。今まで何度も「もしかしたら」と思ったことがあるけれども、罹ってみれば、やはりこれは違うと思う。だが、風邪と大きく違うのかといえば、そんなこともなかった。風邪とは違うと言われてはいるが、芯のところでは風邪以外の何物でもない。もともと風邪と呼ばれている症候群は、いくつかの菌やウィルスの感染症の総合的名称だが、その中に歴として、いわば旧型コロナの名が冠されていたのだから。やり口は変わらないというわけだ。
 一方で症状の重さはそうではない。半日の内に自分は三九度まで熱が上がった。喉というか肺全体が炎症を起こしているという感じがあった。しかし本格的な肺炎であれば、そんなに生易しいものではなかったはずだ。事前に調べて知った、今流行しているBA5変異株は、デルタ株までの変異種とは違い、下気道まで浸透するという情報が、肉体の中のよくわからない感覚の解釈として邪魔したのだろう。おそらく軽症と言える部類に入る。
 三日間は、休んでいるといっても療養を楽しむ余裕はなく、ひたすら症状と闘っている気分だった。しかし四日目以降は、明らかにいくつかの症状、といっても熱と咳しかないが、それが弱まって来て、この段階で自分の中に抗体が出来、排菌が終了したのだなという確かな感覚があった。
 これが人間の恐ろしいことでもある。

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